キングさん


 ひどく走ってくたびれた小型犬を思わせる車だ。
 「もうだめだ」犬のように喘いでいるが歩き
 続ける。オルソンは叱られた犬のようにしお
 しおと、ギャランティのチーズを貰った。 持ち
 時間の2分が過ぎると、犬のように撃たれた。
 天罰が下って犬死にするぞ。正常で典型的な
 夫婦になるんだ、子供は4人でコリー犬を飼って。
 おれを負け犬みたいにさせた腹いせだ。てっぺん
 では犬みたいにハアハアするんだろうな。雑種の
 犬のように通りに糞を落とし、それを見物人が
 集めて瓶につめ、記念品にするのだ。そうなったら
 連中に犬死にさせられる。だらんとベロを出して
 よだれを顎から垂らして撃ち殺されるんだ。
 大口径の銃弾の力で、犬は群集の縁まで弾き飛ば
 され、そこでどんよりした目をあえぎながら震えて
 いた。ベイカーはぎくりとして、犬のように全身
 をぶるっと震わせた。車にぶつかって致命傷を
 負った犬のように、ぜーぜー喘いでいる。
 迷い犬が見知らぬ恐ろしい場所でむちに追い立て
 られるように、ほとんどがらんどうになった道路は
 びゅうびゅうなる風に吹きまくられていた。見た
 ことがあるだろう、ギャランティ。ドッグレースで
 グレイハウンドが追っかけている、あの灰色

 仕掛けのウサギだ。犬がどんなに早く走っても、
 ウサギには絶対に追い付かない。

 以上。この本の中にある、犬でたとえられた
 表現です。よくこう思い付くもんだ。
 さすがスティーブンキング。

 
 1989年 扶桑社
 著者 リチャードバックマン
    (スティーブンキング)

犬のことをもう少し
ましなところで
つかってもらえませんか。

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