参加者;阿久津、小川、田代、鷹取、鈴木まき子、鈴木綾子(記録)
1.「都立高校入試で気になる点があった」(田代さん)
都立高校入試問題の6番問3、「抵抗・電力・赤熱」に関する問題について、正解に疑問の余地があるとして、田代さんは反証実験をされました。
「並列回路では、抵抗が大きい電熱線よりも、抵抗が小さい電熱線の方が電力は大きくなる」のはいいとしても、「抵抗が小さい電熱線の方が常に明るく輝か?」というと、そうはならない場合がある。例えば、抵抗が小さい方が太くて長い場合などで、これを実験で確かめたそうです。表面の放射エネルギー密度のことを考慮しなければいけないということです。詳しくは別紙参照。
2.ビデオ「玉川上水の水路」最終版(鷹取さん)
最終案は映像を8つに区分けし、繰り返しをなくしました。
1.玉川上水の取水堰のしくみ →玉川上水流路を等高線が入った地図上に示す。と同時に拝島段丘・立川段丘・段丘崖・立川断層などと玉川上水の流路の関係がわかる図も、もう1枚提示する。
2.第3水門とその付近の様子
3.段丘と水路
4.旧水路(古堀)と水路の工事→図は北を上にしたそうです。
5.拝島面への水路と拝島段丘(崖)
6.拝島段丘崖と湧水
7.立川面の水路
8.まとめ 武蔵野台地地形とその利用(玉川上水・分水路)
8の図は読み取るのが難しいので、対象は中学生以上でしょう。鷹取さんは古地図も参考にして、等高線を描かれたそうですが、等高線をもとに立体地図を作ると理解が深まりそうだということになりました。さらに狭山丘陵の等高線もあるといいという意見もでました。自作の地図を作成して地域を教材化する試みはすばらしいです。
3.「生態系の授業(中3)」(小川さん)
夏と冬に知床を訪れた小川さんは、今回は知床の写真などを見せながら生態系の授業をしたそうです。知床の陸上や海の豊かな食物連鎖(食物網)、エゾジカの殖えすぎがもたらしている問題(シカは樹皮まで食べるので、木が枯れて草原化が進む)、なぜエゾシカはこんなにも殖えてしまったのか(オオカミのような高次消費者がいなくなったため)、知床にオオカミを導入すべきか、などを学習内容にしたということです。
それから「自然と人間」のところでは、「水俣湾の海の食物連鎖と水俣病」の授業を、ユージン・スミス氏の「水俣」の写真集を見せながら必ず行うそうです。メチル水銀の問題は現在も終わっていないし、「生物濃縮」のことはとても重要だからです。