2012年4月例会報告      過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 


場 所:国分寺市本多公民館

参加者:鷹取・五十嵐・鈴木ま・小川・町田・堀


 0.配布資料

 (1)<図書館に置きたい「地震・津波」に関する書籍・ビデオ>

…………堀 雅敏

  簡単な内容紹介は間に合わず、題名・著者・出版社だけだが、多数存在する書籍・ビデオの中から、地域の図書館、学校の図書室に置きたいものをいくつか一覧にした。

 (2)<女川原発 救った眼力>(「東京新聞」2012.3.7)……… 堀 雅敏

  東京電力福島第一原発と東北電力女川原発の建築思想の違いによる構造の違いを知ることができる。女川原発は津波に関してはぎりぎりのところで助かった…と思っていたが、実際は津波被害を受け、綱渡りの状態だったことが「河北新報」(2012.3.13)に。次回例会で紹介したい。

 (3)<スマトラ沖地震 巨大津波から7年>(「岩手日報」2012.1.10)

………… 堀 雅敏

  JICAの教師海外研修に同行し、大津波後7年目のインドネシア・バンダアチェの現在を取材したもの。住宅の再建を早期に実現したり、津波博物館をつくって津波被害を観光に結びつけるなどを問題点とともに報告。

 (4)<バンダアチェ津波博物館訪問記>(「国土地理院広報」2009.12)

………… 堀 雅敏

  津波博物館内部の展示内容や、訪れていた学校の教師と子どもたちのようすを述べ、津波の恐ろしさを後の世に伝えていく必要性を訴えている。

 (5)<インドネシア 口承文芸から考える“防災意識”>

(「NHK BS1 ピックアップ@アジア」2012.3.8)…… 堀 雅敏

  BS1で放映されたテレビ番組の絵コンテ。2004年のスマトラ沖地震の震源域に近いインドネシアのシムル島とニアス島。2つの島には津波に関する言い伝えがある。ニアス島では津波の恐怖をあおるだけで津波や地震の話をすることもタブー視され、多くの被害が出た。一方シムル島では伝承歌謡となり、どこに逃げればいいかも伝わっていて被害は少なかった。

 (6)<チリを歩く>(「岩手日報」2012.2.16)………………… 堀 雅敏

  1960年、2010年と、たびたび巨大地震に襲われる南米チリ。そのとき人々はどう行動したのか、その後復興に向け、水産業の立て直し、避難広場の整備など沿岸部の町の再生、日本との津波被害克服に向けた共同研究の取り組みをレポート。

 (7)<1771年に4割浸水 石垣島を歩く>(「東京新聞」2012.4.22)

………… 堀 雅敏

  沖縄県の八重山・宮古諸島で約1,2000人が犠牲となった明和大津波。地元に残る伝承、古文書、津波石などの痕跡を訪ねた現地レポート。琉球大学の地震学教授にもインタビューし、大地震や大津波への警告を聞く。

(8)<1771年明和津波の遡上高>

(「歴史地震」=歴史地震学会=第21号・2006)…… 堀 雅敏

  明和大津波では、遡上高が85.4mといわれていたが、その後疑問を持った研究者によって「サンゴ片の分布、古文書に記載された被害状況、伝承などから総合的に検討が加えられ」、約35mとされた、という記事。

 (9)<海外津波 防ぎきれるか>(「東京新聞」2012.4.13)

  「原発の津波想定は、海外の事例を踏まえるように」原子力安全委員会が新たな指針を示したことを受けての記事。津波発生のメカニズムが違うが、アラスカ・リツヤ湾の津波(1958年)で525mの遡上高があったことなどを紹介。


1.写真報告「津波被災地を歩く(2012年1月編)」……………堀 雅敏

 昨年の8月に続いてことし1月に出かけた岩手県大槌でのボランティア活動、そしてその後、いくつかの津波被災地を歩いてきた報告です。

 大槌では吉里吉里のいまは誰も住んでいない民家を拠点に、連凧揚げや炊き出し、小学生の宿題を見る、などをやってきました。その大槌北小学校校庭の仮設商店街前での連凧揚げ、小槌小学校でのサケ汁の炊き出しのようすを見ていただきました。

 その後は土台だけになった吉里吉里の低い土地にある住宅街、釜石の避難道路や大型貨物船が乗り上げた後のある岸壁、破壊された魚市場、小中学生などが全員無事に避難した鵜住居地区、ちょうど1月11日という月命日にあたり読経も行われていた石巻市立大川小学校の慰霊碑と裏山、仙台市若林区荒浜と名取市閖上中学校のようすを写真で報告しました。

2.実践報告「特別“授業”=津波とボランティア活動の話」……堀 雅敏

 かつての同僚から頼まれて2月と3月だけ講師として行っていた多摩第一小学校で、最終日にその同僚から「2時間あげるから、ボランティアと津波の話をしてほしい」と頼まれ、急遽準備をして特別“授業”をしました。

 ついついあれもこれもと、4年生では難しいとは思いつつ、いろいろ詰め込んだのですが、案の定、鷹取さんと鈴木さんに「内容が多すぎる」と指摘されました。

 「津波の映像を8パターンで見せているが、そんなに必要か。“津波てんでんこ”につなげるためにもっと絞るべきではないか」ということでした。私としては、それこそ<“津波てんでんこ”につなげるために>津波についていろんな事実を知っておいてほしい、と思って『津波は怖い!みんなで知ろう!津波の怖さ』(沿岸技術センター編/丸善プラネット)の付録DVDの映像を使ったわけです。ただし、対象は4年生なので、とにかく早く高いところに逃げることにつながればいいわけで、そういう意味では鈴木さんの言う「津波の高さ、速さ、勢い」に絞るというのは、その通りだと思いました。ただ、この付録DVDを使っている限り、その映像だけ選んで再生するのは難しく、別のDVDか録画してあるテレビ放送の映像を利用することが必要になります。

 逆に「多摩第一小学校付近で気をつけなければいけない自然災害」で、「地震の時の家屋倒壊と火災」をつけ足すべきと指摘されました。少しでも扱っておけば、子どもたちの注意がいくかもしれません。

 また、「日本中どこでも地震が起きる可能性がある」ということについて、世界の震源分布図を見せているわけですが、これについて鷹取さんから、「日本中が震源を表す点で埋まっている図を見せたほうがいい」との指摘がありました。中学校の教科書に載っているそうなので、探してみたいと思います。

 鈴木さんからは、「クローズアップ現代『大津波 僕らはこう生きた』は“津波てんでんこ”=自分の命は自分で守るという意味で、しっかり見せたい」ということと、「イギリスの女の子のエピソードにつなげて、釜石沖と小名浜沖のGPS波浪計のデータの図を見せているが、この図を見せても分からない」との指摘がありました。準備の時間もそれほどあったわけではなかったので、6年生用の教材をそのまま利用したわけですが、できればグラフではなく図に表せばよかったなと思っています。     (以上の記録:堀)


3.実践報告&プラン「月の満ち欠けからビッグバンまで」………町田智朗

 東京支部の春の研究集会の生物・地学分科会でレポートした内容に当日指摘された内容を加えてレポートしました。到達目標を次の【1】~【5】のように設定しました。

【1】太陽は莫大なエネルギーを放出しており、そのまわりには地球をはじめとする惑星など(衛星や彗星など)が回っている。

【2】地球は自転しているので、地球から見ると太陽や他の天体が地球の周りを回っているように見える。

【3】地球の公転によって、季節の変化が起こり、季節ごとに見える星座が変化する。

【4】太陽などの恒星が無数に集まって銀河系を形成している。銀河系と同等の天体も無数に存在する。

【5】恒星や宇宙も永遠の存在ではなく、長い時間の中で発生し消滅する。


さらにサークルでもいくつかの改善点を指摘していただきました。

【2】【3】にあるような、地球からの天体の見え方を重視しているプランですが、むしろ【5】【6】にあるように恒星の生成や宇宙の歴史に関する内容をやるべきではないか。また、中学では【2】【3】のみを日本からの視点で学ぶので、せめて高校では地球のどこから見てもわかるような授業を組んでほしいという指摘がありました。

また、10億分の1のモデルや学区域の地図にそれを重ねるような教具を使っている例も教えていただきました。

CDを使った地球時計は地球が平面なので、夜の部分に入っても太陽が見えるようになっているのですが、半球状にすることで、そのような弱点が緩和できそうです。時間があれば5月例会までに作ってみようと考えています。出来ればその中にカメラを埋め込むなど、いろいろと発展ができそうです。ただ、あまり詰め込みすぎると作るのが大変になってしまいそうです。

月については、公転だけでなく、自転しているためにいつも地球に同じ姿を見せていることなどを教えるべきではないか、下弦の月と掲げたバレーボールが一緒に写るように写真を撮ったものを使いたい、という意見も出されました。私は月のモデルとしてピンポン玉の半分を黒く塗った物を使用していたのですが、黒く塗らずに一方から強い光を当てることで、実際の月と同じように見せることが大切ではないか、という指摘がありました。

来年度は改善したいと考えています。


番外編「作用反作用」の教具の提案(?)…………………………町田智朗

例会終了後、いつもの居酒屋で呑んでいる時に「作用反作用」の教具についての提案をしてみました。

私は「型取りゲージ」と呼ばれる工具を使って変形を見せたいと考えていたのですが、それでは力の大きさがわからないので良くないのではないか、という意見が出されました。

机に物体(例えば本など)を置いたときに、物体が変形する様子を見せたいと考えているのですが、その様子を見せるための工夫も今後考えたいと思います。

結局、力学台車を使って引き合う力も同じ大きさであることを理解させられるような工夫をすることが大切なようです。軽く酔っ払ってはいましたが、ちゃんとメモを取っておいたのでアイデアは持ち帰ることが出来ました。できれば試作品作って5月例会でお見せしたいと考えています。