サルコイドーシスについて


<目次>

サルコイドーシスって?
患者さんの数は?
どのような人に多い病気?
原因は?
遺伝するの?
どんな自覚症状?
診断基準は?
どんな検査をするの?
治療方法は?お薬は?
患者さんはどんな事に気を付けたらいいの?

ところで「特定疾患(難病)」ってナニ?

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サルコイドーシスって?

サルコイドーシス(Sarcoidosis)とは、全身の色々な臓器に結核を始めとする感染症によく似た病巣を作る疾患です。
一般にそのような病巣を類上皮細胞肉芽腫(要するに体中の細胞が肌に出来る堅いイボ状と同じような繊維化細胞様になってしまう病気
)と呼んでいます。
しかし、現在までその原因は明確にされていません。
病状は大きく分けてStageT〜Xの4つに分類され、数字が増えるほど進行と判断されます。

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患者さんの数は?
患者の発生状況は世界的に北に多く南に少ないと云われ、日本でもその傾向があります。
1991年の我が国の実態調査では新発見数(罹患率)は北海道は人口10万に対し1.6、九州では0.9を示していました。
日本全体の患者数(有病率)は不明ですが推定では人口10万に対し7.5〜9.3と考えられています。
これはサルコイドーシスと診断される患者数であり、投薬治療にに移行するのはこのうち約3割で、残りの人は経過観察となります。
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どのような人に多い病気?
男女比はほぼ同じかやや女性に多い傾向にあり、1991年の調査では男性900人に対し女性は1,500人でした
発生年令は、男性では20才代にピークを示します。
とくに眼病変は男性に多く、したがって失明も男性に多くみられます。
女性では20才代と50〜60才代に二峰性のピークを示しますが、高年齢層のピークが著明です。
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原因は?
現在では不明です。
しかし、病理組織が示しますように、結核を始めとする感染性肉芽腫性疾患の組織像が大変似ていることから、
以前より何らかの感染症が関与しているのではないかと考えられてきました。
現在日本では嫌気性菌のpropionibacterium acnesとp. granulosumの遺伝子が肺やリンパ節などがら証明され、これらの菌が原因菌の一部として研究の対象となっています。
欧米ではLー型結核菌、ウイルス、自己免疫などとの関係の報告もあります。
ストレス(精神的・肉体的)も関係あるのでは、と言う説もあります(管理人も非常に強いストレスの直後に発病)
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遺伝するの?
この病気は遺伝する病気ではありません。
しかし地域差、人種差、家族内発生、難昜度などの差が報告されています。
この事は色々の病気と同様に罹りにくい人と、罹り易い人、また、治りにくい人と、治り易い人と云うような体質(感受性)の遺伝子があるためと考えられています。
現在その点についてもHLA遺伝子の研究が進んでいますが、いまだ明確に解析されてはおりません。
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どんな自覚症状?
自覚症状は罹患臓器によって異なります。
●眼症状:
 霧視(霧がかかったようにぼんやり見える)、羞明(まぶしい)、飛蚊症(ちらちら視野に小さいものが移動する)などが出現します。
ブドウ膜炎も多発する症状の1つです。
●皮膚症状:
 各種の皮疹が出ますが、結節型(円形〜楕円形の隆起した紅色〜暗紅色の鱗屑を伴う硬い皮疹)、局面型(円形〜楕円形の辺縁の隆起性で内面は萎縮性の柔らかいの皮疹)
などが多いようです。
●呼吸器症状:
 咳、呼吸苦などがあります。
●心臓症状:
 不整脈が最も多く認められるほか脚ブロックなどがあります。

しかし約40%の患者さんは自覚症状に乏しく健康診断で発見されています。
管理人も自覚症状は無かったのですが、会社の健康診断で肺に影があると言うことから精密検査で発見されました。

いままで感じた自覚症状は下記の通りです。
咳、痰、呼吸困難、胃部不快感、関節痛、筋肉痛、肩凝り、めまい、倦怠感、頭痛、微熱等‥

ここのところ感じる症状は、
急いで階段を上ったときの息切れ感。これは酸素吸入が欲しくなるくらい辛いです。
また、手のかさかさ感。全く湿気が無くなり、つるつるしたペンなどは滑って持てなくなります。
その他、むくみ・手足の温熱感・不眠・情緒不安定・倦怠感・指先の痺れ感 等々

それより、サル自体の自覚症状よりプレドニン減量時の副作用(身体のステロイド要求)の方が何倍も辛かった。

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診断基準は?
診断は専門医であれば比較的容易に出来ます。
サルコイドーシスの診断基準による。眼サルコイドーシス及び心サルコイ ドーシスについては各々診断の手引きがあります。
(別表:ココをクリックするとサルコイドーシスの診断基準などの説明が見られます
管理人の場合はかなり特殊だったようで、専門医でもなかなか確定診断には至りませんでした。
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どんな検査をするの?
検査は発症部位によって異なります。(以下は管理人が受けた検査内容の一部です)
検査入院時はほぼこのメニュー全てが約1週間の入院で行われます。
●血液検査:
 普通の採血(ゴムバンドで腕を縛って静脈からの採血)のほか動脈血(血ガス)の採血もしました。
これ(動脈血採血)は結構職人技で、肘または手首の脈拍が感じ取れるところを指で探り、注射針を腕に垂直にブスリ!うまくいかない(血管に当たらない)と一旦針を抜いてまたぶすり<(・0・)>
管理人は1日最高で6回もやられました(これは完全に悲惨のひとことです)。腕から採れない場合は太股から採る場合もあるそうです。
針を刺すときが痛い!動脈のすぐ側に神経が併走しているため医者が失敗してそこに針を刺すと(触れただけでも)痺れる痛さが!!!これは強烈!。
また止血に失敗すると動脈のため大きな青タンができます。
採取した血液からいろいろな検査(ACE,SPD,KL-6,IL-2R,SPA,ガス交換値その他)をしていました。
●X線撮影: (管理人の生写真を「治療方法は?」に載せています)
胸部の直接撮影正面からと側面(管理人の場合は右側面が多い)の撮影をしています。10分くらいで現像が終わります。
同じX線でもCT(コンピュータ断層撮影Computerized Tomography)検査もあります。
管理人の場合はHRCT(High Rizorution Computerized Tomography)と呼ばれる通常のCTより解像度の高いCT検査をされています(スライスは5mm)
寝ていればいいので楽な検査の一つ、痛みは全くなし
血管造影をする場合は結構痛みがあるそうです(管理人は血管造影剤を使用しての検査はしたことがありません)
CTは体の横(水平)方向の輪切り映像が撮れますが、体を縦割り(垂直)にする断層撮影装置もあります。
●ガリウムシンチ(RI)検査:
 ラジオアイソトープ(RI)検査とも言い、ガリウム67(67Ga)という放射性同位元素を注射して48時間後に患部に集積した放射線量を測定します。
放射性同位元素が活動している患部に集まりやすいという性質を利用した検査です。
検査自体は全くの無痛です(検査機に中に30〜40分動かずにじっと寝ているだけです)が、動けないので検査が終わった後は体中がこってしまいます。
放射性同位元素を注射の時はやっぱり痛い 。
Gaシンチ検査の映像は下をクリックしてください。
Ga映像1 Ga映像2
黒いところがGaが集積している場所で、管理人の場合はサルは集積しませんでした(現在サルは活動休止中?)
サルの場合は肺門リンパ節(咽の下あたり)や肺野にGaが集積する場合が多いそうです。
眼球・肝臓・睾丸・腸内の便に集積するのは問題ないそうです。
「ガンマカメラ検査」という医療機関もあるそうです。
●唾液腺検査:
ガーゼを口に含んで一定時間それを噛み、唾液の分泌量を計測(1mg単位で計測されました)。
ガーゼは無味無臭(当然!)なため何か気持ち悪い(味が付いていると良いのにねぇ)
●内視鏡(気管支鏡)検査:
気管支鏡という直径5mm位のファイバースコープを口から挿入して気管支(肺)の内部を映像として検査する方法。
生理食塩水を肺に注入/採取して細胞を洗い出す肺洗浄(BAL)と 気管支鏡の中に鉗子を入れ肺の組織を直接採取する肺生検(TBLB)の2種類が一般的
検査前に咽の麻酔をするがこれは結構辛い、泪ぼろぼろ唾液だらだら嗚咽げろげろおまけに注射は筋肉注射のため痛い!!
管理人の行っている病院ではBALは外来でも受診可能だが、TBLBはショックを起こす可能性があるため必ず入院検査とのことでした。
またリラックスするために精神安定剤(実は麻薬)を注射されるので自家用車を運転しての通院検査はしないほうがモアベター。
●呼吸(肺)機能検査:
肺の全般的な機能検査。肺活量から肺の拡張/収縮力検査、酸素吸収量検査まで数種類の検査。
痛みは全くないが検査技師の指示タイミングに合わせて息を吐いたり吸ったり……これが結構大変。
おまけに鼻はクリップで塞がれているので口からの呼吸となり、唾がたくさん出てこれもちょい大変。
●心電図:
プローブ(検知器)を胸や手足に付け心電図の計測。痛くはないがプローブが冷たい!
管理人の心臓は検査の度に右転したり左転したり落ち着きがありません。
●超音波検査:
潤滑ゼリーをおなかに塗って超音波(エコー)による内臓の検査。妊婦さんなら経験あり。痛くはないけどくすぐったい!
●眼底検査:
瞳孔を広げる薬を点眼してから暗い部屋で目玉の中を覗かれます。痛くはないけどしばらくは眩しい!
●涙腺検査:
瞼と眼球の間に濾紙みたいな小さな紙切れを挿して泪の量を量る検査、結構ごろごろしてやな感じ。
●皮膚生検:(皮膚サルを持っている人のみです)
読んで字の通り患部(皮膚)の組織を切り取り顕微鏡検査。麻酔はするけどやっぱり切られるので痛い!
普通は皮膚科の診察台の上で局部麻酔の上で即切除だそうです(お〜こわ)
皮膚科の先生は概して(何故か)ノリが軽く、ほいほい切られそうに感じてしまいました(管理人の病院に限らずです)
管理人の場合は下段の開胸肺生検
と一緒に全身麻酔時に切除して貰ったため切除の詳細は夢の中(切除したのは外科医です)
●開胸肺生検:(これも普通はやりません)
読んで字の通り外科的手法により患部(肺)の組織を切り取り顕微鏡検査。
手術室に入り全身麻酔で内容は手術そのもの、管理人の術式は胸腔鏡に依る肺の部分切除(胸腔鏡下肺切除術)・生検。
例のJ病院のような未熟な医師団ではなかったため、手術自体は約3時間、準備・回復時間を含めても約7時間で終了……よかった。
手術後も胸にドレインのチューブが約1週間挿入されたままだったので、その間は痛く不自由な生活でした。

管理人の肺は肺胞と胸腔との癒着がひどく、もう少し遅かったら本当の開胸手術になっていたと執刀医から後で聞かされまたびっくり。
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治療方法は?お薬は?

この病気は約70%は症状の有無に係わらず経過観察されています。
治療の適応は難しい問題ですが、治療は症状の出現が毎日の快適な生活を障害するか、放置すると生命の危険が推測される時に行われます。
一般には許されるかぎり3〜6カ月は細心の注意を払い経過観察し治療適応を決めます。
治療の第一選択薬はステロイドホルモン(プレドニン・メドロール等)投与です。
治療法は臓器の種類と重症度によって投与方法、量、期間、中止の目安などが異なります。
また再発症例、難治化症例などでは免疫抑制剤(ステロイド製剤より有効という意見もあります)なども使用されます。
心病変(特に完全房室ブロック)に対してはステロイド治療と共にペースメーカー装着が必要な症例もあります。
主治医からは『サルコイドーシスは10万人に1人位の発病率です。またそのうち10人に1人位が治療の対象になります』と分かり易く説明されました。
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治療はプレドニンに代表される経口ステロイド薬服用が一般的で最初に大容量(30〜40mg/Day)より始め増悪が起きるまで段階的に徐々に減少させ、
増悪が起きたところで少し増やして維持する、というのが一般的でした。
ところが昨今治療方針が見直され、
増悪が起きるまで無理して減量せずにある一定のレベルまで来たらそのままその量を継続させ半年〜1年先で投薬量を見直した方がよい結果が出ると言う報告があるそうです。

管理人のステロイド治療経歴は、開始直後(2001/12)に1000mg/dayのパルス療法を3日間行い、その後40mg/dayより経口投与を開始。
4週間を1サイクルとして徐々に減量し約1年後の2003/02月時点で5mg/day(実際には10mg隔日服用)迄減量したところで一旦停止(薬量維持)となり、
約半年間の経過観察(検査は4週毎にあったが)になった。
ところが、 レントゲン検査の映像で肺野の陰影が徐々に増加し、2003/08月に試験的に3.75mg/dayに減量したとたんに陰影が急激に増加し、
『増悪』したとの主治医の判断によりステロイドの増量となった。
その後また徐々に減量していったのだが2003/12月頃から左耳が突発性難聴になり一時的にステロイド増量(最大30mg/Dayから始まり1週間で元の量に減量)、
突発性難聴完治後ステロイドを減量していったものの肺野陰影が再び増加し再度の増悪(ステロイド量急変のためのリバウンド)と判断され、
2004/7月からステロイド増量と共に免疫抑制剤(要するに抗癌剤)の処方が始まってしまった(涙)
ところが、免疫抑制剤(エンドキサン)の副作用が強く約1ヶ月で処方中止。 かわりに同じ免疫抑制剤だがT細胞活性阻害剤(臓器移植時の拒絶反応抑制剤)の服用に変わった。

☆管理人のデータ☆

<発症部位>
両肺、皮膚(左膝)
肺のCT映像(2002.03撮影 肺のCT映像(2004.12撮影 肺のX線映像(2002.08撮影
(比較対象に健常人の写真があると良いのですが、無いためこのページを見ているご自身の映像と比較してみてください)

<検査数値>
管理人のACE,KL-6およびIL-2Rの推移を表にしました。

管理人のサルコイドーシスはACEが上がりにくいタイプだそうである。

検査項目/年月

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10

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11

03/
12

ACE

10.3 10.0 10.1

11.0

10.2

17.8

16.9

18.1

13.4

18.7

19.2

17.7

16.1

17.9

16.0

19.9

23.3

23.3

17.6

20.3

17.4

23.6

18.2

16.9

KL-6

676 495 546 506

566

568

581

584

508

600

542

608

552

507

471

515

548

548

678

551

526

652

609

596

IL-2R

372 NC 411 NC

NC

454

465

576

NC

NC

418

424

419

332

371

NC

NC

NC

NC

NC

462

505

381

284

検査項目/年月

04/
01

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02
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05
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06
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05/
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10
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11
05/
12

ACE

16.7

19.0 18.8 17.7 18.7 19.9 17.9 16.6 19.9 21.4 18.9 17.3 17.2 17.3 17.5 18.0 17.2 18.6 21.6 21.5 16.1 17.3 17.3 18.4

KL-6

472

556 604 669 609 567 630 760 741 670 638 575 566 519 554 564 589 646 642 693 623 596 566 623

IL-2R

341

507 438 370 402 414 556 495 441 368 352 333 383 354 334 315 401 403 421

385

350 389 380 321
検査項目/年月

06/
01

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10
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11
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12

ACE

20.5

16.7

13.4
14.5
15.7 
19.2 
17.1 
 12.5
 14.4
 15.2
16.8 
16.7 
17.9 
 17.6
17.0 
16.0 
16.6 
17.6 
19.5 
17.2 
19.4 
16.4 
15.8 
16.2 

KL-6

599

597

465
464
519
 622
595
 426
519
529 
530 
550 
524 
547 
542 
584 
545 
525 
602 
431 
569 
486 
520
422 

IL-2R

390

412

292
284
359 
 362
357
 357
510
420 
314 
553 
451 
360 
376 
354 
402 
448 
456
427 
436 
289
368 
327 
検査項目/年月

08/
01

08/
02
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01
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09/
12
ACE 16.2 15.7 13.7 15.2 15.4 14.7                                    
KL-6 422 431

432

463 437 411                                    
IL-2R 327 292 351 377 237 366                                    

基準値(ACE:31以下KL-6:500u/ml以下IL-2R:300〜400u/ml)  赤数字:基準値超過 NC:未検査

ACE(Angiotensin Converting Enzyme):アンギオテンシン転換酵素
ACEは生理的には,肺の血管内皮細胞によって産生・放出される血圧調節に関与している酵素である。アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換するとともに,ブラジキニンを不活性化する。しかし,ACE値と血圧との間に関連性はない。血中ACE活性の病態生理学的意義については不明な点が多いが,種々の呼吸器疾患,肝,腎,甲状腺疾患,糖尿病などで変動することが知られる。ACE活性の測定は,主にサルコイドーシスの補助診断や治療効果の判定に用いられている。
基準範囲 血清: 31 IU/l/37℃ 未満

KL−6:血清中シアル化糖鎖抗原
 KL-6は、1985年に河野らが発見した糖蛋白抗原である。彼らが作成したモノクロナール抗体が認識するKL-6は分子量100万以上の巨大分子であり、肺細胞抗原クラスター分類で、クラスター9に分類されているMCU-1に属するムチンである。KL-6はII型肺細胞上皮、呼吸細気管支上皮細胞、気管支腺漿液細胞などに発現しており、特に間質性肺炎では増生したII型肺上皮細胞に強く発現しさらに血中でも高値を示すことが報告されている。肺外臓器の良性疾患では血清値でほとんど上昇せず、当初は血清腫瘍マーカーとして研究されていた。現在で、間質性肺炎の活動性の指標としてまたは線維化の過程に関与する物質として注目されている。またステロイドにより病態が落ち着くにつれて下がってくるので、治療で予後を判定する1つの指標となる。
基準値:  500 U/ml 未満

IL−2R(InterLeukin-2Receptor):インターロイキン2受容体
 インターロイキン-2レセプター(IL-2R)は、分子量70kdのp70(β鎖)と分子量55kdのTac抗原(α鎖)と呼ばれている2種類のサブユニットからなる蛋白である。前者が休止期のリンパ球にも発現しているのに対して後者はリンパ球活性化の後に初めて見出されるため、生体の免疫機構活性化の指標とすることができる。近年、リンパ球活性化状態においてTac抗原が末梢血中に可溶性の形でも存在することが明らかになり、可溶性IL-2R(sIL-2R)と名付けられている。sIL-2RはIL-2との結合性を保持することから、生体の免疫調節にも関与していると推定される。血中sIL-2R値は造血器悪性腫瘍、レトロウイルス感染症、リウマチ・膠原病など、免疫系のさまざまな病的状態で上昇しており、病勢を反映する指標として有用と思われる。血中に遊離される可溶性IL-2レセプターの量は、T細胞の活性化の消長を示す指標となることが知られている。成人ヒト白血病や川崎病、リウマチやSLEなどの自己免疫疾患において活動性を示すマーカーとなることが報告されており、幅広い疾患領域での有用性が期待されている。
基準値: 300〜400 U/ml
注)基準値は検査方法によっても変動するそうなのであくまでも参考値とし、各自主治医に基準範囲値を再確認してください。


<お薬は>

(処方例)2007年7月現在の管理人の処方箋

<内科>プレドニン量の推移は下表を参照してください
薬剤名
一般名・剤名

用法・用量

薬の簡単な説明

プレドニン5mg        プレドニゾロン錠
〈副腎皮質ホルモン製剤〉
1回4錠2日に1回 
言わずとしれたステロイド 〈副腎皮質ホルモン製剤〉。悪魔の薬とか女神の薬とか言われる。
小さな割には苦い! そのかわり良く効く。
ネオーラルカプセル25mg シクロスポリンカプセル
〈T細胞活性阻害剤〉
1回1Cap1日2回
内臓移植時の拒絶反応防止剤。サル一般の繊維化症状の改善に効果があると言われ出した。
独特の臭みがあるし大きいので飲みづらい。
アルファロールカプセル0.25μg アルファカルシドールカプセル
〈活性型ビタミンD3製剤〉
1回1Cap1日1回
ビタミンD不足による骨代謝改善薬。カルシウムの吸収を促進し骨を丈夫にする薬。
ガスターD錠10mg ファモチジン錠
〈H2受容体拮抗剤〉
1回1錠1日2回
胃粘膜壁細胞のヒスタミンH2受容体に拮抗することにより胃酸分泌を抑制する薬。潰瘍治療薬。
舌の上で簡単に溶けてしまう。ソーダ味。
アモバン錠7.5mg ゾピクロン錠
〈睡眠障害改善剤〉
1回1錠1日1回

要するに睡眠剤。他の薬の副作用による不眠を和らげる薬。
睡眠薬は苦いと言われるが、苦くない。即効性。

ユベラN100mg ニコチン酸トコフェロールカプセル
〈ビタミンE製剤〉
1回1Cap1日3回

末梢血管の血行を促進し手足のしびれを改善する薬。

パルミコート200タービュヘイラー ブデソニド吸入剤
〈副腎皮質ホルモン吸入剤〉
1回2パフ1日2吸入
ドライパウダー吸入式ステロイド薬で局所的に作用する薬、本来は気管支喘息治療薬。
全く無味無臭、本当に吸入できているのか不安な位。

プレドニン(内服副腎皮質ホルモン剤)の服用量推移(1日当たり(mg/日)隔:1日おきの服用)
年/月
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11

03/
12

服用量
40
35
30
25
20
20
17.5
15
12.5
10
7.5
6.25
6.25
5隔
5隔
5隔
5隔
5隔
5隔
3.75

10

10
8.75
8.75
年/月
04/
01

04/
02

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05/
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10
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12
服用量
8.75
隔※
8.75

8.75

7.5

7.5

10

15

15

12.5

10

10

8.75

8.75

8.75

7.5

7.5

7.5

7.5

7.5

10

10

10

10

10

年/月

06/
01

06/
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服用量
10

10

10

10

10
10
10
10
10
10
10
10
10
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10
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年/月

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服用量
10

10

10

10

10
10
10
                                 
03/06頃より肺野の異常陰影が徐々に増加を始め03/08の減量後に急速に増悪、その結果03/09にプレドニンの増量となった。
隔日投与:1日置きに服用する方法。この方が胃を始め身体各部への負担が少ないそうです。
※:突発性難聴治療のため04/01中9日間は30mg/Day3日,20mg/Day3日,17.5mg/Day3日の一時的増量有り。
04/04頃より肺野の異常陰影が再び増悪、その結果04/06,07とプレドニンの再増量となった。
その後徐々に減量するも05/07頃に再々増悪、05/08よりプレドニンの再々増量となったあとはこの量が生涯維持量との主治医の判断により増減無し。
 
<皮膚科>
生検切除後再発せず消失。皮膚科からの処方は特にありません  
 
**この他、咳がひどいときはリン酸コデイン100倍散が出ます。
  ちなみに気になる症状が出たときにはすぐ主治医に相談し、その都度必要な薬の処方をしてもらっています。

**新しく処方された薬については主治医・薬剤師からの説明のみでなく、必ず自分でも添付書類情報やインターネットにより情報を得るようにしています。

<管理人が薬の情報を得るために、いつも利用するHPの案内>
おくすり110番(分かり易くおすすめ!)
    医薬品医療機器情報提供ホームページ (ちょっとムズいですが専門的なことが書いてあります)

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患者さんはどんな事に気を付けたらいいの?
発症部位や症状の程度に依りますが、胸部(肺)に疾患を持っている患者がおおいため風邪などの呼吸器疾患に気を配る必要があります。
また、ステロイド製剤を服用している場合は副作用の1つとして止血効果が薄れるため外傷には注意が必要です。
(注:治療は個人個人で差があるので、必ず現在の自分の状況を医師と相談し適切な指示を仰ぐようにします)

また、インフルエンザの予防接種にしても受ける時は主治医とよく相談してから受けて下さい。

☆管理人の場合
疲労、寝不足、怒る、心配事がある、悩みがある、(仕事等で)プレッシャーがかかる、食べてない、暑い、寒い、低気圧が来ている、身体に傷をつける
特に精神的なプレッシャーには弱いです(^ ^;;
(これらの事はあくまで個人例としてあげてみたものです。全ての患者さんに当てはまることではありません)
外傷については、管理人の例で点滴のトンボ(点滴針)を抜いただけで腕に10cm*5cm位のでっかいアオタンを作ってしまいました(ついでに針を抜いた研修医の顔も真っ青でした)

また、ステロイドは減量時に結構強い副作用(ステロイドホルモン要求作用)が出るようです。
身体が現在のステロイド量に慣れてしまい、減量すると不足した分のステロイドホルモンを要求するためいろいろな症状が出ます。
管理人では減量時に決まって倦怠感・手足の痺れ・むくみ・温熱感・情緒不安定・口渇感等が出ます。
(これが1ヶ月くらいは続くので結構来ます)

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ところで「特定疾患(難病)」ってナニ?
サルコイドーシスは、特定疾患(難病)の1つです
厚生労働省の「特定疾患治療研究事業対象疾患」にも指定されています。

特定疾患(難病)とは一般に不治の病ととらえられることが多く、その時代時代の医療水準や社会事情によって変化するものですが
現在の特定疾患(難病)の定義が確立したのは昭和47年の「難病対策要綱」によってです。
これによると、国が難病対策として取り上げるべき疾病の範囲は、以下の2つの点に整理されています。

1)原因不明もしくは治療法が未確立であり、後遺症を残す恐れが少なくないような疾病
  例:ベーチェット病、重症筋無力症、再生不良性貧血、悪性関節リウマチ

2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために
家庭の負担が重く、精神的にも負担の大きい疾病
  例:小児がん、小児慢性腎炎、ネフローゼ、小児喘息、進行性筋ジストロフィー、腎不全(人工透析対象者)

難治性疾患克服研究事業(特定疾患調査研究分野)対象疾患一覧表は→こちら

サルコイドーシスは難病患者及び家族の療養生活にかかる経済的負担の軽減を図るために行われている特定疾患治療研究事業の対象疾病です。
これは稀少で、原因不明、治療方法未確立であり、かつ、生活面への長期にわたる支障がある疾病として調査研究を進めている疾患のうち、
診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く患者数が比較的少ないため、
公費負担の形を取らないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患が対象です。
平成13年5月現在対象となっている疾病は46疾患あり、特定疾患対策懇談会の意見をもとに決定されています。


特定疾患治療研究事業による医療費の患者一部負担の概要

特定疾患治療研究事業に難病医療費の公費負担制度については、平成15年10月1日から取り扱いが変更されています。

1)都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けている次の方には、 従来どおり全額公費負担が継続されるとともに、
新たに低所得者(市町村民税非課税)の方が新たに全額公費負担となります。
 (1)難病のために日常生活に著しい支障のある重症患者
 (2)スモン、プリオン病、難治性の肝炎のうち劇症肝炎、重症急性膵炎の患者

2)都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けている方で、上記1)に該当する患者以外の方は、
各医療保険又は老人保健の患者負担の一部について、医療機関窓口において自己負担が必要です。

自 己 負 担 限 度 額 表(平成15年10月1日施行)
階 層 区 分
対象者別の一部自己負担の月額限度額(単位:円)
入院
外来等
生計中心者が患者本人の場合
生計中心者の市町村民税が非課税の場合
生計中心者の前年の所得税が非課税の場合
4,500
2,250
     対象者が生計中心者であるときは、左欄により算出した額の1/2に該当する額をもって自己負担額とする。
生計中心者の前年の所得税課税年額が
10,000円以下の場合
6,900
3,450
生計中心者の前年の所得税課税年額が
10,001円以上30,000円以下の場合
8,500
4,250
生計中心者の前年の所得税課税年額が
30,001円以上80,000円以下の場合
11,000
5,500
生計中心者の前年の所得税課税年額が
80,001円以上140,000円以下の場合
18,700
9,350
生計中心者の前年の所得税課税年額が
140,001円以上の場合
23,100
11,550

この金額は1医療機関につき生じる自己負担限度額で、訪問看護・院外処方による調剤薬局での薬剤費については一部負担は生じません。
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**間違った箇所や古い情報などがありましたらお知らせください**


この項の参考資料:厚生労働省保健医療局疾病対策課 難病情報センター
日本サルコイドーシス /肉芽腫性疾患学会


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