マニュアルの基礎知識

マニュアルづくりマニュアル

 

「マニュアル」とは、手引き、便覧、案内書、参考書などの意味で、いろいろな種類があります。世間でいわれる「マニュアル」とは「ハウツー的」なものを指し、書かれた通りの決まりきったことしかできない意の「マニュアル的」とか、気がきかず人情味や融通性に欠けた、思慮の浅い人を「マニュアル人間」など呼んで、「マニュアル」を否定的な意味で使われることが多いようです。

最近では「製品取扱い説明書」をもマニュアルと称するようになっています。電器製品など購入したときに添付されてくる、取扱い方法を教えてくれる説明書のことです。「ご愛用の手引き」、「取扱い説明書」(取説・とりせつと略称)と称されていましたが、パソコン製品などが出まわるようになって一般的に「(ユーザー)マニュアル」とも呼ばれるようになりました。

パソコンやアプリケーションソフトの分厚い「マニュアル」は、それを見ただけでおぞけを振うという人もあり、取り扱う前の段階で断念してしまうという例もありました。最近では、アプリケーション・プログラムと一緒に、CD-ROMの中に組み込まれる例も多くなっています。また、PL法(製造物責任法)の施行により、この「取り扱い説明書」の多くが見直され、改訂されていますが、安全上のご注意が前面に出て、ますます取りつきにくくなったともいわれています。

ここで触れる「マニュアルと」は、業務(作業)手順書のことです。どのように業務を遂行したらよいのかを伝えるもので、この「マニュアル」に最低限必要とされるのは、次のような内容です。

◎具体的な実施事項と手順

 〈「何」をするのか〉

 ・業務を完遂するために、必ず実行しなければならない項目・内容

◎ポイント・コツ(カン、呼吸・手際、特殊な知恵)、

 〈「どのように」するのか〉

 ・業務の実施にあたってカギとなるところ

 ・安全、業務をやりやすくするものなど

◎レベル(期待される水準)

 〈どこまで、どの程度まで行うのか〉

 ・ポイントやコツの達成基準、判断基準、標準話法

 ・目標や期待値、数値化・数量化される部分

 

マニュアルはその業務を担当する個人のためのものではありません。日頃、その業務を担当していない人が、担当している人と同一レベルで業務遂行できるための情報が記載されていなければなりません。そして、その情報は、最新で、最も適切なものに維持管理された、活きたものでなければなりません。

これからのマニュアルには、企業や組織などが、何を「是」とするか、経営の基本方針や価値観を明らかにして、具体的に何を(業務)を、どのような水準で遂行するために、どのように行うか(方法)のか、全体の活動が理解できるように記載することが必要になっています。

このようなマニュアルは、遂行者がなすべき業務に集中することができ、その結果、人を活かすことができます。

●ムダなく業務を遂行する「効率化」=業務の効果的な遂行手順や勘どころを示す

●イキイキと業務を遂行できる「活性化」=なぜその業務をしなければならないか、背景や意義を伝える

●新しいやり方で業務を見つける「創造性」=結果に生み出される余力や意欲により、業務の新しいやり方などを創造する

このように業務マニュアルは、企業活動において欠かせないものです。特に、営業活動、販売促進(SP)の展開にはなくてはなりません。その代表的なものであるセールスマニュアルについて考えてみましょう。

新商品の発売などにより、メーカーから販売店に提供されるマニュアルに、総合的なセールスマニュアルがあります。このセールスマニュアルの構成で最も一般的なのが次のようなものです。

 ◎はじめにメーカーの営業責任者などの<ごあいさつ>があり、

 ◎商品の概要を伝え、ここでその開発意図などが述べられ、

 ◎商品をとりまく市場環境や消費者動向が解説され、

  だから売れると強調されます。

 ◎次に、商品についての紹介があり、特徴などが記載され、

 ◎ターゲットがどんな層なのかを伝えます。

 ◎次がSP戦略・戦術についての紹介です。

 ◎販促のために用意したディスプレイラックやカタログ、

  チラシ、DM、POP、プレミアム、ノベルティなどを伝え、

 ◎広告内容やスケジュールが紹介されます。

 ◎さらに、商品をどのように展示し、どのような方法で販売していくのかを伝え、場合によっては、販売時点でのセールストーク例なども紹介されます。

 ◎その他、技術ガイドやPRを加えたりします。

流通向けのセールスマニュアルは、基本的に、商品を消費者に売ってくれる人たちを対象とした一種のカタログであるというとらえ方が必要だと思います。一般の消費者向けのカタログは、あくまでも最終的にその商品を買って欲しい人への働きかけが目的であり、セールスマニュアルというお店向けのカタログは、その商品で営利事業をはかろうとする立場の人たちへの働きかけが目的になります。

消費者を対象に、商品の魅力やそれを使っての新しいすてきな生活を提案して、訴えるのがカタログであるなら、このセールスマニュアルは、その商品を扱うことによって、すてきな状態になれることを実感として理解して、納得してもらうことです。

ここでいう特約代理店や販売店の<すてきな状態>とは、いうまでもなく販売することによって<経済的な利益が得られる>ことです。ただこの一点のみです。

重要になるのは、お店の人たちがその商品を買ってくれる、仕入れをしてもらうことで完結するのではないということです。たいていの場合は当り前のことですが、継続的な取引き関係を続けようとするならば、いわゆる<押しこみ>をはかるだけのセールスマニュアルであってはならないものでしょう。

いまの時代< 押しこみ> をはかろうとしても無理なことです。販売の第一線にいる人たちは、その商品が売れるかどうかを、長い経験を通して直感的に判断できるものです。その判断は「自分の店の商圏とお客さまに受け入れられるか」という前程に立ってのことです。

このように見てみると、セールスマニュアルは、本来、個店対応のものでなければならないものでしょう。販売店の立地条件が違い、規模や顧客層が異り、従業員の資質も違っているものであり、これを一律に同じ方法でというのは無理があります。

とすると、マニュアルづくりは不可能になってしまうか、または、最大公約数的な内容で割り切ったものになりかねません。現在のところ、最大公約数的な内容のものにならざるを得ないような気がします。

ただ、気になるのが内容がメーカーの論理だけで語られていることです。たとえば、その商品の市場規模を伝えて、全国ではこれだけの需要が見込めるし、これを販売店の数から割り出すと、1店あたりこの位の販売数が見込めるはずだという理論です。この数字は、市場全体をマクロでとらえるメーカーにとって意味のある数字であっても、個々の販売店にとってはあまり関心のある数字ではないはずです。

要は、個々の販売店にとって「うちではどの位売れるのか」であり、また、「どんなことをすれば売れるのか」が重要なことであり、メーカー側から勝手に「この位は売れるはずだ」といわれてもイライラするだけでしょう。

特に<売る>ことが格段にむずかしくなっているいま、いくらいくら売れるはずで、売れないのは販売店に原因があると暗にいわれてしまってはシラけてしまいます。メーカー側の論理での希望値を提示されても困ってしまうでしょう。

販売店は、あくまでもその企業の論理で独自の販売活動を続けている営利企業であり、メーカーのショールームではないのです。販売方法についても、たとえば、{この商品は訪問販売が最適です}と伝えたとしても、販売店としては困ってしまいます。販売店に訪問販売をしてほしいのだったら、それなりのしくみやツールが必要であり、対象店も選ぶ必要があります。

本来、販売店のためのセールス・マニュアルを、商品のメーカーがつくるのはおこがましいことなのかもしれません。特に、最近ではよけいそう思います。もし、メーカーがつくるとしたら、販売店の現状をよく把握したうえでつくることでしょう。

何よりも大切なことは、販売店の立場をよく理解して、その商品がどのように位置づけられているのかを知り、十分な納得が得られるような指導をすることではないでしょうか。ただ、自分の商品を売ってもらいたいために、メーカー・エゴをごり押しするようでは受け入れてもらえないのは当然です。

セールスマニュアルとは、要するに販売方法の指導書です。効果的な「売り手」をつくる手引書であり、対象が販売店なら、そこの店長さんや店員さんに、商品の効果的な販売方法を伝えます。販売活動をセールスマニュアル通りに実践してもらうことによって、その商品を効率よく販売し、そのお店の売上げ向上に寄与してもらうことが目的です。

このセールスマニュアルの位置づけは、協働のマーケティング推進者としての、販売員に意欲と技術向上、動機づけをするコミュニケーション・メディアであるということです。このメディア価値が極めて高いセールスマニュアルによって、販売員の販売貢献度が高くなることが期待できます。媒体費用が比較的安価であることも大きな特徴です。

セールスマニュアルを企画制作するにあたって重要なことは、

 ◎目的をはっきりさせる

 ◎現場の実態に合わせる

 ◎興味を呼ぶ工夫をする

 ◎わかりやすく表現する

 ◎適切な媒体を選択する

ことでしょう。

制作の最初のステップは調査活動です。販売第一線内容や自社現況はどうか、競合状況はどうかなど、商品や販売環境を、くわしく調査分析し、問題点と課題を抽出します。

対象商品の調査確認事項は、次の通りです。

 ◎市場背景や普及率

 ◎消費動向と将来予測

 ◎商流・物流機構

 ◎競合・占拠率状況

 ◎関連商品の動向

 ◎その他

また、販売活動の調査確認事項としては、次の通りです。

 ◎販売方法・業態

 ◎広告宣伝・PR

 ◎自社営業の意思

 ◎流通段階の意識

 ◎販売成功の実例

 ◎その他

調査方法や確認の方法には、次のようなものがあります。

 ◎直接面談による取材調査

 ◎電話による取材

 ◎アンケート調査

 ◎グループ・インタビュー調査

 ◎オープンデータ

 ◎その他

次に、セールスマニュアルを企画します。総論として、目的を確認、しくみを再構築して、最も効率のよい伝達方法を設計します。

目的の確認では、誰から誰に、何の目的で、コミュニケーションをはかるのかを明確にします。

 ◎発信者は…メーカー、ホールセラー、リティラー、他

 ◎What・何をどんな"使用価値"をもった商品、サービスか

 ◎Who・誰に自社社員、系列会社社員、他企業・販売店社員か

 ◎Why・なぜ販売目標の達成、態度・意識の変容、知識技術伝達

 ◎Where・どこで伝える場所、職場、自宅、通勤途上、その他

 ◎When・いつどんな状況下、どんな精神状態にあるときか

 ◎How to 方法は 

 ◎How match 予算は 

 ◎Tool&Skill 用具とSkillは

そして、活動内容を再構築してみます。現在の販売方法のタイプを確認して、現状を分析し、必要に応じて新しいしくみをつくります。

 ◎セルフサービス型  たとえば、食品、日用生活品

 ◎対面(アドバイス)型 たとえば、家電品、ガソリン

 ◎訪問型       たとえば、OA製品、乗用車

 ◎コンサルティング型 たとえば、保険、旅行、宴会

 ◎カウンセリング型  たとえば、眼鏡、薬品、住宅

 ◎使用機会促進型   たとえば、ガス、電気、電話

 ◎ご用きき配達型   たとえば、酒類、食品、灯油

新しい売り方のしくみづくりのために、必要とする最適なツールとスキルを設計します。

 ◎SKILL

 ISM/ISP/フロアレイアウト/スキマテック/フェーシング/ディスプレィ/インセンティブ/セールストーク/標準Q&A/セールス・パフォーマンス 他

 ◎TOOL

 POP/カタログ/チラシ/プレミアム/ノベルティ/ダイレクトメール/ディスプレィ用具/什器備品/包装紙/キャリーバッグ/アプローチ・ブック/AVC機器+ソフト 他

次に、表現方法について検討します。対象者に、狙い通りに理解してもらい、その気になって働いてもらうための工夫をこらします。目的・現況から最も費用効率の高い媒体選びや理解させる工夫としての表現方法の検討を行います。

 ◎伝達方法の検討

 印刷/デジタルパック/インターネット/イントラネット/AVパック/Fファクシミリ/フィールドマン/電話/その他

 ◎表現方法の検討

 標準文/ゲーム化/ドラマ化/チェックリスト/Q&A/セールストーク/箇条書き/チャート/その他

 ◎ビジュアルエイド

 イラスト・マンガ/写真/CG/グラフ/図面/パース/動画・映画/その他

 

企画した内容を、実際に制作する前にくわしく検討評価して十分に確めます。

〈質〉伝達方法は効果的か=表現方法の再検討

〈量〉内容に過不足はないか=全体構成の再検討

    ↓

〈狙いの実現期待値〉

 ◎企画、再構成したしくみが適切かどうか

 ◎発信者の狙い通りの内容になっているか

 ◎メディアミックスの中での位置づけから

 ◎現場を想起したイメージの中での実現性

 ◎対象者が期待通りに理解し行動できるか

そして、いよいよ制作です。ここでは対象者に合わせて確実に理解してもらえるコミュニケーションを目指します。

対象者に合わせるために、次の確認を行います。

 ◎理解度のレベル

 ◎習慣度のレベル

 ◎意欲度のレベル

 ◎積極度のレベル

 ◎持続度のレベル

また、理解しやすくするために

 ◎目的と手段を明確に伝える

 ◎文章はわかりやすく簡潔に

 ◎不安や不満を感じさせない

 ◎展開の筋道をわかりやすく

 ◎不要な情報だけをもらさず

制作スタッフの組織として、異分野の感性や理性を導入活用しながら経験あるクリエイターが制作します。

 SPプランナー/マニュアル・ディレクター/調査会社

 SPライター/コピーライター/テクニカルライター

 SPデザイナー/イセストレーター/フォトグラファー

 SPプロデューサー/印刷・製作会社/AVCソフト制作会社

メディアへのおとしこむ製作のステップです。費用対効果を上げるためにも、製作会社と緊密な連携により企画から完成品の納入まで一貫して行うことも有効です。目的にかなうスケジュールであることが必要であり、最新の制作環境下で迅速に仕上げます。企画制作費は、内容によりその都度ご契約時に明確にしておきます。

販売店や特約代理店向けの新商品のセールスマニュアルでは、販売戦略を、よく理解してもらわないと市場への導入が難かしいものになります。この商品は<いままでと、どんな点が違うのか>、いま<なぜこの商品なのか>、だから<どんな人を対象にするのか>、そして、<いつ、どのようにおすすめすればよいのか>を伝えることが基本になります。

このような基本的な展開の中で、メーカーとしてどのような支援策を実施するのかを伝え、納得してもらうようにします。マニュアル全体の表現として、インパクトの強い<デビュー感>を出すことも必要です。

この構成をドラマチックにするのも効果的です。ドラマツルギーにのっとった構成にすることです。流れに従って、起・承・転・結でまとめます。

<起>では、ひとつの問題を提示するところです。ここで新しい商品としてのデビューをインパクト強く説明します。主役である商品の華々しい登場です。ここで商品がどんなものであり、いままでと、どんな点が違うのかをはっきりさせることです。

販売にたずさわる人たちにとって、いま、販売している商品についての知識があります。この知識をもとにして、新しい商品についての理解をするものであり、ここではいわずもがなの知識を伝えることは不要でしょう。

< 承> は、< 起> を受けついで、発展させるところです。なぜ、この商品を開発したのかについて説明します。ここでは、単に、理性に訴えるだけではなく、感性に訴えることも欠かせません。

ここにデータが必要だと判断したら、それもよいでしょう。ただ、そのデータは、メーカーの関心領域で選択したものではなく、対象者の関心領域で選択したものですることを忘れてはなりません。

< 転> は、全体の流れに新たな波紋をつくるところで、興味を先につないでいきます。この商品はこんな対象者に売れるという項目ですが、むしろ、「ここに、こんな人がいます。この人は、先に見た商品のターゲットとして、最適だと思いませんか」といった、ギミックを加えた展開も効果的です。

<結>は、一挙に期待レベルにもちこむところです。「だから、このように売ろう」という内容を伝えます。いままでの商品と違った売り方があるなら、いままでの売り方を全面的に否定するのではなく、いままでの売り方のこんなところを変えれば、このような成果があがるという説得のしかたです。具体的なセールストークを伝えるのもよいでしょう。

 マニュアル・サンプル

 

※ご覧になりたい項目をクリックしてください。そのサイトに飛びます。

 なお、PDF版はアドビ・アクロバットリーダーでご覧になれます。

 アクロバット・リーダーは、

http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep2_allversions.html

から、ダウンロードできます。(無償)

 

内   容

営業マネジャーマニュアル

 セールスマン統括マネジャーの基礎的な技術を伝える

LPGセールスマニュアル

 販売量を増やすプロモーションの具体的戦術を伝える

Vカメラ販売店マニュアル

 お店の個性に合わせたビデオカメラの販売法を伝える

ウォッチ販売店キニュアル

 対象者の人生の節目に合わせたプロモーションを案内

TOP

自叙伝HONづくり

百人巡礼倶楽部

リンク

ビジネス商売繁盛

各種企画プレゼン

作品館

経 歴

HOT NEWS

クリエイティブスタッフ 東京都福生市北田園2-21-1-105 〒197-0005

Tel.042-539-7551 Fax.042-539-7552 kashi@t-net.ne.jp


copyright(c)creativestaff all rights reserved 2006