”たわごと” カンボジア版・10話  


1  成 田 に て 
  搭乗手続きを済ませ、シャトルバスに乗り込む。  「一体どこまで行くの?」と言うほど乗って、到着。
 ぽつんと1機ある。 「あれなの?」 「大丈夫?」 「安い飛行機を買い集めるんだろうね」 「耐用年数は越えてるなぁ」・・・。

(シェムリアップ空港到着時に撮影)

 「カンボジア航空の乗り入れは初めてなので、マニアが撮影にきている」、というほどには優遇されていないみたい。

 タラップを上る。  客室乗務員が手を合わせて迎えてくれる。  そう、あちら式の挨拶です。
 「この飛行機で拝まれたんじゃぁ、いやだねぇ」の声。  「落ちる前から拝んでくれている」というわけね。  ご丁寧な話じゃないの。

2  機  内 
  あまり聞いたことのない音を交えながら離陸。
 高度が低いのかあまり「耳に来ない」のは幸いなこと。
 通路の両側に3座席ずつ、49列。  乗員を入れて300人と言うところ。  前後が狭い!

 救命胴衣と酸素マスクの使い方を、たどたどしい日本語で。  以後説明ごときものは一切なし。
 じきにマドレーヌ(袋がパンパンに膨らんでいる)が配られる。  かなり間をおいて飲み物。  その後、大福1個。 ??? 
 機内食の昼食はお弁当。  中央部が冷たいご飯。  「自然解凍」と見た。  その代わり、ジュースは常温。  バランスは取れる仕組みね。
 おやつや飲み物を配るにも、何しろ時間をかける。  
 できればおやつと飲み物は一緒に欲しいでしょ。  おなかの中でいずれは一緒になるけれどねぇ。

3  シェムリアップ空港 
  7時間余のフライト。  「空港にはトイレが一箇所だけなので、機内でお済ませください」とのことで行列ができる。

 「ドン」という衝撃とともに着陸。  現地時間は日本より2時間遅れの3時過ぎ。  気温32度。  一気に真夏へ突入。  夏ってこんなに暑かったっけ・・・。

 十字のプロペラ式扇風機がずらりと並んで回っている。  懐かしい!
 入国手続きの係りは二人。  なんだか態度が「デカイ」の。 
 その分、空港は小さいのね。

4  ホ テ ル 
  「安全」を念頭において選んだ「高いほうの」ホテルは、去年12月に開業したばかり。 
 綺麗で、快適。

 チップは原則として不要。  枕銭だけ一部屋につき1ドルを、と説明があった。  通貨は「リエル」だが、米ドルが通用する。  ホテルの売店では日本円も。
 テレビがあって、なんと我がNHKが!
 洗面所にはミネラルウォーター500mlが一人当たり1本おいてある。 
 買えば1本1ドル。
 荷物に余裕があったので、日本製も2本持参・・・安心して飲めた!
 スリッパではなく、「ゴムゾーリ」。
 バスタブもシャワーもあるけれど、二人目はお湯がぬるく、シャワーは出なくなる。 
 トイレットペーパーは幅が狭く、入っているミシン目の間隔も狭いの。  これで十分なのよねぇ。  節約・節約!
 ペーパー付とは思わなかったもの!

5  細  身 
  この国ではすべてが「細身」。  人間も、牛も、犬も、・・・。  「あれは牛かなぁ?」なんて思った私もおかしいけれどね。
 「太って下腹の出っ張ってる人は”悪い人”」だそうよ。

 若い女性もあの体形だから、あの細身でロングのまきスカートが似合うのね。  丈と幅が同じみたいなおばさんが着たってねぇ・・・。

  「素敵」なのは、ホテルの従業員など、一握りの人たちだけですけどね。  庶民は土埃まみれの生活だから・・・。

6  昼 休 み 
  暑い!  熱帯ですものねぇ。  だけど1日中凄い暑さというわけではないのね。  1時頃が最高なのかな。  3時になると下がり始めて、涼しくなるの。
 その暑いさなかは長い「昼休み」というわけ。  「ハンモックで昼寝」らしい。

 我々ツアーの一行も、朝出かけて、昼食後はホテルに戻って休憩。  3時頃からまた出かけるというスタイル。  これ、凄く楽ですよ!
 もっとも、これだけ休んだら、私は働く気も「お休み」してしまいそうと思いましたけれど。

 「一生懸命に働いている人」を見かけないのも、ここらに原因があるのかも・・・。

 分刻み、秒刻みで動く我々のほうが「異常」なんでしょうかねぇ。

7  生  活 
  普通の人の家は高床式。  勿論、家とは言いにくい住まいも。  柱(棒?)4本に屋根と壁は椰子の葉。

 今は乾季だし、雨季も一日中降るわけではないから、スコールを利用して体でも洗っていればすむのかしら? 

 家財道具は本当に持たないみたい。

 町の中心には「小渕さんのおかげで」という舗装道路があるけれど、そこを外れれば赤い土の道。  車やバイクが走ると赤い土煙が凄いの。  道端の椰子の葉も埃で土色。

 人々の足も「あべかわ」状態。  雨季には道が「お汁粉」になるので大変ですって。  そこをロングスカートですからねぇ。  想像できますか?  小さな男の子は「スッポンポン」。

 土ぼこりの中で、カードや玉突きに興じている男たちも・・・。 
 こんな生活もあるのだなぁと思いました。

 たまに「成金」さんの豪邸もあるの。  「ワニの飼育」で儲けたんですって。 
 建築中のホテルの柱の細さが気になったけど、「地震」がないから大丈夫なんですってよ。
 ホテルの生活なんて普通の人には「夢のまた夢」だと思うと、ちょっと胸が痛い・・・。

8  足 
  庶民の「足」はバイクと自転車。  バイクが多い。  日本製が最高とか。

 タクシーは「バイクタクシー」。  道端で、バイクにまたがって止まっているのが「客待ち」だそうな。 マイバイクに乗れるだけ乗っている例も。  夫婦と子供3人くらいまで乗れるとは・・・。 
 「乗合バイク」?もあります。

 多くのバイクは「ナンバープレート」なし。  つまり、「無登録」。  勿論「無免許」。

 シェムリアップはカンボジアで3番目に大きい町で、信号機は2基。  かなり前の衝突事故で一つが壊れたままなので現在稼動しているのは一つ!

 相乗りバイクの女性はみんな横ずわり。  「女性らしく」とか。  ロングスカートじゃ、またがるわけにも・・・ね。  

9  湖 上 遊 覧 
  トンデサップ湖の広さは、琵琶湖の10倍。  「遊覧船」に乗りました。  1艘に8人くらい乗れたかな。

 この湖は乾季と雨季とで水量がまるで違うのね。  乾季の今は浅い。  雨季は水深10メートルにもなる。
 浅いからスクリュー?に水草が絡まる。  船頭さんが下りて取りのぞく!  のどかでしょう。

 向こうから船首に警官が立っている船が来たの。  赤い棒を振りながら。  「そこのけそこのけ、おエライさんが通る」。  この国では公務員が威張ってるのね。

 この湖は魚が豊富で漁業がさかんらしいけど、こんなに船が通っても捕れるのかなぁ。

 湖上には水上生活者の家が一杯。  お世辞にも綺麗とは言えないここの水で、頭を洗い、横では洗濯、多分トイレも・・・ね。

 湖への道は凄い凸凹道。  道を直すといって通行料を取るけど、少しも直らないんですって。  
 驚く話じゃないけどね。  

10  あ れ こ れ   
  ポルポトは悪くない。  殺戮をしたポルポトは、ポルポトの名を騙る偽者だ。 シャヌーク殿下が賢かったから救われた。
 海外には出られない。  パスポートが取れないから。  だけどお金を積めば・・・ね。
 日本じゃエリートが出れば皆で支えるでしょ。  この国では上に出れば殺される。
      ・・・・・・・   etc.


 旅行の注意事項に「政治の話はしないように」と。     


home gallery