ガーデニング

04’8’22
 私の住む羽村市では春と秋に、市を挙げての町内美化運動がある。今年の春はベコニアとマリーゴールドとサルビアの苗を植え付けた。 
 町内会や参加団体にに配布された苗をそれぞれ決められた場所や、プランターに植える。土に小さな穴を掘り、そこに黒いビニールに入ったポット苗を植え、化学肥料を撒いて終わりだ。町内会やPTAの役員を中心に大人も子供も一緒の作業である。秋には終わった花を抜いた後にチューリップの球根を植える。 
  美化運動は町内会毎のコンクールにもなっていて、優勝する町内会の花壇は、彩りを考えて綺麗に植え込まれているが、わが町内会には広い花壇を作れるスペースもなく、そこまでは行かない。 
 羽村はどこに行っても花のある街である。

千日紅
   近年はガーデニングを趣味とする人が多いようで、洒落た門や玄関口を花の鉢やプランターで飾っている家が多い。この場合のガーデニングとは、苗を買ってきての「寄せ植え」である。綺麗に植えれば完成だ。しかし、その美しさはせいぜい一週間もつかどうかではないのだろうか。植えた時点が最高の美しさなのだから、後は形が乱れてくるだけということになるのではないかと思う。乱れてくれば、また苗や土を買って植えなおす。
 「ガーデニング」はよく耳にするが、「園芸」という言葉をあまり聞かなくなった。 
 「ガーデニング」と「園芸」との違いは何か。「園芸」とは草花を育てることであり、「ガーデニング」は草花で庭などを飾ること、と私は考えている。つまり、苗を作るのは園芸、その苗を植え付けるのはガーデニング、というところだろうか。 

マリーゴールド
 我が家には今、千日紅とマリーゴールドが咲いている。去年種を買って咲かせた千日紅から秋に種を採り、今年の春蒔いたものと、散歩の途中、「捨てられていたマリーゴールド」から頂いてきた種を蒔いたものである。
 苗を作り、それをプランターにも植え、地植えにもしたが、去年は、赤、ピンク、白だった千日紅が、白を蒔かなかったとみえて、今年は赤とピンクだけになってしまった。捨ててしまえばそれまでだけれど、種を採り、蒔いてやれば草の命も続いていく。  
 毎日、じょろで水をやっているうちに可愛い芽が覗いてきたときは嬉しいものだ。少し大きくなった苗を、落ち葉を積んで作った堆肥も入れて定植した後は、目に見えて成長する。蕾ができ、色づき、やがて開花。切って花瓶にさしたり、仏様に上げたり・・・。 
 できた苗を買ってきて植えるだけよりも楽しめる期間が長く、喜びが大きいように思う。手をかけただけの結果は出るし、地道な努力が報われるという点でも、現代の生活に欠け勝ちなものが「園芸」にはあるような気がする。 
 苗を作る園芸農家の生活もかかっていることではあり、土のない家が多い都会の生活ではやむをえない面もあるけれど、播種から採種まで一貫して手を掛けるのは、捨て難い「楽しさ」である。

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