2012年6月例会報告      過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 


場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿部・鷹取・鈴木ま・町田・阿久津・堀(記録)


1.ビデオ報告「ウガンダ&ルワンダの旅(6)」………………………堀 雅敏

 ほんとうは新しく導入したビデオ編集ソフトを使って、デジタル編集したものを見ていただこうと思ったのですが、うまくいかず、いままで通りBDレコーダーでカット編集したものを見ていただきました。

 したがって、最初に地図などの静止画をまとめて、その後動画を見ていただきました。ルワンダの山道を走行する車内からの映像から始めました。そして1994年にはわずか3ヵ月で数十万人が虐殺されるジェノサイドがありましたが、当時のことを描いた映画「ホテル・ルワンダ」の舞台となった「ホテル・ミルコリン」、マウンテンゴリラが多く生息するヴォルカン国立公園の管理事務所の様子やガイドとの打ち合わせ、私たちのグループが行くことになったヴィソケ山麓の村の畑、ヴィソケ山を登りながら見られるゴリラの食べ物となる植物、そしてマウンテンゴリラの一つの群れの様子を見ていただきました。

 鷹取さんからは「色味はいい。環境が分かるような映像か絵がほしい」、阿久津さんからは「ゴリラが木に登るのは初めて見た。ゴリラのいる場所と畑との位置関係がよく分からない」との感想・意見をいただきました。今後本格的に編集していくときの参考にしたいと思います。


2.観察報告「金星の日面経過(太陽面通過)」

 6月6日の金星の日面経過。残念ながら厚い雲がかかってしまいましたが、わずかな雲のすき間からの監察が報告されました。

 (1)鈴木まき子

  大阪にいたので、遮光板で見てみたが、金星が小さすぎてよく分からなかった。

 (2)阿久津嘉孝

  お昼頃、ほんの少しだけ雲の切れ間ができたので、近くにいた教師と数人の生徒で、望遠鏡を使って投影板に映して観察した。生徒の一人が携帯電話で撮影してくれたが、今日は持ってこなかった。

 (3) 堀雅敏

  日面通過のほんとうに最後に近いとき、晴れ間が見えたのであわててベランダから撮影。露出が合わず、ソフトで大幅に修正したので荒れてしまったが、金星はもちろん、黒点も確認できた。その写真を紹介した。

 (4) 鷹取健

  午後1時過ぎに雲の切れ間ができたので、ミラーレスのカメラと500ミリのレンズで動画を撮影した。静止画ならいいが、動画としては金星が太陽面を動いている様子が撮影できなかったので、今日は持ってこなかった。


 この金星の日面経過、例えば(株)ケンコーのパンフ「宙(そら)を見よう!」(Part2)では金星の動きが示されていました。この図で見ると、私(堀)が撮影した時刻13時19分の位置は太陽面右上になるはずです。ところが私が観察し、撮影した金星の位置は太陽面右下。

 太陽の見かけの動きがあるのでずれることは分かっていても、こんなにずれるものなのだろうかと思いました。その日のNHKニュース7で、そうした疑問に答えるような内容があったので、録画したものを見ていただきました。

 そのあと話題にもなりましたが、要するに見かけ上太陽の自転軸が傾いていく場合の金星の動きと、ケンコーの図のように太陽の自転軸を常に保った場合の金星の動きの違いだということでした。ですから、三脚だけの撮影映像と赤道儀を使った映像でも違いが出てくるというわけです。

 阿久津さんは、「せっかく黒点が現れているのだから、黒点の位置を一致させた金星の動きも見せてくれるとよかった」、阿部さんからは、「上弦の月の動きと比べれば分かる」という意見が出されました。

 また阿久津さんからは「NHKニュースでは(太陽の自転軸と言わず)“太陽の回転軸”と言っているのはおかしい」と指摘。ニュースでは「金星が一直線に移動するのではなく弧を描いて移動するように見えたのは、地球が自転しているため、太陽が朝から夕方にかけて傾きを変えているから。その傾きが分かるように“回転軸”を描いてみた」としていくつかの時刻の太陽に自転軸を示し、それぞれの位置の太陽に対して金星の動きを表して説明しているのですが、“回転軸”というと、“朝から夕方にかけての太陽の動き(回転)の中心軸”と捉えられてしまうからです。

 

3.質問「なぜ玉は飛ばない?」…………………阿久津 嘉孝/町田 智朗

 前回の阿部さんからの「空気でっぽうの中に空気の代わりに水を入れると、なぜ前玉は飛ばないのか?」という質問について、阿久津さんと町田さんから考えが出されました。

 阿久津さんは、「空気と水の質量の差ではないのか」として、運動方程式から「空気の場合質量が極めて小さいので加速度が相当大きくなり、玉は勢いよく飛び出す」と説明しました。

 これに対して町田さんからは「気になるのは、押し込められたときに前玉が動いていく方程式ということではないのか。前玉がグーッと動いてから、ポンッと飛び出す式ではない」と指摘、「空気と水による前玉の飛び方の違いは、圧縮性の違いのよるのではないか」と、空気と水をバネに置き換えて説明しました。「バネ定数が小さいほどよく縮むので、最大静止摩擦と玉の質量を同じ条件にすると、バネ定数が小さい空気の方が発射速度が大きくなる」ということです。

 阿久津さんからの「加速しているときの様子は水でも空気でも同じではないか」との質問に町田さんは「ふたが外れるまでは同じだろう」との答え。さらに阿久津さんから「前玉が外れた瞬間がイメージできない。そのときの運動方程式は?」との疑問に町田さんは「kx′= ma」だから「a= kx′/m」と板書。

 なかなか決定的な結論は得られず、またの機会に続けることとしました。それにしても小学校では、4年の理科で、“水は押し縮められないが、空気は押し縮められる”という学習でよくやられている実験ですが、なかなか奥が深いようです。


4.教具紹介「作用反作用:遠隔力編」……………………………町田 智朗

 着磁用のコイルと鉄を使っての、作用反作用教具の新たな工夫です。前回、鷹取さんから「色鉛筆をころにしてみたら?」との話があり、実際にやってみたそうですが、乗せるものが重いからなのか、転がりがよくなかったそうです。また、単3の乾電池を使ったそうですが、これはつなぎ目が引っかかってうまくいかなかったようです。

 そこで密度の学習で使う金属棒を使ってみたということで、実際に実験してみました。同じ種類、同じ径の金属棒をそろえる必要もあるようですが、コイルに電流を流した瞬間、双方が同時に引き合うように動くことが確認できました。

 ただ、大きさが同じという確認ができないことが問題になりましたが、阿久津さんは「弱いバネを使えばなんとかなるのではないか」と改良型を考え始めたようです。


5.ビデオ報告・教材研究「津波被災地・岩手県宮古市田老」…鷹取  健

 ことしの5月16日(水)から19日(土)まで岩手県を中心に沿岸部の津波被災地を巡った旅から、最初の宮古市田老地区の映像を教材化に向けて編集されたビデオ報告です。

 地形図を使ったり、断面図を入れたり、移動の状態が分かるように簡易アニメーションを取りいれたり、しっかりした映像を骨に工夫された作品でした。それでも町田さんからは「車が止まった場所などで、どこからどの方向を撮っているか分かるような図がほしい」、阿久津さんからは「車での移動撮影が多かったようだが、津波の被災状況を見せたいのか、地形を見せたいのか、意図が分からなかった」との意見がありました。

 鷹取さんは地形を理解してもらうために、移動撮影を入れたのですが、今回は一緒に行ったメンバーを念頭に置いた作品。今後教材化するために短くしたり、ナレーションを工夫したりといった作業で完成度を高めていくということのようです。