サルコイドーシスって?
患者さんの数は?
どのような人に多い病気?
原因は?
遺伝するの?
どんな自覚症状?
診断基準は?
どんな検査をするの?
治療方法は?お薬は?
患者さんはどんな事に気を付けたらいいの?
男女比はほぼ同じかやや女性に多い傾向にあり、1991年の調査では男性900人に対し女性は1,500人でした
発生年令は、男性では20才代にピークを示します。 とくに眼病変は男性に多く、したがって失明も男性に多くみられます。 女性では20才代と50〜60才代に二峰性のピークを示しますが、高年齢層のピークが著明です。 |
この病気は遺伝する病気ではありません。
しかし地域差、人種差、家族内発生、難昜度などの差が報告されています。 この事は色々の病気と同様に罹りにくい人と、罹り易い人、また、治りにくい人と、治り易い人と云うような体質(感受性)の遺伝子があるためと考えられています。 現在その点についてもHLA遺伝子の研究が進んでいますが、いまだ明確に解析されてはおりません。 |
診断は専門医であれば比較的容易に出来ます。
サルコイドーシスの診断基準による。眼サルコイドーシス及び心サルコイ ドーシスについては各々診断の手引きがあります。 (別表:ココをクリックするとサルコイドーシスの診断基準などの説明が見られます) 管理人の場合はかなり特殊だったようで、専門医でもなかなか確定診断には至りませんでした。 |
検査は発症部位によって異なります。(以下は管理人が受けた検査内容の一部です) 検査入院時はほぼこのメニュー全てが約1週間の入院で行われます。 |
●血液検査:
普通の採血(ゴムバンドで腕を縛って静脈からの採血)のほか動脈血(血ガス)の採血もしました。 これ(動脈血採血)は結構職人技で、肘または手首の脈拍が感じ取れるところを指で探り、注射針を腕に垂直にブスリ!うまくいかない(血管に当たらない)と一旦針を抜いてまたぶすり<(・0・)> 管理人は1日最高で6回もやられました(これは完全に悲惨のひとことです)。腕から採れない場合は太股から採る場合もあるそうです。 針を刺すときが痛い!動脈のすぐ側に神経が併走しているため医者が失敗してそこに針を刺すと(触れただけでも)痺れる痛さが!!!これは強烈!。 また止血に失敗すると動脈のため大きな青タンができます。 採取した血液からいろいろな検査(ACE,SPD,KL-6,IL-2R,SPA,ガス交換値その他)をしていました。 |
●X線撮影:
(管理人の生写真を「治療方法は?」に載せています) 胸部の直接撮影正面からと側面(管理人の場合は右側面が多い)の撮影をしています。10分くらいで現像が終わります。 同じX線でもCT(コンピュータ断層撮影Computerized Tomography)検査もあります。 管理人の場合はHRCT(High Rizorution Computerized Tomography)と呼ばれる通常のCTより解像度の高いCT検査をされています(スライスは5mm) 寝ていればいいので楽な検査の一つ、痛みは全くなし 血管造影をする場合は結構痛みがあるそうです(管理人は血管造影剤を使用しての検査はしたことがありません) CTは体の横(水平)方向の輪切り映像が撮れますが、体を縦割り(垂直)にする断層撮影装置もあります。 |
●ガリウムシンチ(RI)検査:
ラジオアイソトープ(RI)検査とも言い、ガリウム67(67Ga)という放射性同位元素を注射して48時間後に患部に集積した放射線量を測定します。 放射性同位元素が活動している患部に集まりやすいという性質を利用した検査です。 検査自体は全くの無痛です(検査機に中に30〜40分動かずにじっと寝ているだけです)が、動けないので検査が終わった後は体中がこってしまいます。 放射性同位元素を注射の時はやっぱり痛い 。 Gaシンチ検査の映像は下をクリックしてください。 Ga映像1 Ga映像2 黒いところがGaが集積している場所で、管理人の場合はサルは集積しませんでした(現在サルは活動休止中?) サルの場合は肺門リンパ節(咽の下あたり)や肺野にGaが集積する場合が多いそうです。 眼球・肝臓・睾丸・腸内の便に集積するのは問題ないそうです。 「ガンマカメラ検査」という医療機関もあるそうです。 |
●唾液腺検査:
ガーゼを口に含んで一定時間それを噛み、唾液の分泌量を計測(1mg単位で計測されました)。 ガーゼは無味無臭(当然!)なため何か気持ち悪い(味が付いていると良いのにねぇ) |
●内視鏡(気管支鏡)検査:
気管支鏡という直径5mm位のファイバースコープを口から挿入して気管支(肺)の内部を映像として検査する方法。 生理食塩水を肺に注入/採取して細胞を洗い出す肺洗浄(BAL)と 気管支鏡の中に鉗子を入れ肺の組織を直接採取する肺生検(TBLB)の2種類が一般的 検査前に咽の麻酔をするがこれは結構辛い、泪ぼろぼろ唾液だらだら嗚咽げろげろおまけに注射は筋肉注射のため痛い!! 管理人の行っている病院ではBALは外来でも受診可能だが、TBLBはショックを起こす可能性があるため必ず入院検査とのことでした。 またリラックスするために精神安定剤(実は麻薬)を注射されるので自家用車を運転しての通院検査はしないほうがモアベター。 |
●呼吸(肺)機能検査:
肺の全般的な機能検査。肺活量から肺の拡張/収縮力検査、酸素吸収量検査まで数種類の検査。 痛みは全くないが検査技師の指示タイミングに合わせて息を吐いたり吸ったり……これが結構大変。 おまけに鼻はクリップで塞がれているので口からの呼吸となり、唾がたくさん出てこれもちょい大変。 |
●心電図:
プローブ(検知器)を胸や手足に付け心電図の計測。痛くはないがプローブが冷たい! 管理人の心臓は検査の度に右転したり左転したり落ち着きがありません。 |
●超音波検査:
潤滑ゼリーをおなかに塗って超音波(エコー)による内臓の検査。妊婦さんなら経験あり。痛くはないけどくすぐったい! |
●眼底検査:
瞳孔を広げる薬を点眼してから暗い部屋で目玉の中を覗かれます。痛くはないけどしばらくは眩しい! |
●涙腺検査:
瞼と眼球の間に濾紙みたいな小さな紙切れを挿して泪の量を量る検査、結構ごろごろしてやな感じ。 |
●皮膚生検:(皮膚サルを持っている人のみです) 読んで字の通り患部(皮膚)の組織を切り取り顕微鏡検査。麻酔はするけどやっぱり切られるので痛い! 普通は皮膚科の診察台の上で局部麻酔の上で即切除だそうです(お〜こわ) 皮膚科の先生は概して(何故か)ノリが軽く、ほいほい切られそうに感じてしまいました(管理人の病院に限らずです) 管理人の場合は下段の開胸肺生検と一緒に全身麻酔時に切除して貰ったため切除の詳細は夢の中(切除したのは外科医です) |
●開胸肺生検:(これも普通はやりません) 読んで字の通り外科的手法により患部(肺)の組織を切り取り顕微鏡検査。 手術室に入り全身麻酔で内容は手術そのもの、管理人の術式は胸腔鏡に依る肺の部分切除(胸腔鏡下肺切除術)・生検。 例のJ病院のような未熟な医師団ではなかったため、手術自体は約3時間、準備・回復時間を含めても約7時間で終了……よかった。 手術後も胸にドレインのチューブが約1週間挿入されたままだったので、その間は痛く不自由な生活でした。 管理人の肺は肺胞と胸腔との癒着がひどく、もう少し遅かったら本当の開胸手術になっていたと執刀医から後で聞かされまたびっくり。 |
この病気は約70%は症状の有無に係わらず経過観察されています。
☆管理人のデータ☆
基準値(ACE:31以下、KL-6:500u/ml以下、IL-2R:300〜400u/ml) 赤数字:基準値超過 NC:未検査 ACE(Angiotensin Converting Enzyme):アンギオテンシン転換酵素
プレドニン(内服副腎皮質ホルモン剤)の服用量推移(1日当たり(mg/日)隔:1日おきの服用)
隔日投与:1日置きに服用する方法。この方が胃を始め身体各部への負担が少ないそうです。 ※:突発性難聴治療のため04/01中9日間は30mg/Day3日,20mg/Day3日,17.5mg/Day3日の一時的増量有り。 04/04頃より肺野の異常陰影が再び増悪、その結果04/06,07とプレドニンの再増量となった。 その後徐々に減量するも05/07頃に再々増悪、05/08よりプレドニンの再々増量となったあとはこの量が生涯維持量との主治医の判断により増減無し。
**この他、咳がひどいときはリン酸コデイン100倍散が出ます。 ちなみに気になる症状が出たときにはすぐ主治医に相談し、その都度必要な薬の処方をしてもらっています。 **新しく処方された薬については主治医・薬剤師からの説明のみでなく、必ず自分でも添付書類情報やインターネットにより情報を得るようにしています。 <管理人が薬の情報を得るために、いつも利用するHPの案内>
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サルコイドーシスは、特定疾患(難病)の1つです
厚生労働省の「特定疾患治療研究事業対象疾患」にも指定されています。 特定疾患(難病)とは一般に不治の病ととらえられることが多く、その時代時代の医療水準や社会事情によって変化するものですが
1)原因不明もしくは治療法が未確立であり、後遺症を残す恐れが少なくないような疾病
2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために サルコイドーシスは難病患者及び家族の療養生活にかかる経済的負担の軽減を図るために行われている特定疾患治療研究事業の対象疾病です。
1)都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けている次の方には、
従来どおり全額公費負担が継続されるとともに、 2)都道府県から特定疾患医療受給者証の交付を受けている方で、上記1)に該当する患者以外の方は、
この金額は1医療機関につき生じる自己負担限度額で、訪問看護・院外処方による調剤薬局での薬剤費については一部負担は生じません。 |
**間違った箇所や古い情報などがありましたらお知らせください**
この項の参考資料:厚生労働省保健医療局疾病対策課
難病情報センター
日本サルコイドーシス /肉芽腫性疾患学会