理解できないもの
みなさんは今まで理解できなかったものってありますか?微分積分がわからなかった?分数の計算で躓いた?いえいえそういうことじゃありません。
料理の本の「塩、胡椒少々」がわからなかった?なぜ兄のお古ばかり着せられるのか、どうして今の年寄りのためにもらえるかもわからない年金を納めなくてはならないのか、なぜ隠しておいたエロ本が机の上に整えて置かれているのか?…だからそういうことじゃないんです。
わからないとか、納得がいかないじゃなくて本当に理解できないってことなんです。
例えば生命について、どこから命が宿って、死ぬとどこへ行くのか。だって自分の元がお父さんのおたまじゃくしとお母さんの卵なんてすごいじゃないですか。いつ自分になったのかわかりますか?
え?「人間なんてたんぱく質の塊だよ」って?じゃ、たんぱく質って何ですか?分子、原子の集まり?原子は電子と陽子?中性子だクォーツだの何だのと出てきて終わりなんてないですよね。
その反対に外に外にと目を向けると宇宙の外側とかって気になりません?
他にも心って、魂って何ですかね?私の感覚では何かあるような気がするけれど、これって脳みそのことなの?例えば目に映っている景色、これって脳の中に投影されたものなの?それってどういうこと?たんぱく質の塊だとしたらこの楽しいとか苦しいって感情は何?
自分の心でも理解しがたいのに、他人の心は?「もしかすると自分以外の人間は全部作り物かも…」ってな話が手塚治虫の漫画でもあったけど違うって言い切れます?
その答え
こうしたものの答えが宗教ではあっさり出ちゃってたりする。「命?神様が与えてくださったものですよ。死ねば当然また神の国にいきます」とか、「宇宙の外側?そこが神の国です。(にっこり)」みたいな、「作り物?ありえません。みな神の子です。」といった具合です。
こうやって書くと馬鹿みたいに感じますが、例えばまだ若いのに病気で余命いくばくもない子供に「死んだら何にもなくなっちゃうよ」とはいえませんよね。意外と役に立つ場面って多いんです。皆さんだって死んだらどうなるって考えると怖くないですか。私も子供のころ死について考えたら(別に自殺するってことじゃないですよ、何と無く漠然とです)怖くて眠れなくなってしまうことがありました。科学は万能じゃありません。ですから、科学で解明できない部分、人が理解できない世界の答えをどんな形であれ作り出すことに意義はあるのです。
間違った答え
ただし、中には間違っているというか、人に害を及ぼす答えがあります。有名所であればガリレオの裁判などがあります。天動説(地球を中心に宇宙が回る)と地動説、宗教的な見地から否定され死ぬまで監禁生活を送りました。ダーウィンの進化論なども創造論(神が人を造った)に反するとしてなかなか認められませんでした。
どちらも科学的に提示されたものなのに、ただ一言「聖書に反する」で片付けられてしまいました。ですからあくまでも宗教的な答えは理解できるまでの気休め程度に考えて、そして人間のために利用、役立ててこそだと思います。
まあ、上の話はあまり皆さんの日常生活にはかかわりありませんのでピンと来ないかもしれませんが、例えば「お前が来ると雨が降るからなー」とか「私が行くといつも雨になるのよねー」と人を傷つけたり、傷ついたりしてませんか?そんな晴れ男だ、雨女だって一人の人間が天気を左右できるわけがないでしょうに。「お前はX-MANのストームか」って突っ込みたくなりますよ。
最後にもうひとつ。この答えというものは理解できないものに、安易に神の名を借りて答えを出すわけですから、はじめにそれを言う人の思うがままなんですね。例えばその人が、悪意を持って自分の利となることをいう可能性も十分あるんです。ですからあくまでもその答えが、あなたの、あなた自身の利益となるかどうかを大切にしてください。