02’5’27
昨日の朝9時少し前、今年初めて、カッコウの声を聞きました。緑も深くなった多摩川対岸の草花丘陵で、ひとしきりないていました。今年はいくらか早めです。ここ幾日か、ホトトギスはよく鳴いていました。耳を澄ますと鶯の声も聞こえます。
私にとって、カッコウは初夏の訪れを知らせるお使いなのです。そのうち川を渡ってくるようになるでしょう。テレビのアンテナで鳴くカッコウを想像できますか。アンテナに来ても、縄張りがあるようで、たちまちヒヨドリに追い払われてしまいます。尾瀬ヶ原の木のてっぺんで鳴いていたカッコウは絵になっていましたが、アンテナから追い出される姿は気の毒です。鳥の世界も、厳しいものがありますね。
カッコウが飛びながら、あの悠長な声でないているのを見たときは、笑いました。あの声にあわせて飛んでいたら、落ちてしまいそうに思うのですが・・・。
春は鶯の声に目覚め、やがてヨシキリの声に夏の来たことを知る。こんな生活の出来る羽村が、私は好きです。
私の住むあたりにはまだ自然があるとはいえ、羽村でも確実に減っています。川べりに住み、イネ科の花粉症の私には、初夏は最悪のときなのです。しかし、河原にグラウンドが出来たり、市の施設が出来、それに伴う護岸工事などで、近くの葦が減り、近年は症状が大変軽くなりました。良かったとは思うものの、失ったものの大きさを考えると複雑な気持ちです。
今では、葦原に棲んでいた、野ウサギも、雉も見かけません。沼地もなくなり、ガマも、三角イも、黄ショウブさえもありません。カワセミの水中ダイビングも見られなくなりました。カブトムシが家に飛び込んでくることなど、夢のまた夢です。
オナガが庭に来て大騒ぎをすることもなくなり、カッコウも、いつかは来なくなるのではないか、と心配しているものですから、声を聞くと、取りあえずほっとするのです。