1.写真報告「マダガスカル“進化の箱船”の旅」その5…………………………堀
マダガスカル北部のアンカラナ特別保護区に入ってすぐの映像をいくつか紹介しました。昼間は木の幹になりきって眠っているヘラオヤモリ。拡大してみてようやくヤモリらしき姿が浮かび上がってくるような感じです。枝につかまっているカメレオンは、透明なゼリー状の糞を排泄していました。そのほか全長15cmほどのからだ全体がクネクネになる小さなヘビ、樹上の高いところを移動していたサンフォード・ブラウン・キツネザル、ガイドに指さしてもらってもどこにいるかなかなか確認できない小さなカメレオンなどを写真で報告しました。
2.実践報告「力学台車を用いた力の原理」(高2)………………………阿久津
力の原理を教えるのに、以前は東京物理サークルの「物理100時間」に出ていた“ぶら上がりクリップ”を使っていたそうですが、それよりもゴムひも付き力学台車の方が認識しやすいだろうと考え、ここのところは後者で授業を行っているそうです。
ところが、生徒の雰囲気はしらけていてなかなか盛り上がらず、「教材が悪いのか」「授業のシナリオが悪いのか」検討してほしいということで実践を報告されました。
まず、小川さんと柳下さんから、中1では机の上で静止している状態で、中3では運動している状態で、同じようなことを学習しているのだそうです。慣性の法則も暗記するように覚えているので、感動もないのだろうということでした。
鷹取さんからは、「Hくんに発言させたのはなぜか」という質問がありました。阿久津さんの答えは、「強い根拠はない。みんな同じで、違うようなことを書いた子はいない。“動く”とノートに書いていたからだと思う」というものでした。鷹取さんの意見は、「それがわかるような記録にしたい」ということでした。さらに、鷹取さんは「“台車はどうなりますか”という課題は、聞き方がよくないのではないか。“動くか、動かないか”とか、“力が働くか、働かないか”などとすべきではないか」と指摘されました。
町田さんは、「課題の中に“その瞬間”という言葉を使っているが、[“その瞬間”は止まっている]という子はいないのか」という質問がありました。これについて阿久津さんから「今までそういう子はいない。“ちょっと動いて止まる”と考える子がいるので、このように表現した」と説明があり、町田さんはその意味では納得されたようです。ここで小川さんから「“直後”の方がいいのではないか」と提案があり、一応その方がいいようだということになりました。
3.科教協石川大会に向けて
フィールドワークについては今後メールでやりとりする、科学お楽しみ広場については「実践記録集頒布」「教材紹介」をする、実践記録集については記事を持ち寄ること、25日に作業をすることを確認しました。
4.提案「力の表し方と探し方」(高1)……………………………………………町田
先月の続きで、町田さんは「図1や2はよくあるタイプだが、自分としては図3や4のようなやり方でやりたい」と再提案されました。
「先月の例会のあと同僚と話したが、“作用点は点なのだから、面積があってはいけないよね”という結論になった。“~が~に”というのは、色を変えてやっている」との小川さんの話に、「私も色を変えているが、町田さんのように作用点を書かせている。子どものノートはモノクロなので」と阿久津さん。小川さんのやり方は「どうしてもモノクロの場合、F(1←2)※とかF(2←1)※というふうに書く」(※括弧内は下付)ということでした。これに対して阿久津さんは、そういうやり方もあると思うけれども、つるまきバネにおもりをつるした場合、上向きの矢印を書いて“おもりがばねを押す力”という子もいる。第一学習社の矢印は物体によって色が変わっているが、作用点も書いている」と意見を述べられました。
ここまできて鷹取さんから「どうして作用点にこだわるのか」という質問が出されました。町田さんや阿久津さんは「物体にどんな力が働いているかということを過不足なく書かせたい。そうでなければ運動方程式の理解につながらない」ということでした。
酒巻さんからは「見えない力を見えるようにするわけなので、それぞれがわかりやすいと考える方法でやればいいのではないか」という意見が出され、一同納得。「教科書は統一感がない」という共通認識も持ちました。