07’8’28
我が家は古い木造家屋なので、木の柱が部屋の周りに見えている。 暑い日にはこの柱が熱くなる。 柱を触ると気温が35度以上の「猛暑」か、それ未満の「真夏日」か分かる。 この夏、異常な熱さと感じた日の気温は38度だった。
年々夏の暑さが厳しくなるように思う。 冬が暖かになったことを思うと、やはりこれは「地球温暖化」なのだろう。
地球温暖化のもたらす弊害が言われだして久しい。 人間の生活が便利になるに連れて、地球に狂いが生じたのだ。 便利で楽な生活を知ってしまった人間が、それ以前の生活に戻ることはまずありえない。
その結果、極地の氷は解け出し、海面の水位が上がることが懸念されている。 すでに北極の氷の面積は過去最小になっているという。 陸地の氷ではないので、再び凍ることは難しいらしい。 そして、この現象は当初の予想をはるかに上回るスピードで進んでいるという。
動植物の生態系にも当然影響があるから、至極当たり前に見られた鳥や昆虫が姿を消し、南国にしかいないはずの生き物が身近で見られるようになりつつあるようだ。
農薬のせいといわれて、蝉の鳴き声があまりしない幾夏かがあったが、今年は我が家の庭に限っても、油蝉がたくさん生まれた。 大阪では「クマゼミ」が異常発生したそうだ。 昨年は私も家にいて、「クマゼミかな?」と半信半疑で聞いたことがある。 広島にいた夏、耳にしたクマゼミの声に似ていた。
今年は蝉の羽化を初めて見た。 羽化は早朝に行われると思っていたのだが、夜8時前後から始まると教えられ、懐中電灯片手に抜け殻の多い庭隅を探したところ、すぐに見つかり、感激の「蝉の誕生」を見ることができた。 二晩続けて観察したが、これも今年のように蝉の多い年であればこそできたことだろう。
連日の強い日差しは、秋に花を咲かせる草花の葉を、茶色に変色させている。 温暖化で積雪が減ると、高山植物は壊滅的な打撃を受けることになる。 すでに、絶滅を危惧されている種類も多いようである。
人間にも当然影響はあるわけで、この夏は「熱中症」で亡くなる高齢者も多く、若い人もかなり病院に搬送されていたと聞く。
カンボジアで、昼休みが長く、午後は3時ころから仕事、という生活スタイルに驚かされたものだが、日本もやがて熱帯化すれば、そんな生活のスタイルになっていくのだろうか。
エアコンが好きでない私も、今年の暑さには使わざるを得なかった。 30度の設定にして涼しいと感じるのも異常だが、そのおかげで、どうにか無事に夏を過ごしてきた。
さすがに9月を目前に、秋の気配を感じられるようになった。 9月はまだ残暑が厳しいということだから、もう一頑張りが必要のようだ。
電力も足りなくなることが心配されたこの夏、電力消費の多い会社では東電の要請を受けて節電に協力したという。 今年はどうにか過ぎたとしても、この温暖化は早急に手を打たなくてはならない問題である。 個人ができる範囲のことでは限られているとは思うけれども、とにかくやらなくてはならないところまで来てしまっている。 少しでもできることをしなくてはと、強く思ったこの夏の猛暑だった。