2019年10月例会報告     過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 
  1. 日 時:2019年10月25日(金)19:00~21:45

  2. 場 所:国分寺市本多公民館


0.教具紹介「定力装置」

  1.  前回の福岡大会報告でも定力装置が話題となりましたが、みんなが集まるまでの間、「“精度がよくない”ということでいまは販売していない」という、島津の定力装置の紹介がありました。

  2.  糸をモーターの回転で調整する形のようです。糸はケブラー繊維(小川さんによれば、「防弾チョッキにも使われる繊維」とのこと)という丈夫な物のようです。

  3.  何回か繰り返して実験・グラフ表示をしました。「使えるんじゃないかな」という声が聞かれました


1.授業プラン「慣性」

  1.  11月16日(土)に公開研究授業を行うということで、その時の単元「慣性」についてのプランが提示され、みんなで検討しました。

  2. 町 田:2時間目の授業の予想で、こういうグラフ(右図)はないだろうか。

  3. 阿久津:それはこの段階で?

  4. 町 田:自分の場合、加速度でやるが。

  5. 阿久津:加速度はまだやっていない。

  6. 小 川:それは、だいぶ後の話ではないか。ただ、スタートは0(ゼロ)だと言っておく方
    がいい。
  7. 町 田:最初は止まっているのに、なぜア(右図)がいるのか。

  8. 手 塚:でも、アと考える子も結構いる。

  9. 町 田:4時間目で、止まっている時間のある、このような図(右下)は、予想として入れないのか。

  10. 阿久津:入れるべきだね。

  11. 手 塚:手の力を考える子がいるのではないか。

  12. 阿久津:ナリカの装置はトリガーつきで、20cm離れた後から測定するので、手の力は出てこない。

  13. 山 本:実験装置は、見せてからやるのか。

  14. 阿久津:見せないでやる。v-tグラフをもう少しイメージさせるために、京王線の速度をグラフにする授業について0.5時間くらい入れるかもしれない。

  15. 町 田:v-tグラフが-(マイナス)になるのは、どこかでやっておいた方がいいだろう。自分は、「行って帰ってくる」をやった。

  16. 阿久津:①の前の「0」のときに、反対向きはやっている。センサーに向かって歩く、下がって歩く、というのは、やっている。

  17. 小 川:⑥の予想図だが、これでは回転してしまうのではないか。

  18. 町 田:ぼくは、これでいいのではないかと思う。

  19. 阿久津:縦方向は関係ない、横方向だけにしたいが…。ちょっと数が多いかな?

  20. 町 田:予想図なしに、フリーにやらせたら?

  21. 小 川:予想が多くなりすぎる。

  22. 鷹 取:予想図は3つくらいにして、あと「その他」としたら?

  23. 阿久津:考えたが、生徒に「“その他”の正解はあり得ない」と言われた。

  24. 小 川:エの、実際の実験を見せた方がいいのでは?

  25. 阿久津:話はした。

  26. 小 川:「砂袋を後ろに引きずったら、どんなv-tグラフになるか?」と、課題にした方がいいのではないか。

  27. 町 田:力学台車の前後に力センサーをつけてはどうかな?

  28. 小 川:到達目標の「物体は等速度運動をする」というのは、文章としておかしくない?

  29. 町 田:「物体は、等速度運動をする性質を持っている」ではダメ?

  30. 阿久津:なるほど。

  31.   ⑥の予想図は、思い切って(イ)と(カ)だけでもいいのかな?

  32. 町 田:矢印ではなくて、言葉ではだめなのか。“重力”“垂直抗力”…。手から離れて右に進んでいる絵を描いて、言葉で言わせる。摩擦とか空気抵抗は無視していいと伝える。

  33. 阿久津:考えてみる。いいと思う。

  34. 山 本:速度ベクトルをここで使う意味は?

  35. 阿久津:『物理100時間』の等速度運動でいきなり出てくる。「力を受けたときに速度ベクトルが力の向きに生まれる」と。最初はよくやっていた。

  36. 山 本:力のベクトルとごっちゃになりそう。

  37. 阿久津:なる。矢印の形や、物体の内側と外側など、描く位置も変える。


2.書評「『理科教室』2019年10月号を読んで」   

  1.  特集「光の学習の系統性を考える」中心に、手塚さんは、用意した資料を基に、一つ一つの記事の感想をていねいに述べました。

  2.  金属が自らピカピカと光を発していると思っている児童が一定数存在するということで、暗室実験で光がなければ何も見えないことを確かめた実践、3色の蛍光灯と1本の棒を使用する、光の3原色の実験などは、とても参考になったようです。また、高校での光の回折に関するスリットを通して風景を見る実験について、目を細めたときにも、まぶたによって上下方向に、まつげによって左右方向に光がにじむためにぼやけるということは考えたことがなく、発見だったそうです。これについては、「焦点深度もあるのではないか」との意見がありました。

  3.  特集以外で8月の海水温のことも必要な知識として話されましたが、「気象に関して、教科書は遅い」との意見もありました。

  4. また、村上 聡さんの「力と運動に関する素朴概念にはたらきかける授業実践」では、特に鉛直投げ上げ運動について話されました。重力は目に見えないので、「落ちるにしたがって重力の大きさが大きくなる」と考える生徒は結構いる。しかし村上さんは“重力は一定”として実践している。鉛直投げ上げ運動を、水平方向の携帯扇風機の実験で、本当に理解できるのか、と疑問を述べていました。

  5. また「プリズムについては、吉埜さんが少し触れている」と触れましたが、これについては、太陽の光をプリズムに通すといろんな色の光に分かれる実験は大事、幾何光学的なことも、「青い光の方がたくさん曲がる」くらいは中学生に分かってほしい、などの意見が出されました。

  6. 細かいことですが、町田さんの名前が本来“智朗”なのに“智明(p.69)”になっているとの指摘もありました。


3.教材紹介「有珠山」

  1.  来月、自作ビデオ教材「火山の教材有珠山を例に」の紹介がありますが、それを前に今回はプリントなどの紹介がありました。

  2.  まずは大きく引き延ばした昭和新山の写真でした。これはロープウエイから撮ったそうで、高いところからの撮影なので全体の様子がよく分かるものでした。1963年の時の写真で、いまは緑に覆われているそうです。私有地なので、この当時は自由に登れたということです。

  3.  ロープウエイから、ということで、ほかの参加者は同時に配られた地質図と見比べて場所の確認をしていました。また垂直断面地質図では、「洪積層が押し上がってきた」との説明もありました。

  4. 同時に配られたプリントの中にはミマツダイヤグラムもあり、手塚さんもこれを生徒に配って隆起のようすを理解してもらったそうですが、「こちらには年月日も分かるようになっているから、より理解できそう」と、うれしそうでした。