2006年10月例会報告     過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 


日 時/2006年10月27日(金)18:50~21:10

場 所/国分寺市本多公民館

参加者/小川・酒巻・須藤・鷹取・町田・堀


1.写真報告「ナミビア・南アフリカ自然の旅」…………………………………堀

 まず、ナミブ砂漠の赤い砂と、そのもとになった山岳地帯の赤い石を紹介したあと、不思議な植物2種を紹介しました。

一つは樹皮にロウと似た成分を含んでいるロウソクの木です。枯れてカラカラに乾燥した枝は、火をつけるとよく燃え、お香のようないい香りを放ちます。ブッシュマンがたいまつなどに利用していたことから、ブッシュマン・キャンドルと呼ばれています。

 もう一つは赤褐色で、まるで枯れたドライフラワーのように生えている復活草です。英語名は、ワンダー・ブッシュ。水につけると2時間ほどで小さな緑の葉を開きます。おみやげとしてこの草を持ち帰ったヨーロッパ人が、そのことを数年間忘れていたそうですが、水に浸すとみごとに“復活”したそうです。いつ雨が降るかわからない乾燥地で生きぬく術なのでしょう

 さて、報告は写真のデジタルデータをテレビ画面に映す形で行いました。

 ナミビアの首都ウィントフックにある大きな国会議事堂、その横にある公園の植物とそこにやってきたテリムク(鳥)、すぐ近くの路上で木彫りのお面や動物の置物、鉱石、ひょうたんでつくった民芸品などが並べられた露店。

さらに最初の宿泊地オカハンジャでは、ロッジのすぐ近くの草原の火事、乾期のため干上がった池に一面の塩。その後海岸に向かう途中の、列車や水のパイプラインが見えるウサコスあたりの一面の砂漠。

つぎの宿泊地、砂漠の中、海辺にできたこぎれいな町スワコプムント。そこでの食事風景や、昼から砂漠の中に向かって観察したナミビアン・エーデルワイスやハマビシソウ、さらに2枚の葉を生涯伸ばし続けることで生長するウェルウィッチアなどを紹介。

明くる日は、片側に激しい波が打ち寄せる海岸の反対側に続く砂丘、さらにはウォルビスベイでのペリカンやフラミンゴなどの海鳥の姿を見ていただきました。


2.実践報告「力(中1)」の学習………………………………………………酒巻

 能力別クラスで理解の困難な子どもたちを教えているそうで、ことしの科教協神奈川大会では物理分科会に意識的に参加し、その時の議論を参考にして わかりやすく教える工夫をした授業報告でした。

・ 問題文にある「AがBを引く力」とは何をさすのか理解させるために、国語の学習のようなこともやる必要があった。

・ 大気圧はパスカルで説明したが、N/?=pで、その100倍がhpなどの理解はまず無理だった。

・ 2年の選択、発展をとった子でようやく単位の換算ができる。数学との関わりで言うと、式の変形はまだちゃんとやっていない。

・ 以前から1年でやっていた学習だが、1年では無理だということか?                

・ いままではいろんな子がいたから全体としては

何とか理解して進んでいたのではないか。

・ 力/面積というのも受け入れにくいのだろう。

・ 密度がはじめに出ていればわかるが、密度は後になっている。

・ 「力」という目に見えないものをはじめにやるのがおかしい。

・ やはり教科書の順序がおかしい。自分は密度を先にやる。

・ さらにおかしいのは、ニュートンを使っているからよけいにわかりにくい。

・ 科教協大会では、理科室のいろんなところにこれは○Nなんだと書いて置いておく。すると、F=maのときにスッと行く。Kg力を使うと、Nへの変換が大変になるなどという意見もあった。

・ kg力からNへの変換は慣れれば大変ではない。握力計にはkgFと書いてある。バネにおもりをつるして100gだったら、100g力と言いたくなる。教科書でNが出てきたから、Nとkg力と両方使っている。

・ 1あたり量は発展で戻ったが、教科書には単位記号がついていない。

・ 1あたり量は機械的に教えるしかないのか?

・ 単位がどういうものかは、小学校で教えるべき。

・ 力の矢印も、重心を教えないで真ん中から書くのか。

・ 啓林館と大日本は書いてある。

・ 東京物理サークルの人がよく言うように、「○が、△に受けている力」というように、力を受けているものを主語にすることをずっとやっていればいいのではないか。そうすれば、何かされて変形するとか、加速度が生じるとか理解できるのではないか。

 このほかにも作用点をどこに書くか、大きさはどのくらいがいいのか話し合われましたが、それぞれの方で意見が違い、結論は出ませんでした。


3.職場でどう自主編成をすすめるか……………………………………………須藤

 「力」の学習でも教科書(学習指導要領)の問題点が、おもに教える順序について出されましたが、子どもたちが理解しやすいように授業を組もうとすると、どうしても自主編成が必要になってきます。職場が協力的でない場合、どうすればよいのか、須藤さんから悩みが出されました。

 「自分は学習プリントをつくって、教科書に束縛されずに授業をやっている。ところが、“少人数指導になったら指導要領通りに教えてもらう”と校長が発言している。一緒に組んでいる理科の同僚も、教科書通りにやるのが当たり前という考え。そうした場合にどこまで抵抗できるのだろうか」というものです。

・ “学習指導要領は最低条件”と文科省が言っている。教科書の内容をさらにわかりやすく教えるのだと主張すればいいのではないか。

・ 教える順番についてはなかなか言えないのではないか。

・ すべての教科書を並べてみると、違っている部分もある。

・ 子どもたちが理解していく筋道を、実践的に事実を示しながらわかってもらえる努力をするしかないのではないか。

・ イオン学習が抜けて3年の内容がスカスカ。1年の内容はいっぱい。3年間でならしてすべて学べるように工夫したいが、“先生が変わったらどうする”と認めようとしない。

・ 「試験までに、○○のところまで一緒にやろう」と、試験の時点でそろえるようにするとか、時間をかけて話し合うしかないのではないか。あきらめなければいけない部分も出てくるかもしれないが。

(記録:堀 雅敏)