2019年1月例会報告     過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 

日 時:2019年1月25日(金)19:10~21:45

場 所:国分寺市本多公民館


1.実践報告「恋ヶ窪村用水(小4:社会科総合)」

 恋ヶ窪村用水は都内でも珍しい深掘りで、しかも市民の要望と働きかけにより江戸時代のまま現存している貴重な用水路だそうです。鈴木さんは「コミュニティー・スクール協議会委員」として、国分寺九小の学区域にあるこの用水を学習させたいと、市と校長に働きかけたということです。そうして実現した、誰よりも早く、最初に用水内部を歩いて見学することも含めた実践の報告でした。分厚い資料と、市の担当者が案内する下見のときに一緒に参加した鷹取さん撮影・編集のビデオをもとに丁寧な報告がありました。

 「授業開始時刻が遅れてビデオを見せることができなかったが、“現物から学ぶ”感動はかえって大きかったかもしれない」「江戸時代と現代との時代の隔たりを埋めて工事をイメージさせるのには、当時の道具を描いた図版が役立った」「深掘りをしなければならないことを理解させるための坂図にかける時間が少なかった」などの自評もありました。

 私(堀)は、(用水の傾斜はわずかで、わかりにくいのではないか)との思いから、「簡単な水準器のようなもので傾斜を理解させたのか」と質問してみました。「担当者からは『120mで50cmの傾斜がある』との説明があった」とのことでした。またもう1本のビデオを見てみると、目視でも坂になっていることがよく分かりました。

 鷹取さんからは2点の意見がありました。一つは、「坂図に、用水の水路の線を引くとよかった。そうすれば、なぜ5mも掘らなければならなかったが明確になる」ということです。鈴木さんも(なるほど)と納得されたようです。ただ、子どものノートの中にはその線を描いた図もあり、何人かの子には理解されていたようです。時間があれば、この子たちの理解を全体に広めることができたかもしれません。

 もう一つは、「水田耕作のために用水を引いたのか。恋ヶ窪村ではどれだけの水田があったのか。畑もあったはず。上水と湧水を上手に使っていたのではないか」ということです。鈴木さんは、「古文書の記述を元に、<田に水を入れるための用水路を造った>を学ばせたいことの一つに入れた」とのことでした。


2.授業検討「仕事とエネルギー」

 昨年の11月例会での実践報告8時間目の授業ビデオの映写・検討です。

 掃部さんの、「“エネルギー”という言葉を使っているが、“力学的エネルギー”と言った方がいいのではないか。主語を明確にしないと、生徒は混乱するのではないか」との意見に対して久富さんは、「生徒は、運動と位置の2つを考えている」とのことでした。掃部さんからは、「速度(ベクトル量)と速さ(スカラー量)を使い分けているかどうか」との指摘もありました。

 森脇さんからは、「全体に発問しても、特に指名することなく発言が次々とあるが、班で話し合うなどしているのか」との問いがありました。「このクラスではそんな感じだが、別のクラスでは関係ない話をする子もいる。後半の計算については、班でやった」とのことでした。

 鷹取さんからは、「教師と特定の生徒との1対1のやりとりになっていて、生徒と生徒が話し合う授業になっていない。教師がわかって、つぎに進める授業になっている。それでいいか」との問いがあり、町田さんから「具体的にはどうすればいいか」との質問がありました。「課題がきちんとしていること。ほかの生徒に理解できているかどうか、教師がかみ砕いて返しているが、“君ならどう説明する?”と投げかけたりするのもいいのではないか」とのことでした。鈴木さんからは、「例えば意見が変わったなら、ノートに書いた“みんなの話を聞いて”をみんなの話し合いの中で出すなどできればいいのではないか」との意見がありました。


3.『理科教室』を読んで「『理科教室』1月号」

 いつものことながら、時間が押し迫り、駆け足での報告となりました。

 五十嵐さんの生物と磁力に関する疑問については、「渡り鳥は太陽黒点が増えたときに方角がわからなくなるという話は本当か」とか「ピップエレキバンの効果はどうなのか」などいろいろ話が出ましたが、話し合う時間も無く、深めることはできませんでした。

 特集「プラスチックを科学の目で!」の福地孝宏さんの考え「理科の本質を忘れることなく、その本分を尽くすこと…」について五十嵐さんは、「何をすればいいのかわからなくなることがあるが、この考えに戻れば自分のやるべきことが見えてくるのかもしれない」と思ったそうです。

 口絵に関連して町田さんは、「おちょこ1杯に水1molが入るということをやっているが、その1molの数(アボガドロ定数)の米粒があるとすると全人類が何年食べられるか、などということもやっている。」と紹介しました。圧倒的な数のイメージをつかませたいということです。


4.その他

 (1)「高尾山フィールドワーク」

 春休み中の3月末か4月初めに行う予定の、生物サークルと合同の高尾山フィールドワーク(小仏川沿いの梅郷コース)について簡単に説明。6人の参加希望者を確認しました。


(2)「カシミール3Dによる立体地図模型」

 カシミール3D(日本のDAN杉本〔杉本智彦〕が個人で開発している登山者向けの地図ソフト〔Wikipedia〕)を使った自作立体地図模型を紹介。よくある立体地図模型には書かれていない地図情報が、しっかり書き込まれています。水平方向と垂直方向の縮尺も合わせたそうです。