PID制御の基礎
自動制御の中でよく使われる制御方式にPID制御という方式がある。このPIDとは以下のような意味を持つ。
この3つの要素を組み合わせることにより,PID制御が成り立つ。
偏差に比例した出力を出す動作を比例要素(P動作),偏差の時間積分に比例した出力を出す動作を積分要素(I動
作),偏差の時間的変化に比例した出力を出す動作を微分動作(D動作)という。
3つの動作を組み合わせると述べたが,常に3つの動作を全て使うとは限らない。制御対象によって性質が異なるの
で,それぞれ組み合わせを変える。例えば,流量制御ではP動作とI動作を使うPI制御が普通である。また,温度制御で はD動作が不可欠であり,全て使うPID制御が一般的である。
PID制御の基本形
PID制御には,上述したように比例動作,積分動作,微分動作を組み合わせて制御を行う。制御偏差を とすると,制
御出力 は次式のようになる。 ![]()
ただし, :比例帯[%], :積分時間, :微分時間, :制御出力, :制御偏差を表す。
これが,PID制御の基本形である。第1項が比例項,第2項が積分項,第3項が微分項となっている。以上の式を図示
すると図5のようになる。また,上式はラプラス変換を用いて記述すると次式のようになる。 ![]()
ただし, :ラプラス演算子, : のラプラス変換, : のラプラス変換
![]()
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