2011年9月例会報告     過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 

参加者:鷹取・小川・鈴木ま・五十嵐・阿久津・町田・堀(記録)

1.「ウガンダ&ルワンダ生物観察の旅(3)」…………………………堀 雅敏

 キバレ森林国立公園のビデオ映像を見ていただきました。

 まずは、公園入り口にあるチンパンジーの像です。チンパンジーをずっと監視しているレンジャーがいるわけではなく、探して追いかける形なので、見られない可能性もあるということでした。そこで「チンパンジーに出会えなければ、これが最後ということだね」などと軽口をたたいていたのですが、危うくそれが本当になるところでした。

 チョウや、ジャングルをふわふわと漂う種のついた綿毛などを撮影。ゾウの糞を見つけ、その鳴き声も確認しましたが、肝心のチンパンジーに出会えません。ガイドが大きなアニンジェリアの木のそばで、無線で連絡を取ります。近くにはチンパンジーの好物だというクロスフェランの実が落ちていました。休み休み歩いて行きますが、見つからず、半分あきらめかけたとき、高い木の上で木の実を食べているチンパンジーを見つけました。木の枝に腰をかけ、つぎつぎに実を食べています。ポロポロと食べかすを落とします。赤ん坊を連れたチンパンジーパンジーもいました。


2.「この夏学んだこと」

(1) 小川 郁

 首都大学東京の市民講座に参加。最新の生物学についての話を聞いた。おもしろかったのは、シダ植物の自家受精。シダ植物の中でもほとんどないのだが、あるグループだけはほとんどが自家受精するという。

 また、教員免許更新で化学講座に行ったら五十嵐さんと会い、必修講座では内容はつまらなかったが吉村さんと会った。

 その後地震学会の講座に出かけた。海洋大学の、地震を起こして海底を調べる研究がおもしろかった。

(2) 阿久津 嘉孝

 要録の点検作業をやっていた。

 昨年同様八ヶ岳山麓まで出かけ、ヤマネを見てきた。改築のために今年は中まで入ってこなかったが、娘はノート1冊にびっしり観察記録を書き、自由研究として学校に持って行った。

 原子力文化振興財団の講座を聴きに行った。福島第1の事故後だったが、「エネルギーは必要」「これくらいは被曝してもだいじょうぶ」という感じ。例示するときには、安全なことばかり出していた。講師の一人に「福島市では子どもの年間被曝量は20ミリシーベルトまでとしているが、あなたはどう考えるか」聞いたら、「いいところ5ミリシーベルトくらいでしょ」と言っていた。

(3) 五十嵐 伸江

 教員免許更新のため講座に行ったが、わからないで座っているのは苦しい。生徒の気持ちがよくわかる。それでも、物理では「地球はコンデンサー」というのが、わからないなりにおもしろかった。生物では、発生の段階で「Y染色体上にあるSRY遺伝子によって胚の性別を雄に決定する」ということを知った。

 また国立科学博物館の教員向け講座に参加、「ウニの発生」をやった。2つに分かれるところまでは見ることができた。

(4) 鈴木 まき子

 6月で明星学園をやめ、年金生活に入り、家計のやりくりがうまくなった。

 ブルートレインで北海道に行き、定山渓温泉で初めて乗馬をした。馬が勝手に走り出した。ブーツは馬を制御するにも必要だとわかった。京都市美術館にも行き、フェルメールの絵を見た。そのブルーは魅了するものがあった。

 コミスジを初めて見た。前肢が中肢や後肢と形状が違っている(鈴木さんの撮った、口吻をのばして何かの糞からミネラルをとっているような写真を見ると、前肢だけ、中・後肢と形状が異なる 脚は4本のように見えます。目の下の小さな白いものが前肢かもかもしれません。コミスジもタテハチョウの仲間なので、前翅が退化しているのでしょう《堀》)のを確認した。

花をつけず結実した庭のスミレに、花をつけずに結実するものがあったが なぜか(小川さんは「花がかなり小さいということではなくて?自家受粉というのはあるけど?」と不思議そう)。

(5) 町田 智朗

 大会の前に各社の物理の教科書を読んで気になるところに付箋を貼っていったら、2束なくなってしまった。大会では「作用・反作用」の実践を報告してきた。

 岩手に4家族で行ってきた。八幡平の松川地熱発電所も見学してきた。

 教員免許更新の講座では、数学で「1Lの牛乳パックの1辺が7cmしかない。7×7×19.5では955.5mL。1Lない。なぜか。」「答えは、液体が入るとパックが膨らむから」など、ちょっと興味を引かれる問題があった。

 10月19日、都高教の教研で大林組の研究所を見に行く。免震構造や液状化対策、風洞実験などが見られる。お時間があれば、ぜひ。

(6) 鷹取 健

 8月3・4日の足尾銅山跡のフィールドワークは大きな勉強となった。『理科教室』にも原稿依頼されてまた調べてみた。いままでは“鉱毒事件”として、銅だけが問題視されてきていたが、大気汚染など、“複合汚染”としてとらえる必要があるのではないか。

 9月になってからは、東北地方太平洋沖地震について調べ直している。報道に流されることなく、自分たちとして受け止めたことを整理すべきだ。東北には行っていないが、少しずつ見えてきたのは「行政の怠慢」と「人々の科学に対する見方の欠如」だ。いまは、立川断層と東京地方の地震について調べている。

(7) 堀 雅敏

 東北地方太平洋沖地震は、それ自体が衝撃だったが、特に石巻市立大川小学校で教師引率の集団避難でほとんどの子どもたちが犠牲になった事実は大変ショックだった。なんとか小学校の理科教育に津波学習を組み込めないか、未熟なプランだが科教協栃木大会の地学分科会で報告した。貴重な意見をいただいたので、それをもとに6年生の地震学習の中に位置づけられないか考えているところである。

 3.11以降、何かできないか模索していたが、パレスチナ子どものキャンペーンで東北子ども支援の一環として夏休みボランティアを募集していることを知り、これに参加してきた。

 せっかく東北まで出かけたので、その後気になる津波被災地を訪れた。

 ということで、私が撮影した写真(実際にはビデオ画像から抜き出した静止画)をもとに構成し、ナレーションを入れたものを鷹取さんにスライドショー「津波被災地を歩く」にしていただいた。その最初の「(岩手県大槌町における)ボランティア活動」と被災地の現状を見た「大槌町を歩く」を見ていただいた。


3.「作用・反作用」………………………………………………… 町田 智朗

 科教協栃木大会物理分科会で発表した実践の、実験をまじえての報告です。

 押し合いについての教材として、工作用紙のストッパーを取りつけたダンパー(反発棒)付きの力学台車を使うことにしたのですが、その工夫について話が集中したそうです。サークルで検討した結果、鉄を乗せた力学台車と、電磁石を乗せた力学台車を向き合わせ、電磁石のスイッチを入れたときの双方の台車の動きを考えさせる課題で実践したもので報告されたそうです。ところがこの方法だと意外と2台を離しての実験は難しいとのことでした。物理分科会では鉄の台車とネオジム磁石を貼りつけた台車を使う工夫が出されたそうですが、これももう一工夫必要のようです。

 また、この学習を終えたときに、手に持ったリンゴから受ける力を「抗力の反作用」であることを理解させたいとの意見があったそうですが、これも教材選びが難しいようです。