出水平野のツル

03’3’14
 私の「お気に入り」に「インターネット自然研究所」というサイトが入っています。
 日本各地の風景を、ほぼリアルタイムで見ることが出来るのですが、特にお気に入りの風景の一つに「出水平野のツル」があります。
 田んぼの中の農道いっぱいにツルがあふれている風景は楽しく、面白く、思わず笑ってしまうこともしばしばです。ナベヅルやマナヅルが多いということですが、北の国へ渡ってしまい、映像が「休止」になる時期には物足りなさをさえ感じます。ただツルが集まっているだけの映像なのに、です。
 ところが、これだけの鶴が集まってくることは、大きな問題をはらんでいるのだと知りました。今朝のNHKテレビで見たのです。
 現地では、餌代に年間1200万円をかけ、田んぼも提供して、手厚い保護をしているのだそうです。その結果、世界のナベヅルの90%、マナヅルの40%が出水平野を越冬地にして集まるのです。そのツルを見に、観光客が45万人も集まるというのですから、観光の目玉にもなっているわけでしょう。
 しかし、これだけのツルが集まる場所で、万一病気が発生した場合には、悪くすると「種の絶滅」につながるというのです。90%も集まるのでは、確かに心配です。
 ツルは本来、もっとお互いに距離を保ちながら自分の「縄張り」を持つものらしいのです。そこで、少し分散させようとの計画が始まっているようでした。
 深く考えることもせずに、面白がっていましたが、面白いだけではすまされないことを知らされました。
 あの映像のツルが減ってくることはさびしいと思いますが、それは喜ぶべきことと思わなくてはいけないのでしょう。どんな事柄にでも気がつかない問題は含まれているものと、反省を込めて感じた話でした。

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