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日 時:2015年4月24日(金)18:30~20:15

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿久津・堀・町田(記録)



  1. 配布された資料 物理基礎授業通信No.1、全国学力テスト問題(理科小6)

  2.        「普通の授業がいい」(沖縄タイムス2015/4/20)


  3.  歓送迎会や修学旅行の実踏、体調不良など、様々な事情で参加できなかった方々が多く、参加人数3名の人数的には大変寂しい例会となりました。

  4.  そのため、予定していた「原子核と放射線」の実践記録は5月に回し、堀さんのビデオ映像と「『理科教室』を読んで」で意見を交流し、いつもよりも早めに終わりにしました。


  5. 「2011年東北地方太平洋沖地震津波被災地 大槌町を歩く」・・・・堀 雅敏

  6.  以前堀さんがボランティアとして参加していた岩手県大槌町の様子を、2011年8月から14年9月までの間に撮影したものを、国土地理院が撮影した映像を差し込みながら、テロップと音楽を入れて丁寧に編集したものを見せていただきました。3人で見るなんてもったいない映像でした。

  7.  吉里吉里(きりきり)地区、町方地区、安渡(あんど)地区、赤浜地区と町内の様子をとらえた映像でした。

  8.  学校・駅・防潮堤など、津波の被害にあった場所と逃れた場所、犠牲者が出た場所出なかった場所などを丁寧に撮影し、編集が施されていました。特に、津波の当日に高台から蓬莱島(ひょっこりひょうたん島のモデルとなった島)などが津波に呑み込まれる様子を写真で記録した菊池公男さんにインタビューしながら撮影ポイントをめぐるところなど、菊池さんの撮影した写真を差し込まれていて、大変分りやすかったです。

  9.  堀さんの映像はボランティアに入った団体でも学習用映像として利用されているそうです。

  10.  幼稚園・学校・病院などではそこから高台に避難して助かりましたが、親が引き取りに来て帰った人たちが犠牲になった場所がありました。一方、宮城県東松島市野蒜小学校のように、避難場所に指定されていたために人が集まり、そこに津波が押し寄せて多くの人たちが犠牲になったところもありました。大槌町役場でも本来高台に設置することになっていた防災本部を役場の前に作ったために、町長をはじめとした多くの犠牲が出たことは知られています。学ぶことで「どういう場所が危ないのか」が理解できるような自然科学教育でありたいと思いますし、理解できる人が防災行政に取り組んで欲しいものです。

  11.  まだまだ撮影した素材はあるとのことなので、次回作にも期待したいと思いました。


  12. 理科教室(3月号)』を読んで・・・・堀 雅敏

  13.  表紙の写真はハワイ島の火山噴出物でした。同じ場所に隣り合って表面がガサガサな「アア溶岩」とツルツルの「パホイホイ溶岩」が写っています。同じ成分なのにどのように違いが生じるのかが詳しくなかったのが残念とのコメントがありました。

  14.  特集は「3・11から4年、原子力教育を考える」でした。堀さんは原子力と聞いて「難しそうだなぁ」と感じたそうです。実際に原子力発電所の授業を小学校で行うのは難しいと考えていたようですが、勤務先の小1の児童が「放射能ってなに?」「知らないの?毒だよ。」という会話をしているのを見て、何らかの学習は必要かもしれないと思うようになったそうです。

  15.  そんな中、佐々木仁さんの「「放射能と原発」の学習では、何をどのように教えるべきか」(p25)についての話がメインとなりました。この授業は、故江川多喜雄さんと浦邊悦夫さんが書いた『教室で教えたい放射能と原発』←アマゾンへリンク(いかだ社 2013年)を元に授業を進めたものです。本の通りに行うと19時間を要するそうですが、理科・社会・総合などの時間を使って時間を捻出していくなど考えていきたいとのことでした。

  16.  堀さんは、前述の参考文献に「日本では人の住める所は1年間に20mSv以下としている」として「福島市は(中略)年に約5.87mSvは基準値(20mSv/年)より低いので大丈夫と言われている。」と書かれていることに注目し、これは「非常時や復旧時を想定した値ではないか。」と指摘しました。「日本政府や福島県はこのように言っている」とすべきであって、100mSv/年を越えなければ“健康への影響はない”のではなく“確認できていない”ことを認識すべきだと主張しました。一般的には「しきい値」が存在しないのは共通理解になっていると思います。P45の図2のグラフを見ても(誤差は大きいものの)しきい値はないと考えるのが良いように思えます。