ハムスター


03’6’13
 ハムスターが我家の一員になって一週間。通称ハムちゃん。「可愛かったから」と娘が買ってきた。来た日には移動用ケージの中でおとなしくしていた。翌日、早速購入した新居に落ち着いた。
 昼間は回転車の下の隙間に、敷き藁で丸くふかふかに作ったベッドに丸まってスース−気持ちよさそうに寝ている。そばで掃除機をかけたりするとうるさそうに薄目をあける。
時々起き出して餌を食べ、又ベッドへもぐりこむ。大あくびをするときに見える歯は鋭い。その歯でガリガリとケージの出っ張っているところをかじる。
 水飲みもかじるので立って届く高さに据えるといいということなので高めに据えた。飼いかたをインターネットで検索して得た知識である。えさ入れはひっくり返さないように「陶器の灰皿」を当てた。昔、十姉妹を飼ったときのえさ入れをとっておくべきだった。今は何でもプラスチック製なのが不都合極まりない。
 夜八時過ぎるとお目覚めだ。なにが面白いのか夢中で回転車を回し続ける。プラスチック製の車の音は意外に響くものだ。最初の晩はそれが耳についてすぐ目がさめ、「寝た気がしなかったよ」と言えば、「ごめんなさいねえ」と娘はすっかり「親の気持ち」らしい。
 一番邪魔にもならず、よさそうな場所というのが私の部屋の前の廊下だった。夜だけ置き場所を変えようかと言う話にも進んだが、それも面倒だし、下にマットを敷いて、様子を見ることにした。そのうちには私も慣れるだろう。
 後ろ足で立つと15センチあるかないかの大きさで、色は肌色がかった薄茶、耳の先が褐色で黒い目が愛らしい。前足で餌を持ってかじったり、長めの敷きわらをくわえて運び、ベッドを補修したり、目にもとまらぬすばやさで回転車を足で掻いて回したり、トクトク水を飲むのさえ可愛い。水に混ぜて与えると「におい消し」になる薬まであるのには驚いた。
 こんな小さな生き物が一匹増えただけで、なんとなく家の中が明るくなったのだから面白いものである。            

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