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日 時:5月27日(金)18:30~21:00
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場 所:国分寺市本多公民館
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1.到達目標・課題学習方式の授業「混合気体」 玉田泰太郎さんの授業ビデオの視聴
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以前から行いたいと考えていた「玉田さんの授業を観る会」の企画を実現することができました。今回視聴したのは1985年に撮影された「混合気体」の授業です。授業を公開したときの映像のようで、今よりもずっと若々しい滝川さんや桜田さんの姿も見えました。阿久津さんが授業記録を入手してくださったので、記録を見ながら授業の様子を見ることができました。
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ビデオはどなたが撮ったものなのでしょうか、多くの授業記録が教室の後ろから撮影されていることが多いのですが、このビデオは理科室の教卓の横(窓側)から撮られたものです。このアングルだと、授業者を横から捉え、児童たちを前から映すことになるため、児童の活動様子がよくわかります。演示実験も横から映すことになりますが、このビデオでは教卓の水道蛇口に重なってしまうため、授業者の手元が見にくくなっていたのが残念でした。
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ビデオは子どもたちが理科室に入ってくるところから始まっています。入ってきた子どもたちは黙って教科書を開いて黙読を始めます。堀さんは「子どもたちが話しながら理科室に入ってきたときに、教室からやり直させたことがある、と聞いたことがある。」とおっしゃっていました。授業開きから数回の授業の間にいろいろな約束事を定着させていることが伺えます。
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授業は、と言えば、玉田さんがボソボソと課題を説明するところから始まります。ビデオが古いこともあり、聞き取りにくいこところもありましたが、授業記録があって助かりました。
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この時間の課題は「二酸化炭素と酸素を集気びんの中に入れてしばらく放置したあとにロウソクの火を入れるとどのように燃えるか。」というものでした。課題を説明した後「書いて」と言うと子どもたちが一斉に机(4人一組向い合せのタイプ)に向かって自分の考えを書きはじめます。書き終わったところを見計らって発言を促すと、子どもたちは発言者に向かって座り直します。一通り発言が終わったところで、玉田さんが ①気体が混ざるか ②混ざったときにどのように燃えるか、と論点を2つに整理して再度考えを書かせて発言させます。ここでは玉田さんは指名しません(少なくとも、していないように見えます)、書き終わった子どもから順々に立って発表を始めるのです。同時に発言を始めたらどうするのだろう、などと心配になるのですが、そんな心配をよそに発言は次々に続きました。
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その後、実験して子どもたちが「わかったこと」を書くと、また発言が続きました。
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この授業は2時間続きで、次の時間は酸素と二酸化炭素を別々の集気びんに入れてふたを合わせて放置し、混ざるか否かを問うものでしたが、時間の関係で別の機会を設けることにして意見の交換に入りました。
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個人的には ・理科室に入って教科書を読む ・「書いて」を言われたら自分の考えなどを書く ・書き終わった人から発言する ・発言者に向かって座り直す ・「賛成」「反対」を表明する など、授業のルールが徹底されていることに驚きました。「まるで台本があるようだ。」と言われる所以です。年度のはじめの数時間でどのような指導をしているのかに興味がわきました。授業開きのビデオを観たいところです。
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玉田さんは机間指導の際にメモを取っていると聞いたことがありますが、ビデオを観る限りでは、メモを取っている様子はわかりませんでした。
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その後、「気体分子が飛び回っているという授業はいつやっているのか。」「1つの課題で論点が2つあるが、真意は何か。」など、意見を交換しました。
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2.『理科教室』を読んで「『理科教室』2015年5月号」……………… 堀
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日本標準から本の泉社に移っての第2号です。堀さんから資料の説明があったあと、まず話題になったのは体裁についてでした。特集の先頭に編集委員の「主張」が1ページあるのですが、「主張」が特集の先頭記事ではなく、コラムの1つのように見えるとの意見がありました。特集記事についても、右ページの右上に網掛けで特集とわかるように細工されたページとそうでないページとがあり、チグハグな感じを受けます。
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また、タイトルの背面に描かれている絵について、内容と関わりないもの(例えば、p49「つる植物、空気の学習と電池のはたらきを重点に」の絵が北斗七星?です。)が描かれていることがあり、違和感を覚えるとの意見がありました。
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4月号の特集は「4月の授業で大切なこと」、5月号の特集は「1学期の学習ポイント」と、2号続けて似たような特集だったことについては、「広い読者を意識したことは理解できるが、少々残念だった」という旨の感想がありました。
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また、How to的な記事が求められていることはわかるが、それだけだといい授業はできないので、理念的な記事も多くなくてよいので掲載し続けてほしい、という要望が出されました。
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このことに関連して、林純次著『残念な教員 学校教育の失敗学』が話題になり、さらに関連で斎藤喜博の話題と続き、例会が終わりました。
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例会終了後は、翌日が生物サークル主催の「富士山フィールドワーク」だったり、子供の運動会だったり、ということもあり、どこにも寄らずに帰宅の途につきました。