参加者:鷹取・鈴木ま・五十嵐・小川・吉村・掃部・飯塚・堀(記録)
1.ビデオ報告「ボリビア・ヒース川の旅」……………………………堀
ジャングルを歩いてロッジまでもどる行程の後半部分です。
卵からオタマジャクシではなくカエルの形で生まれてくるコヤスガエル、くっきりとしたピューマの足跡、大きなテナガカミキリ、青くて長い尾のあるモットモットという名の鳥、千石さんが手づかみして見せてくれた弱毒性のヘビ、さらには千石さんがいろんなポーズをつけて置物のようにして見せてくれたオオヒキガエル(普段しないポーズをすると、どのように自分の体を動かしていいかわからなくなるらしい)などなど。
テングチョウをアップにした映像では「タテハチョウの仲間は4本脚、2本は退化している」という説明に、掃部さんが「どこの脚が退化したのか?」と質問されました。くわしいことは忘れたので後日調べたところ、成虫の前肢が退化していることがわかりました。
最近東京でもよく見られるツマグロヒョウモンもそうしたチョウの1種です。そこで、ツマグロヒョウモンを正面からとらえた写真を鈴木まき子さんから送ってもらい確認したところ、確かに短くなった前肢が頭部の下にありました。短くなった前肢はつかまったり歩いたりする「脚」としての機能は失われています。しかし、食事や産卵の直前にパッパッとこの前肢を伸ばして食草などに触れる動作を行います。この前肢の先端には感覚毛が生えており、味を感じることができるそうです。つまり、感覚器官に特化しているわけです。
2.ビデオ教材「ウトロの磯観察」……………………………………鷹取
この日参加された掃部さんも一緒だった知床フィールドワーク(2006年8月)のビデオです。フィールドワーク全体ではなく、ここでは磯の生物観察という視点で編集されています。常にどの部分がどの教材に活かせるかを考えての編集です。
ウトロ西のチャシコツ崎前の磯が引き潮になったときに観察をしました。小さな魚やクシクラゲ、ものすごい数のプランクトン。潮だまりも一つの生態系を形づくっているようです。バフンウニがたくさん群がって山のようになっています。これが馬糞にそっくり。名前の由来を聞いたことを思い出しました。
3.授業プラン「足尾銅山と生態系」…………………………………鷹取
今年の冬休みにサークル・フィールドワークとして実施したものを、多くの参考資料を基に検討された授業プランの中に位置づけて報告されました。「足尾銅山での採掘や選鉱、精錬」→「燃料用の伐採・亜硫酸ガスの排出により森林が枯れ、土砂の流出、保水力の低下」→「鉱石の堆積場・工場排水による農業への被害」と続く授業プランです。
教材ビデオは、国道122号線と分かれ渡良瀬川上流左岸を北上、間藤駅、足尾精錬所跡、龍蔵寺、緑の砂防ゾーン、足尾砂防堰堤などをていねいに説明しながら映し出しています。
車の中からの映像は、小型のビデオカメラを手ぶれ防止ONにして撮影されていたのでしょうか。ひじょうにスムースな映像でした。砂防堰堤から廃村になった松木村方面を臨む場面では吹雪きの情景も写っていて、情緒的な感想ではありますが公害を扱うには効果的な感じがしました。龍蔵寺も旧松木村などの墓をピラミッドのように積み上げた無縁石塔だけでなく、その横にあった説明板も写し、やさしく簡潔なその文章をナレーションで読み上げています。これはわかりやすいと思いました。
「当時の煙突の構造はどうなっていたのか」ということがしばし話題になりました。「煙突の位置が、低いように感じる」と吉村さん。「煙突は何本か?」と掃部さん。明治の頃は2本(10mほど)だったそうです。
鈴木まき子さんは移動教室で子どもたちを連れて行ったときには足尾銅山観光・通洞抗に寄り、そのとき通洞大橋の上から簀子橋(スノコ ゙シ)堆積場を見せるそうです。足尾の町を見下ろすこの堆積場が決壊したらたいへんなことです。「その場所へは行かなかったのか」という質問でした。フィールドワークではもちろん遠望もしましたし、厳重な門で通行止めにしているところまで近づきましたが、今回の映像に入れず、また別のビデオとして編集するということでした。
4.実践報告「電流と磁界」……………………………………………小川
中学2年の「電気の学習」(1.静電気 2.物質の構造と電気 3.回路 4.電流と発熱 5.電流と磁界)のうちの最後の部分です。実際に実験道具を持ち込み、実験と生徒のノートを利用しながらの報告でした。
最初の「(問い)棒磁石の中の位置によってクリップを引きつける力にちがいはあるか」というのは、小学校3年生でも多少のことはやるのですが、やはり教科書通りだと身につかないようで、「中央部でも少しは引きつける」と考える生徒がいるのですね。
小川さんはゼネコンに発光ダイオードをつないで光らせたり、スチールウールを回路の途中につないでゼネコンを回して焼き切ったり(焼き切れると回転させる手応えが軽くなる)といくつか実験を見せてくれました。
鷹取さんが「これはやらないと」と言って、五十嵐さんと協力しながら、自転車のダイナモに直流モーターをつないでまわしてみました。小川さんも、「なるほど。」と納得されたようでした。つまり、“交流で直流モーターは回らないで振動してしまう”ということを子どもたちに見せることがすごく重要だということだそうです。