2013年5月例会報告      過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 


日 時:2013年5月31日(金)18:30~21:30

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿久津・小川・鈴木・鷹取・手塚・津田・堀・吉村・町田(記録)


先月の手塚さんに続き、本年度新規採用の津田さん(高校・物理)が参加してくださいました。手塚さんとは大学で同じ研究室だったそうです。メモを取りつつ討論にも参加していました。参加するだけでなく、今後は実践報告が授業を改善することを体感してもらいたいものです。

サークルに高校の教員が増えてきました。ぜひ、小・中の仲間も増えて欲しいところです。


1.中越地震(2004年10月23日)の跡の写真 ・・・・・・ 阿久津さん

車買い替えのため、GWのさよならドライブで偶然通りかかった川の写真を見せていただきました。橋の上からの写真には雪に埋まった集落や、車などが写っていました。近くには当時の様子を記した看板が立てられていたそうです。

また、地震の際に90時間にも及ぶ救出劇の現場となった場所に作られた妙見メモリアルパークの紹介もありました。


2.ヨコヅナサシガメの映像 ・・・・・・・・・・・・・・ 小川さん

小川さんの勤務校でヨコヅナサシガメが大発生したとのことで、その映像を見せていただきました。ヨコヅナサシガメは中国が原産で、1920年代に日本にやってきて、90年代に関東にも進出してきたのだそうです。毛虫などの体液を餌にしているそうです。

大量発生の原因については「足の付け根が赤いため鳥は食べないので、天敵がいない状態なのではないか」というのが小川さんの考えです。捕まえてきて生物室で飼っているそうです。


3.津波被災地 宮古市 重茂・姉吉&千鶏 ・・・・・・・ 堀 さん

 堀さんが宮古周辺を撮影・編集した映像を見せていただきました。印象的だったのは海抜60m、姉吉集落のすぐ下にある石碑です。「高き住居は児孫(まごこ)に和楽、想え惨禍の大津波、此処より下に家を建てるな。」と書かれています。2011年の津波はこの石碑から数十mほど海側まで来たそうです。

 姉吉漁港に押し寄せた津波の遡上高40.5mは日本における最大値との話がありました。それに対して阿久津さんから1771年の八重山地震では石垣島で遡上高が80m以上という記録があるが、実際はどうなのだろうか、との質問が出されました。それに対する回答が鷹取さんから届けられましたので、後ろのページを参照してください。


4.哺乳類の採食 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 鷹取さん

 シカ・ライオン・ウマ・クマ・ウシを例にしたビデオを見たあとに感想と意見を述べ合いました。

 肉食動物は犬歯が、草食動物は臼歯が発達していることはよく知られています。しかし、それぞれの頭骨を見ると、肉食動物の顎が直線的(上下方向のみ)にしか動けないのに対し、草食動物は横にもずらすことが出来る構造になっていることがわかります。

 これは肉食動物が肉を噛み切るのに対し、草食動物は草を臼歯ですり潰す工程が必要になるからです。また、草食動物は臼歯だけでなく門歯も発達していますが、これは草を噛み切ってからすり潰すために必要なものです。草食動物のなかでも、上側の門歯が発達している(上から刈り取る)動物と下側が発達している(下から刈り上げる)種類がいることが説明されていました。顎の動かしかたや門歯の発達の仕方などは採食の方法によって変わってくるものです。このくらいのことなら中学校で教えることが可能だと感じました。

 ライオンの頭骨にある咬筋を通す穴が大きく開いていました。人間の穴とはずいぶん違います。このことは肉食動物の咬む力が大きいことを表しています。小川さんが子猫に咬まれたときにひどく痛かった話をしていました。


5.力は触らないと働かない ・・・・・・・・・・・・・・ 阿久津さん

(遠隔力を除けば)接触していなければ力がはたらかないことを丁寧に教える実践です。図の壁にはたらく力の矢印を言葉で正しく表せることがこの授業の目標です。授業の中では、はじめ約半数の生徒が正しくかけていませんでした。どうしても、後ろから押している人の力が直接壁にはたらいていると考えてしまうようです。しかし、このような考えは日常生活では当たり前ですから、それをどのようにほぐしていくかが授業のミソになります。私などは「力とはそういうものだ!」と教え込んでしまう授業をしていますが、阿久津さんはその辺りを丁寧に説明している、と感じました。

作用点の描き方については、以前私が提案した「作用点を着目物体の内側に描く方法」がだんだん認められてきているように感じました。

また、「学ぶ側から見た力学の再構成」(新生出版)に載っていた実験の紹介がありました。リアルタイムではおもりの動きの差がわかりづらいので、スローモーションで見せたいという意見が出されました。ICT機材は電子紙芝居ではなく、このような使い方が有効だと思いました。

2時間分の授業記録がありましたが、この日は1時間分で終了し、6月に2時間目の検討を行うことになりました。