エッセイ / 小人かな

こういうファンタジーエッセイ(?)、昔はたくさん書いてたなー。

夏休み中にさっぱり手をつけていなかったのが悪いんですが、ここ一週間ほどレポートラッシュ。
だいたい夏休みは休むためにあるんだから、課題を出すなんてナンセンスだよなあ、つーかうちもセメスター制とれば夏休みの課題なんてなくなるのに、などと無駄な愚痴をこぼしながらも、日ぐらしパソコンにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、それはレポートじゃなくエッセイに過ぎないわけです。落第点確定。

それらしいことを書く論説文ってのはそこそこ得意なんですが、なにぶん課題図書の内容があまり飲み込めてない有り様。そして今日は提出日前日。パソコン隅の時計に目が行く…3、2、1、おめでとう提出日当日突入〜!

いかん、真面目にやらんと。

新しくなった辛口ファイアレギュラーを飲みながら、ひたすらにキーボードを叩きつづける。
逆説「しかし」は「だがしかし」の方が字数が稼げるよとか、例示は箇条書きにすると行数も稼げるよとか、そんな姑息な手段が脳裏をよぎる。そんなことしなくても、書こうと思えば2000字くらいならすぐ書けるんですけどね。

普段なら。

ダメでした。限界です。窓から見える空がほんのり紺色。あ、あ、夜が明ける。
提出は3限だから11時半に家を出るとしてああそうすると今少し眠って9時頃起きれば間に合うかもしれないいやでも今までそう都合よく起きれたためしなんてないんだから絶対無理だからそれはやめないとグウ。(結局寝てる)


すると、どこに潜んでいたのか、パソコン回りからひょこひょこと顔を出す姿があります。
手のひらに隠れてしまうくらいの、人形のようなかたちをした。

「寝ちゃったよ」
「寝ちゃったね」
「いつもどーりだ」
「どーりどーり」

つまり、小人たちです。どうやらあまりのふがいなさに出てきた様子。

「どうする」
「どうしよう」
「僕らが書こう」
「そうしよう」

すると彼ら(彼女ら?)は、キーボードの周りにわらわら集まって、レポートの続きを書き始めたではありませんか。
童話の靴屋ではありませんが、昔から良い行いをしてる人のところには、きっといいことが起こるのです。よかったですね。何かしたっけとか言うな。

一人はキーボードの左のほうを。一人はまん中を。一人は右のほうを。そして一人はエンターキーを。
小さいながら、両手で一生懸命にキーを押さえつけて、レポートを書いていくのでした。


さて、目が覚めまして、パソコンをつけてレポートのファイルを開いて見ますと、なんとそこには途中までしか書けなかったはずのレポートに、続きが書かれているではないですか!


「中国文学における気のとらえかたは66gh0:wxys6lkそ5tqt@w@g。る0あ」


小人はかな入力しか知らなかったみたいです。


あと、あいつら目覚まし止めていきやがった。(11時起床)

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