杉 玉 (酒 林)

02’12’21
 私の住む羽村市に隣接する青梅市や福生市をはじめ、多摩地域には造り酒屋が幾軒もあります。このあたりは、水がいいのでしょう。講演に見えた立松和平氏が「羽村の水はおいしいですねえ」と言われたことがありました。
 私の散歩コース近くにも著名な酒蔵があります。以前見学に行って、おいしい生酒をご馳走になったこともありました。
 師走のある日、工事中の道を避けて、福生市の、この酒蔵の前を通ったのです。奥を見ると玄関の前に新しそうな「杉玉」がぶら下がっているのに気づきました。「酒林」とも言う杉玉は、新酒の仕込みが終わると下げるものと聞いていますが、最近は看板代わりに年中あるとも言われます。

 欅(けやき)の大木の並ぶ、橋のたもとでユーターンして、帰りも酒蔵の前を通ることにしました。杉玉をカメラに収めたいと思ったからです。
 門からのぞくと、ちょうどトラックが出てくるところでしたが、あとはひっそりと静まり返っていました。みずみずしいと言える感じではなくなっていましたが、濃い緑の杉玉が白壁に映えて、いい雰囲気でした。
 そばまで入り込むのはちょっと気がひけましたので、ズームで写して来ました。いつも持ち歩くデジカメが役に立ちました。「都会の喧騒」には縁のないこのあたりの散歩が私は大好きです。
 新酒の仕込が終わって、酒蔵の今年の仕事は一段落なのでしょう。私はこれから主婦業最多忙の時期に入ります。とはいえ、年々暮れの掃除も手抜きになり、面倒な仕事を一日延ばしにしている私には、ちょっとまぶしく見える杉玉でした。

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