2012年5月例会報告      過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 


場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿部・鷹取・鈴木ま・小川・町田・五十嵐・阿久津・山口・堀(記録)


 今回はお二人の初参加者がありました。小学校で非常勤をされていて、いまは物理を学びたいという阿部良春さんと、小金井の小学校にお勤めの山口泰代さんです。お二人とも疑問に思ったことを質問されるなど、活気のある例会となりました。うれしい限りです。今後ともよろしくお願いします。

また、いままではお子さんの学童の役員をされていたということで例会に参加できずにいた阿久津さんも、久々に顔を見せてくださいました。


0.配布資料

 (1) <冷却電源の確保 綱渡り>(河北新報/2012.3.13)………堀 雅敏

  前回の例会のときに「津波の恐怖知り尽くす」(東京新聞/20120.3.7)を紹介し、女川原発では津波についてはぎりぎりだいじょうぶだったと思っていました。しかし、河北新報によれば、津波の浸水と火災があり、まさに“綱渡り”の状態であったということでした。

 (2)<原核生物・イシクラゲ> ………………………………………小川 郁

  金環日蝕観察の時に、植え込みの土の表面で見つけたそうです。子どもたちは「ワカメだ」とか言っていたそうで、なるほど似ています。酢の物にして食べる地方もあるとか。ナリカ(中村理科)の教材カタログにも「原核生物観察用(“食用ではありません”の断り書き)」として載っていて、高校ではけっこう教材として使われているそうです。

 (3)<「えがおのわ」全国研報告特大号>(小平市学童クラブ会報)

……阿久津 嘉孝

  阿久津さんが小平市代表として、学童クラブの全国研究会(科教協より会員が多いそうです)に行ったときの報告集です。B5版8ページに小さな文字でびっしり。阿久津さんが役員としてこの会報を担当していたそうですが、これは大変!でも、小学校の教員にもぜひ読んでほしいような情報もたくさん!


1.ビデオ報告「ウガンダ&ルワンダの旅(5)」………………………堀 雅敏

 延び延びになっていたビデオ報告です。ウガンダのクイーン・エリザベス国立公園での一こまです。前日ライオンに食べられたバッファローの骨、アカシアの実などを食べているアフリカゾウ、植物の根(?)をあさっているイボイノシシ、ジョージ湖の漁村で世話をされているメリーと名づけられたゾウなどを見ていただきました。メリーは小さいころに母親を亡くし、もう自然に戻ることはできないそうですが、よく見ると体もアフリカゾウより小さく、耳の形からマルミミゾウのようでした。

 阿部さんから「ゾウはアカシアの実を食べていたみたいだが、西田佐知子の《アカシアの雨がやむとき》で歌われている“アカシア”は“ニセアカシア”か」という質問がありました。よくわかりませんでしたが、調べてみると「日本でアカシアといえば、ニセアカシア(ハリエンジュ)」といっていいようです。


2.観察報告「金環日蝕」

 5月21日の金環日蝕。多くの方が観察・記録して報告されました。

 (1)鈴木まき子

  部屋の畳に映ったブラインドの穴からの影と、車のボディーに映った木もれ日の部分日食中の太陽の影を撮影した写真と、娘さんが大阪で撮影した雲間から見えた金環日蝕の写真。

 (2)小川郁

  赤道儀はあったけれども手動だったということで使わず、フィルターはレントゲンフィルムの感光したもの。望遠鏡の投影板に映った影で、月の周りがギザギザしているのが分かった。

 (3)五十嵐伸江

  木もれ日の、たくさんの金環日蝕の影の写真。

 (4)堀雅敏

  一眼レフカメラにND100000のフィルターをつけた500mmレンズで撮影した、雲が切れて見え始めた部分日食から金環日蝕、日食終了までの写真。

 (5)鷹取健

  BGM入りの動画。黒点も見え、ベイリービーズらしきものも!赤道儀もフィルターも無い中で工夫したとか。本格的作品。

 (6)町田智朗

  一眼レフカメラに2倍のテレコンをつけた300mmレンズを、赤道儀に取りつけた望遠鏡の上に乗せて撮影。生徒もたくさん集まってきたが、女の子が多く、女子の方が天文に興味があるよう。


3.教具紹介……………………………………………………………町田 智朗

 (1)改良型・地球時計

 昨年の11月例会で、CDケースを使った地球時計を紹介されましたが、その時のみなさんの意見を元に改良したものです。

 まず大きく違うのは、立体になったことです。円形の厚紙に半球形の地球を貼り、そこに超小型のCCDカメラを埋め込み、捉えた映像を無線で飛ばしてテレビなどで見ることができるようにしたことです。

地球模型より大きい厚紙に書いてある「12(正午)」が上になるように黒板に貼り、上から太陽光線を示す矢印を何本か並行に書きます。つぎに球体の半分を黒く塗った月模型を、黒く塗った側を太陽と反対にした状態で地球の周りのいろんな場所に置いて地球模型を回転させてカメラを月に向け、月の見え方を理解させようというものです。

「広角レンズにすれば地平線が見えるのではないか」「カメラをもっと埋め込まないと見えない」「カメラの位置は変えないまま、カメラの向きを変えられるといいが…」などなど、いろいろ意見が出てきました。

町田さんは、さらなる改良型を考えられているようでした。

 (2)改良型・作用反作用実験教具

 いままでなんどもサークルで検討するたびに改良を重ねてきたものです。

 力学台車の先端についた棒は、押し込むとバネで戻るようになっています。この棒に工作用紙で作った“ストッパー”を取りつけておくと、2台の力学台車を向かい合わせてぶつけたときには、同じだけストッパーが移動することから、双方に同じ大きさの力が働いたことが分かります。

 今回は、「押し合う」ときだけではなく、「引き合う」ときにも同じ大きさの力が働くことが分かるように工夫したものです。バネを押さえているツメに2mmの穴を開け、棒に取りつけたひもをここに通し、力学台車の後ろから出します。同じように加工した力学台車2台を反対向きに置き、ひもをつないで同時に引き離すようにすると、これまたストッパーが同じだけ移動するのです。

 とてもいい工夫で、「よく分かる」と、好評でした。「力学台車の重さを変えるとどうかな?」など、いろいろ実験が始まりました。


 最後に町田さんから以前やった、強力な着磁コイルを使った、「磁力による“遠隔力”で力学台車を動かす」の話が出ました。このとき鷹取さんが「以前岐阜(現在は京都)の生源寺孝浩さんの授業を見たとき、磁石を(円柱形の)鉛筆を並べた上に乗せ、ころにしていた」と話されました。そこで、次回はころを使った作用反作用の教具を工夫してくることになりました。


4.質問「なぜ玉は飛ばない?」……………………………………阿部 良春

 最後に阿部さんから「空気でっぽうの中に空気の代わりに水を入れると、なぜ前玉は飛ばないのか?」という質問がありました。小学校4年の理科の教科書にある、“水は押し縮められないが、空気は押し縮められる”という学習に出てくる空気でっぽうについてです。

時間がないので宿題となりました。阿久津さんの家の風呂場にはこの空気でっぽうがあるそうで、つぎの例会では実験の結果に基づいた話が聞けるかもしれません。