05’1’20「ハムちゃんの背中に何かできているよ」と娘が言う。確かにハムスターに「かさぶた状のもの」ができている。ジュクジュクしている様子はない。「様子を見たら」と言った。元気はいいし、食欲も旺盛だ。
娘がスーパーで見て、「可愛いから買って来ちゃった」と連れてきたのが一昨年の春。「これ以上大きくはならないって」というところを見ると、生まれたばかりではなかったのかもしれない。とすると、そろそろ2歳ということになる。我が家に来たときも腰に小さな「かさぶた」があって気になったのだが、それはじきに治ってしまった。1週間たって、娘がケージの掃除をしながら、「何だか大きくなったみたい。医者に診せなくて平気かな」と言う。確かに一回り大きくなった感じで、直径2センチくらいになっている。
確かに年をとったね・・・ ゴールデンハムスターという種類で、ハムスターとしては大型だが、「かさぶた」がやけに大きく見える。孫の飼っていたハムスターが「腫瘍」で死んだと、聞いていたので、いやな感じである。
内心、面倒だなと思いながら、「医者に連れて行くか」と言うと、「今行こう」と言う。雪という予報だったが、霙から雨に変わっていた。11時だから、すぐに行けば昼までに終わるなと考える。一番近い動物病院を、ネットで検索し、診療対象に「ハムスター」も入っていることを確認し、電話をかけて「これから伺う」旨伝えて出かけることにする。掃除のときに入れておく小さなかごに移す。「軍手も要るかな」と娘。「出してくださいって言われた時に要るでしょ」と私。飼いはじめてすぐ、記念撮影をしてあげるからと、娘に捕まえさせたらいきなり噛み付かれるという事件があった。ハムスターのアレルギーのことだけは聞いていたので、それ以来、素手では捕まえないで必ず軍手をはめるように言ってあった。
ハムちゃんも初めての「ドライブ」に落ち着かない様子だ。私も、「動物病院」なるところに初めて行った。犬を飼っていたころに「避妊手術」で入院させたことはあったが、そのときは息子が連れて行ったし、具合の悪いときには往診を頼んでいた。その先生には犬が良く吠え、「俺でも吠えたくなるよ」と息子が言ったりした、キンキン声の女の先生だったが、今度の先生は優しそうな男の方で、お嬢さんが助手を務めていた。
組織につながっていないので「腫瘍」ではない可能性もあるが、「皮膚がん」ということもないわけではないらしい。小さな傷を自分で引っかいてしまったとも考えられるがとの診断だった。ハムスターは「腫瘍」になりやすい動物だと知った。「どのくらい生きるものですか」と尋ねたら、「3年生きれば、よくがんばったねぇ、と言えますね」とのこと。2〜3年となると、ハムちゃんもそろそろ寿命だろうか。
一人前に「消毒薬”イソジン”」と「抗生物質の内服薬」を処方されて帰ってきた。治療費3465円也。娘には大きな出費だった。「健康保険が利かないから、高かったね」と言うと、「でも、良かった」と、気が済んだらしい。自分でできると言うのでやらせていたが、やはり、しっかり薬がぬれていないので、翌日からは私も手伝うことにした。5日たって、「かさぶた」の山がへこんで、少し小さくなったような気がした。
福祉作業所にお世話になっている娘の大事なペットである。これでうまく治ってくれればいいがと思っている。