ホームページのことで取材したいというメールを貰ったのは四月初めだった。地元の週刊紙、「西多摩新聞」の、女性記者からである。
同紙には、同紙の対象エリア、西多摩の八市町村の個人サイトから選んで紹介するコーナーがあり、そこに載せたいということだ。掲載されるのは六月第一週で、「囲み記事」になるので検討して欲しいという。
六月というのが気に入った。私のホームページが、丁度開設二周年を迎える月であり、私自身の誕生月でもある。更に言えば私の「古稀記念」にもなる。生来の「野次馬根性」とあいまって、あっさり引き受けてしまった。
「写真も取らせて・・」というのが難点だったけれど、小さな白黒写真だろうから「まあいいか」となった。幾度かのメールのやり取りの末、四月二十八日の十時ころ、記者さんが見えた。お宅は隣接の町で、中学生のお子さんがいるというママさん記者だった。これで「記事」になるのかな、と思う楽しいおしゃべりをして、一時間位で帰られた。どんな記事になって掲載されるのかと楽しみにしていた。
金曜の発行日に届けてくれるということだったが、西多摩新聞を購読している我家には、朝、配達されたので、届くのを待つまでもなく、私は目にできた。「うまくまとめるものだな」という印象を受けた。意外に大きな写真を見て、「しっかり年寄りになった」と思う。
私のホームページは、一口に言えば、写真と文章の二本立てである。私自身の感触としては、ほぼ毎日更新している無責任な駄文 ”ばぁばのたわごと” を見てくださる方が一番多いのではないかと思っている。言いたいことを言わせて貰っているが、共感してくださる方が多いと感じるからである。
掲載された記事には写真のことだけが書かれていた。しかし、それは私にとって、さしたる問題ではない。ホームページを見てくだされば分かることである。問題は、文中の姓が全て間違っていることだった。
上下逆さにして「野村さん」にされることは多い。一字置き換えて、「村瀬さん」もあった。従って、今回の「村山さん」も、そのこと自体は驚くことではないのだが、記事中、三か所に登場する全てが「村山さん」となると妙なものである。どう読んでも他人様のことだ。写真の下の太字で書かれた姓名と、ホームページのURLは正しかった。プロでもこんなミスをすることがあるらしい。
結構楽しい経験だったし、数あるサイトの中から選んで頂いたのに、ちょっと残念な気がしたものの、訂正をお願いしたいとは思わなかった。
考えてみれば、私を知っている人は「間違っている」と思って読むだろうし、知らない人は気付かないかもしれない。たいした問題ではないということだろう。
何をしても必ずどこかに「けちがつく」、わが人生を象徴していると言えそうな「取材の結末」だった。