エッセイ / バレンタイントーク

かるーくゆるーく書きました。ラブコメ企画「一語100%」参加作品。

「ねー」
「なんだよ」
「私は常日頃思うんだけどね」
「なんか仰々しいな」
「ホワイトデーってあるでしょう」
「いやその前に今日はバレンタインなわけなんだが」
「男の子が女の子におかえしする日じゃない」
「無視かよ」
「昔はおかえしはキャンディーかマシュマロかなんて言われてたでしょ」
「そうなあ」
「でも今はずいぶんおかえしも変わってきて、それこそ男の子がチョコでかえしてもおかしくない時代なわけじゃない」
「あー。まーなあ」
「そういうチョコをね。一年間取っておいてね」
「うん?」
「来年に使いまわす、と」
「お歳暮かよ」
「これなら効率いいじゃん?バレンタインに合わせてチョコレート用意するのって、けっこうたいへんなんだよー」
「ふーん。そういうもんかねえ」
「ってわけでそれを踏まえて、これバレンタインのチョコレートね」
踏まえるのかよ!?



けど彼女が帰ってから確認してみたらちゃんと俺の名前が書かれた手作りなわけで、渡されるときに彼女の手のバンドエイドにも気付いてるわけで、あれは結局照れ隠しってことか。そう思ったら素直に笑えてきた。やれやれ。
でも今年のおかえしは、その場で彼女に食べてもらうことにしよう。念のため。


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