11’8’23
ホウ酸団子がゴキブリ退治に有効だとは知っていたし、作るつもりなら、「ネット検索」で、材料も作り方も簡単に調べることはできるとは思ったが、薬局に行ったりするのもちょっと面倒だったので、「行くだけ」で作れる婦人部の講習の方が、「世話がない」というのが私の本音だった。
材料は、ホウ酸と小麦粉だけかと思っていたが、ゴキブリの好物の玉ネギをすりおろしたり、砂糖も入れたりと、結構手をかける「ご馳走作り」だった。
よくこね、ペットボトルの蓋で型抜きをする几帳面な人もいれば、私のように、雑に丸めて、大きさもさまざまな人間もいて、それがまた面白かった。
平たい団子に作り、日に干して芯まで乾燥させると完成だ。 一人分の材料として用意されたもので、35〜60個作れるということだった。 私は42個作ったから、まぁ、標準的なところだとは思ったが、こんなに作ってどこへ置くのだろうかと考えてしまった。
じかに床に置くのはよくないようで、卵のケースを切ったり、お弁当に使うアルミケースに入れたりするのが良いらしい。 連日の猛暑に、裏返したりしながら三日干したらからからに乾いた。 梅干ならぬホウ酸団子の「土用干し」といったところだ。
ゴキブリはどこから来るのか本当によく出てくる。 我が家のように古い家では、すっかり住み着いて、世代交代を繰り返しているに違いない。 黒い大きいのと、少し小ぶりのつやつやした、いわゆるゴキブリのイメージ通りのヤツに、我が家ではよくお目にかかる。
昨年はしっかり退治しようと思い立って、彼らのために組み立て住宅を購入した。 五棟作り、通り道と思える台所の五箇所に置いた。 なかなかしゃれた一戸建てである。 入り口にはちゃんと足拭きマットも設置されている。
しかし、入居者はなかなか現れない。 結局、秋になるまで置いて、入居者のあったのは三棟に合わせて五匹だ。 二棟は空き家のままに終わった。 黒い大きいのは「手狭」と思ったのか入らなかった。 そのほかに、スプレーを使ったり、「物理的手段」でも、何匹か処分したから昨年はかなりの成果だった。
今年もまた残りの五棟を新築して、昨年入居者のあった場所に置いた。 今年も三棟にそれぞれ独り者が入った。 全て大きな黒いヤツ。
この黒いヤツは、パッと見つけられると動かないでじっとしている。 スプレー缶を取ってきてもまだいることが多いので、薬物処理がしやすい。 今年はなぜか小さいゴキブリをぜんぜん見ない。 黒いゴキブリも、入居者を含め、合計六匹片付けた後は、見かけない。 全滅させたとは考えにくいのだが・・・。
ゴキブリを見かけなくなったのに、ホウ酸団子は何しろ42個もある。 どのくらいの期間有効なのかとネットで調べたがそれはよく分からなかった。 ただ、体験者は、「そこらじゅうに”置きまくった”」とのことなので、私も「置きまくる」ことにした。
台所はもちろん、戸棚の奥から冷蔵庫の裏、ちょっとした隙間まで、勝手口のたたきの隅にも、洗濯機の台の中にも、植木鉢の下にまで”置きまくる”予定だ。
ゴキブリが食べに出てきたり、弱って出てくるので、「見かける機会」は増えるそうだが、今のところ姿も見ない。 大体、食べるといっても目に見えるほどかじるわけではないだろうから、効果のほどははっきりしない。
講習のときの話では、年に三回くらい、二〜三年続けると「見かけなくなる」ということだったが、結構面倒なことだ。 やはり目に見える効果があれば面白いし、やる気も出るというもの。 ネットで見ると、市販もされていて、そのほうが安上がりなのだそうだ。
私にはどうも、成果の見える方が性に合っているようだ。
私の今後のゴキブリ対策は、一戸建てを建てるとか、シュッと一噴き、あるいは、新聞を丸めてピシャ・・・、あたりにどうやら落ち着きそうである。 何のことはない。 今までと同じということだ。
「ホウ酸団子を作ってみるか」などと思う日の来ないことを願う次第である。