デジカメ と パソコン

            

04’9’5
 2年余、使わない日はないほど愛用したデジカメの調子が良くない。設定ボタンの調子がおかしく、不必要な画像が消せないとか、ISO感度を変えようとすると続けてカタカタ動いてしまうとか、いらいらさせられることが多くなっていた。製造中止の古い機種だし、新調するなら一眼レフがほしいと思った。 
 「デジ眼」も最近は安い機種が出てきた。カメラとレンズがセットになっているのもあるのだけれど、レンズは別にほしいものがあるので、メーカーのホームページで「製品紹介」欄をたびたびのぞいていた。この日も「交換レンズ一覧」を眺めていた。 
 そのとき、カシャカシャと変な音がしてパソコンがフリーズした。時間をおいて再起動。音が続いて、引っかかりながらも検索。またフリーズ。また再起動。そして、メーカー名が表示されたあと黒い画面の左上に「Operating System Not Found」と出た。途中でも一度出たのだが、再起動したら使えた。しかし、今度はアウトだ。 
 パソコンショップに持っていくと、修理コーナーの若い店員は電源を入れ、耳をくっつけていたが、やがて「死んでいる」と一言。レコードの針が盤に引っかかってその傷をどんどん深くしているのと同じ状態との説明。それがあの音? 
 「メーカーに送るようになるので、3週間お預かりしないと」と言う。3週間!その間HPの掲示板に書き込んでくださる方があっても返事は書けない。「たわごと」も・・・。ちょっとまずい。 
 ご機嫌取りに苦労してきたこのパソコンはもういい、買い換えよう、と思った。 

 このパソコンを使い始めて4年近くなる。買ってすぐ、ふたに2箇所ひびが入って交換してもらったり、画面の右上に出る、画面の大きさを変えたり閉じたりする記号やスクロールバーの印などがすべて、ゆがんだ数字に化けるという現象を起こしたり、マウスの接続部分がおかしくなったりとトラブル続きだった。 
 「文字化け」のときは、「ウイルスくさい」とのことで、アンチウイルス用のソフトを買ってインストールしてみたが、ウイルスではなく、店長が電話で製造元とやり取りしながら解決してくれて、「あちらで、直す資料を持っているということは、お宅だけではなかったのでしょう」との話だった。「入院」もさせたし、たびたび「診察」も受けた。 
 「音」には極端に弱く、「音入り」のサイトを見ると必ずフリーズ。最近ではテーブルの上に誰かが手をついてもフリーズするようになり、世話の焼けるわがまま娘のようだった。 
 気が付けば、スタート→プログラム→アクセサリーのアクセサリーも消滅している。もうめちゃくちゃになってはいたが、とことん使って、と思っていたのだった。 
 重要なデータが入力されているわけでもなく、ホームページと自分の書いた文章や、写した写真だけである。消失しては残念と思う写真だけはバックアップを取っていたし、ホームページははサーバー側にある。

 いつ壊れても不思議ではない状態で来たのだから、壊れたからと言ってあわてることではないようなものの、やはり「参るなぁ」である。不幸中の幸いは、ホームページ更新予定のこの日、「今日は特に調子が悪い」と思いながらも一通りサーバーへのアップロードが終えられたことだった。これが済む前であれば、更新する内容もすべて消えてしまうわけだった。 
 買い替えに当たっては「メーカーにはこだわらない」ことにして、店員に「あなたなら何を買う」と尋ねたら、「僕はこだわりがあってこれです」と言ったのが、先だって「買うならどこのがいいか」と兄の孫に聞いたときの○○か●●と言われていた●●だった。店員も彼もPC関係のプロである。それであっさり買うことにしてしまった。カメラが遠くなるなあと思いながら。 

 セットアップは簡単だけれど、インターネットへの接続がすんなりできるかどうか疑問だったので、夜、落ち着いてからすることにした。ケーブルテレビ回線を使うので、会社に電話をして、以前のマニュアルがそのまま使えることを確かめた。 
 前は「ランカード」なるものを使ったけれど、それは不要であること、前の機械の影響を消すために一度電源を切ることなどのアドバイスがあり、サポートセンターができているので困ったらどうぞと電話番号を教えてくれた。「地域密着型」は何かと親切である。 
 マニュアルどおりには画面が開いていかないけれど、これでどうかなとやっていたら無事接続した。ホームページに2箇所のサーバーを使っているので、それぞれへ接続し、とりあえず必要なものをダウンロードした。しっかりウイルス対策をしてひとまず終了。 

 「あと30年も生きるわけじゃないし、何かにお金を使うわけでもないのだから、カメラくらいほしいものを早く買えば」という息子の言葉に従って、カメラも注文した。残り物のフイルムがあるので、ニューカメラが来るまでにこれを使ってしまおうと、久しぶりに古い一眼レフを持ち出して散歩に出たが、やはり「写してすぐに見られるカメラ」の魅力は大きい。 
 デジカメを新調する予定が、思いがけずパソコンまで新しくなったのだから「結構なこと」というべきだろうか。カメラの入荷が待たれることである。

            

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