作ってしまおうデータロガー(8Ch温度自動計測装置)

駄作「データロガー(4Ch温度自動計測装置)」の欠点を取り払うべく再チャレンジしたのがこの「データロガー(8Ch温度自動計測装置)」です。


「データロガー(4Ch温度自動計測装置)」は大変有効で貴重なデータを取得できたのですが、いくつかの不満な点を列挙してみましょう。
@時間(時刻)の概念がない。
  これはロギングしてから次回のロギングまでクロックをカウントアップしているだけなので一般的な時刻と言う概念がない。
A分解能が8bit。
  基準電圧(5V)を8bit(256)で分割するので1bitあたりの温度範囲が0.19℃である。
B測定チャンネル数が4。
  外気温などを計るにはちょっとチャンネル不足。
C各種設定はPCからのみ。
  ロガー本体には電源スイッチすら有りません。

それでは今度の「データロガー(8Ch温度自動計測装置)」はどうなっているのでしょう。

@.リアルタイムクロックモジュール搭載。
 ロギング時の年月日時分秒を同時に記録可能となった。
 電気2重層コンデンサによるバッテリーバックアップ機能付き。
A.分解能が10bit(1024)となった。
 内部基準電圧(4.67V)を10bit(1024)で分割するので1bitあたりの温度範囲が0.046℃に性能向上。
B.測定チャンネル数が8。
 入力が8ch(基準電圧を外部より取り入れても6ch)あればまず十分でしょう。
C.16文字2行表示バックライト付きLCD搭載
 16文字2行表示バックライト付きLCDを搭載しているのでPCを使わずとも各設定が基盤上のロータリーエンコーダで設定可能。
D.測定間隔が1〜255秒または1〜255分の間で設定可能。
E.測定容量が131072データ(1ch時)取得可能(2048Kビット)。
 最長で255分×131072回=557,056時間=23,210日=63.6年分ものデータが蓄積可能
 最多ch(8ch)で最短取得間隔(1秒)として設定した場合には
 1秒×(131072回/8)=16,384秒=273分=4.5時間分ものデータが蓄積可能
 これでは現実的ではないので8chで取得間隔を(5分)として設定した場合には
 5分×(131072回/8)=81,920分=1,365時間=56.9日分のデータが蓄積可能

  完成写真を→に
中央やや右側の青○シールが貼ってあるのがPICマイコン(16F877)モジュール。
向かって左側に縦に8つ並んでいる黒い素子が温度検出素子(LM35D) で実際に使用する場合はケーブルを接続し、センサー部を延長して測定対象に設置)する。
 (ただキットには1ch分の検出素子しか添付されていないので、全ch有効にするにはあと7ch分の検出素子の追加購入が必要)

ところが………
完成させて試験運用をしたところ大問題が発生。

それは「数値が安定しない」のです。
とくにケーブルで検出素子を延長した場合が大問題!

ひどいときは直前のログデータと比較して約1度もずれることがある。
「4chデータロガー」の時は検出素子を1m程度引き延ばしても数値のずれはほとんど発生しなかった。
これではデータロガーとして失格である。
0.1度単位のずれで有れば温度検出素子の個体差で誤魔化すことが出来るのだが、1度も違っていてはお話にならない。

検出素子およびオペアンプ(検出素子からの微弱な電流を増幅するための回路)までは前述「4chデータロガー」と同一回路、同一素子を使用しているので素子の問題ではなさそうである。

基板上の部品配置でノイズを拾ってしまっているのだろうか、検出素子側にノイズキラー(フェライト)をかませても安定しない。
プログラム上では数回のサンプリングの後平均値を書き込んでいるように見えるが、このサンプリング・平均値化のロジックに問題がありそうである。
CPUが違うので「4chデータロガー」と同一壇上で話は出来ないがロジック的には「4chデータロガー」の方が格段に安定している。
プログラムの修正も視野に入れて、ただいま原因解析中です。

おまけに………
停電時にデータの保存が出来ない。
EEPROMに書き込んでいるはずなのに 瞬間でも停電が起きるとロギングが中止されてしまうばかりでなく、それまでロギングしていたデータも消えてしまう。
今年(2004年)の猛暑でエアコンを使いすぎ家のブレーカーが落ちたときデータは物の見事に飛んでしまいました。

記憶メモリ自体は停電時でもデータの保護ができる(はず)なのでこれまたプログラミングのデータ書き込みタイミングの問題であろう。

も一つおまけに………
一旦PCとの接続を切る(シリアルケーブルを外す)と再度ケーブルを接続してもPCからのコマンドは受け付けない。
当然データの読み出し・新規設定の書き込みができない。
PCからのコマンドを受け付けられるようにするにはロガー上のスイッチでロギングを停止させないとならない。
これは不便であるし中途半端な気がする。

総括
高機能なのだが残念ながら現時点では使用に耐えられないという結論に達しました。
0.2度くらいの誤差で良いのなら(クーラーやヒーターのサーモスタットは温度誤差は1度くらいあります)
「4chデータロガー」を2台使用した方が確実である。
データもちゃんと保存されているし、何しろまた電源をつなぐとそこから再びロギングを開始するところが便利。
(これも途中の停電時間は0として判断するので停電時間が長い場合はログデータに時間的なずれが起きるのでこれはこれで良くない)

よって管理人は 「4chデータロガー」をもう1台購入してしまいました。

残念なことに 「4chデータロガー」は廃品種となってしまった模様でカタログからも姿を消してしまった。
もう1度こいつのノイズ対策を行って使えるようにしないといけないのか…