07’1’28
そんな話を聞いて、「私も腕試しに応募してみるかな」という気になった。 そして応募したのが、「西多摩百景展」だ。
応募要項によると、未発表作品を三点まで出せる。 私は今まで、「未発表作品」と言のは、「ホームページに載せたものは駄目」と解釈していたのだが、それはどうも「発表」には当たらないらしい。
「西多摩」に関係のある写真はたくさんあるので、その中から三枚選んだ。 「写した場所」の分かるものが一枚、後はよそでも撮れそうだが、自分としては気に入っているものである。
デジカメ作品もプリントで応募する決まりなので、三枚を指定された審査用の2Lサイズにカメラ店でプリントしてもらい「実行委員会」宛に送った。 十二月の締め切り日にはまだ間のある十一月のうちに送ってしまった後、同じ場所で、もう少し「ましな」写真が撮れて、「早まった」と後悔したが、初めてのことだから少々の失敗は止むを得ない。
入選者には十二月中に連絡するとのことだったが、二十日になっても音沙汰なく、「クリスマスプレゼント」も届かなかった。 ただ、実行委員会のホームページに「もう少しお待ちください」とあるのを見つけ、一縷の望みを捨てきれずにいた。
そして、暮れも押し詰まった二十八日、待ちかねた「やや大きめの封筒」が届いた。 「拾ってくれるとすればこれだろう」と思っていた、撮った場所の分かる一枚が入選した旨の通知だった。
「誠におめでとうございます」の文字が目に快い。 約一月後の入選作品展の日時、会場、今後の予定などが記されていた。 作品展の初日に「入賞作品の発表」もあると言うことだ。 「出展料は会期中に会場でお支払いください」と言うのも、いかにも「西多摩的」である。
一週間ほどして、実行委員会のホームページに、入選全作品が掲載された。 良くまぁ、私の一枚を拾ってくれたものだと感心するほどの力作ぞろいである。 三枚出せば一枚は入選させてくれるのかもしれないとも思った。 ハイキングクラブのお仲間、Mさんの奥多摩湖の作品もあった。 ハイキングクラブのときに撮られたのだろうか。
入賞の望みはないが、生まれて初めての応募で、入選はちょっとうれしいことだった。 年が明けてから、改めて「ワイド四つ切り」の大きさにしたものに、額縁をつけて送った。
午後から始まった作品展初日の夕方、やっと時間が取れたので見に行った。 入賞した人たちを囲む輪があちらこちらにできていてにぎやかだったが、なんだかゆっくり見ていられる雰囲気ではない。
車で十五分ほどの場所だし、後日また来ようと思い、Mさんの作品と私の作品が並んでかけられていることだけを確認し、出展料の支払いを済ませて帰宅した。
日を改めて行った時には静かに見られた。 優秀賞のほかにスポンサーからの賞も多く、約四分の一が何らかの賞を受けている。
私の作品はどう見ても、一番地味で、影が薄い。 少し高い場所に飾られているので、誰も目も留めてくれていないように思えた。
靄のかかった「多摩川の朝」では、派手になりようもないと思ったのだが、似た風景を見事に捕らえて、入賞している作品もあったのだから、腕の差は歴然としている。 しかし、実行委員会のホームページで見て、「いいなぁ」と思った作品のほとんどが入賞していたので、「見る目」には自信がついた。
入賞はできなかったが、知らせを待ったりしていたこの二ヵ月は、結構楽しかったし、機会があればほかにも応募してみようかと思うようになった。 応募よりも「腕を磨く」ことが、まずなすべきことであるのは重々分かっているのだが・・・。
何はともあれ、私にとっての記念すべき「第一回写真展」は、本日、最終日を迎えたのである。