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日 時:2015年2月27日(金)19:00~21:55

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿久津・小池・鈴木(ま)・鷹取・高橋・田代・津田・手塚

・友常・中山・町田・堀(記録)

  1.  今回は、それぞれ知人から中央沿線理科サークルを紹介されたという中山和人さんと、小池巨さんが初参加でした。今後ともよろしくお願いします。


1.『理科教室』を読んで「『理科教室』2015年2月号」…………津田 弘毅

  1.  特集「小学校の理科の教科書をどう利用するか」について、まずは鷹取さんから「執筆者には、“子どもにとって教科書は何か”をあきらかにしてほしい。」「教科書通りでは、生物はちゃんと教えられない。法則性を学ぶ生物教材と、農業生産の技術を学ぶ栽培とがあるが、そうした視点で栽培についてもきちんと書いてほしかった」との感想がありました。

  2.  中山さんからは「算数では、いま地区の学校すべてで同じスピードで進めるようになっている。自主教材が入り込む余地がない。理科も同じで、現場の教員に“教材研究”の意味も理解されていない。理科専科をやっていると、専科のない学年の担任から“教科書通りにやってもうまくいかなかった”などと、相談を受けることがある。市販テストを購入しているので、テストに出ていればやらざるを得ないが、うまくいかない実験もある。また、気体の学習でも検知管を使うようになっているが、気体検知管は高価なので教師実験で簡単に済ますしかない」など、現場の状況が報告されました。

  3.  阿久津さんからは、「授業に生かす実践記録」の「電磁石の仕組み(小5)」(山梨:丸山哲也さん)について、「銅芯を入れる話があるが、津田さんの考えは?」と質問。津田さんは、「“結果とわかったこと”で、例示されている児童のノートでは“不思議でした”と書かれている。授業者がどう答えるのかな、と気になった。そのリスクを取り除きたい。課題6はなくてもいいのではないか」との答えで、阿久津さんも同意されていました。

  4.  田代さんからは電磁石の巻数に関して、「ガンガンに巻いたら、電気はかえって流れない。中学校の教科書では言葉だけの説明だが、小学校では導線の長さを一定にしているのでいいのだろう」との感想がありました。


2.教具紹介「授業でのICT機材の活用例・イージーセンスビジョン」

………………手塚 博紀

  1.  イージーセンスビジョンとは(株)ナリカの製品で、“パソコンに接続しなくても、データ測定から分析、グラフ化まで一挙にできるもの”ということです。手塚さんが実演したのは、イージーセンスビジョンと超音波距離センサーを使い、アクリル板を取りつける工夫をした力学台車の動きを測定して、v-tグラフ化する、加速度運動の実験でした。

  2.  会場の机は水平でなく、しかも上面が狭いために実験は大変でしたが、わりときれいにグラフができあがりました。一定の力で引っ張る実験の時、速度(青線)と距離(赤線)のグラフが示されましたが、「(速度に集中したいので)赤線の距離は消して」と要望がありました。設定次第ではそうした表示もできるのではないかということです。

  3.  手塚さんによれば、今年この単元で一番力を入れたのは、「物理基礎通信№7」に載っている往復運動だそうです。「計算は苦手だが、定性的な現象への食いつきはいい」とのことで、効果はあったようです。

  4.  阿久津さんの学校にもイージーセンスビジョンは導入されているそうですが、多くの高校にあるわけではないようです。生徒にはv-tグラフ化される過程がブラックボックスのようではないのかとも思えましたが、センサーが何をどのように測定してイージーセンスビジョンに数値を入力しているかが理解できれば、アナログ的な測定が難しい実験にも有効だということなのでしょう。

  5.  なお手塚さんのこの実践「落体運動」の授業は、『理科教室』2015年4月号に掲載されていますので、ぜひそちらもご覧ください。


3.実践記録「作用反作用」…………………………………………町田  智朗

  1.  以前中央沿線理科サークルで検討したときに出てきた意見で、「力学台車に電磁石をつけてみては?」というのがありましたが、やってみたところうまくいかなかったそうです。そこで、横浜物理サークルの水上慶文さんがやっているフェライト磁石と力学台車を使う方法を採用したそうです。

  2.  また、作用反作用の授業ではどの課題も結果は“同じ”となるために、生徒が「どうせまた同じでしょ」と盛り上がりに欠けるそうです。そこで今回は課題の順序を変えてみたところ、昨年よりも多くの発言があったそうです。

  3.  2時間目の実験に入る時のことについて阿久津さんから「バネの調整しているところは見せない方がいい」との意見がありました。手塚さんからも「同じバネを使う。同じ条件でやる、と言っているので、それでいいのではないか」との賛成意見がありました。またこの2台をぶつける実験について田代さんからは「YPCでは100円ショップの動力つき自動車を使っていた」と紹介がありました。

  4.  鷹取さんからは、2時間目の授業の意見を聞く場面で、「町田さんは『え?それなら逆じゃない?』と言っている。教師がしゃべる必要があるのか?言っていいのか?生徒が正しく認識していないなら、『もう1回言ってよ』と言うなり、ほかの生徒に『これでいいと思う?』と生徒同士で話し合わせるべきではないか」との意見がありました。

  5.  鈴木さんは、「時間が足りなくなるって、あせってる?」との問い。町田さんが「ちょっとあるかも」と答えると、「生徒の言っていることを繰り返すことが多いので、それをなくせば時間の節約になる」。また、町田さんが“今後は用意したプリントではなくノートに書かせたい”としたことを評価、「書かせることにより、生徒は課題の意味を理解していくのだろう」と意見を述べられました。

  6.  中山さんからは、「高校生でも交通事故だとか頭突きの話が出てきた。そうしたことと学んだことがつながらないとスッキリしない。生活体験から推理したことと法則がなぜ違うのか、そこをスッキリさせたい」と話されました。町田さんは「どうも、“意見の後片づけ”をしていないようだ」と振り返っていました。