11’11’13
風邪だと確信して、医者に行こうと思ったのが何と土曜日の昼すぎ。 念のため「診察券」を見ると、案じた通り土曜の午後は休診だ。 齢を取ったので、風邪の時には医者に行こうと決めていたのに、することが何でも後手後手に回るのがこの私である。 娘に「風邪薬を持っているか」と聞いたが「ない」と言うので、薬局へ行った。
「総合感冒薬」と言うのは、「あまり効かない」と思っているのだが、月曜まで手をこまねいているのも心配なので、とにかく「効かない風邪薬」でも、一応飲んでおこうと思ったわけだ。
薬局で、「水っぱなが出て、時々咳き込む症状に合う薬を・・・」と言うと、「総合感冒薬になりますね」と案内された場所には、「ただいま宣伝中」と思しき風邪薬が積んであった。 聞いたことのない風邪薬だったが、「顆粒でも飲めますか」と言いながら出してくれた。 小箱と大箱があり、小箱は十二袋入り、四日分である。 とりあえずそれを買ってきた。
「食後なるべく三十分以内に飲むように」と書いてあるところを見ると、やはり、胃にはよくないのだろう。 昼食後三十分どころか三時間に近かったが、先ず一袋飲んでおいた。
飲んでからしばらくすると、鼻栓をしたいほどだった鼻水が出なくなってきた。 のども何だかすっきりしたように思えた。 「効いている」実感があった。 と同時に、初めての薬だけれど大丈夫だろうなと、ちょっと心配もあった。
薬の効き目か、風邪もたいしたことはなさそうに感じたので夜はお風呂に入って早々にベッドにもぐりこんだ。 翌朝は調子がよかったのだが、午後になると「熱が出るかもしれない」という体調になってしまった。 やはり、風邪のときの入浴はやめたほうがいいらしい。
薬を飲めば調子はよくなり、切れるころはまた戻る。 確かに薬は効いているようだ。 薬を飲んで寝ていれば良いのは分っているが、調子がよければ庭の片付けでもしたくなる性分なのも困ったものである。
薬四日分を飲み、「医者に行こうか」、「いまさらなぁ」と迷いつつ、ピークは過ぎたようにも感じたので、様子を見ることにした。 しかし、もう少し飲んでおいたほうが安心かと、また一箱買ってきて、一日分を飲んだところで薬をやめた。
風邪で入院された天皇陛下も、退院予定を延ばされたとのことなので、同年輩の私もぶり返しには気をつけなくてはと思った。 名医がおそばに付いていても思うように回復されないのだから、売薬で済ませようというのには、それなりの注意も必要というものだろう。
のどのいがらっぽさだけがしばらく残るのはいつもの例なので、もう大丈夫と思い、ゆっくりお風呂にも入った。 立て込んだ予定が控えているので、ひとまず良かったとは思うが、しばらくは無理をしないに、越したことはあるまい。 ああだこうだと言いながら、完全に治るには結局一週間の上かかるということになる。 「たかが風邪」ではあるが、やはり「万病の元」と言われるゆえんでもあるのだろう。
それにしても、今まであまり信じていなかった「総合感冒薬」にも「かなりの効き目があった」のにはちょっとびっくりしている。 齢を取っているのだから、たとえ風邪でも、早めに医者に行こうという気持ちに変わりはないが、「総合感冒薬」に対する認識をいささか改めたのも事実だった。