06’6’13ハイキングクラブで山梨の「☆☆山」へ登った。 梅雨時のことで、ガスのかかった頂上からは何も見えず、肌寒いような日だったが、少し下ってくれば気温が上がり、暑くなるのは毎度のことだ。
この日も少し下って蒸し暑くなる頃、「きれいな花があるよ」と、先を行く仲間から声がかかった。 珍しい花でもあれば、すぐにカメラを構える私のためにである。 鮮やかな黄色い花が藤の花を逆さに立てたような形で咲いていた。 花の位置は背丈くらいなのだが、前にほかの木の枝があって写真を撮るにはちょっと難しい場所だった。
「抑えていてやろうか」と、Mさんが、手前の邪魔な枝を下に押さえつけていてくれたおかげで、三枚ほど写せた。 気に入るようには撮れていなかったが、花の名を調べるには十分に役立ちそうだ。
そこから程近いところにも、同じ花が見上げるほどの高さで咲いているのが、茂った木の間から見えていた。
名前を調べたいのだが、しっかり観察してきたわけではないので、手がかりがない。 そうこうしているうちに、ネットの「尋ね花」に投稿してみることを思いついた。 写真を添えて投稿すると、花の名前を教えてくれるのが、「なんでも百花店・花の掲示板」である。
ジャケツイバラ
写してきた写真の中から二枚を選んで、送ることにした。 咲いていた場所、時、木の高さ、そのほか手がかりになりそうなコメントをつけて送る。山梨の☆☆山からの下山途中に咲いていたこと、高さは「2mから5m」を選択し、「花は豆科に似て、葉は藤の葉に似ていた」旨のコメントをつけた。
「場所は都道府県名に留めること」とあったのだが、私にはその意味がピンとこなかったので、よく分かるようにと「☆☆山」の名を出した。 翌日、返事が出ているかと楽しみにアクセスした。
「返信」として、○○さん名で、「ファンが多い,ジャケツイバラではないでしょうか。 ツル性の植物で,他の樹木に頼っていますので,高さはいろいろです。 結構高い所までよじ登っているのを見ます。」と書かれ、サイトの運営者からは、「○○さんフォローありがとうございます。 ジャケツイバラですね。」とある下に、「さて、ここでお願いなんですが、なるべく地名は都道府県名までにしてください。 今回はそれほど希少種、と言うことではないので編集しませんでしたが、中には気づかずに書いてしまい、それが盗掘の温床になる可能性もあるのです。 ネットは便利ですが、誰でも見ている、と言うことを忘れないようにしていただけると非常にありがたいです。」と書かれていた。
このとき、私は初めて「都道府県名にとどめて・・・」の意味を理解したのだった。 うかつだった。
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山に行っても、とにかく「自分のものにしたい」人がいる。 山から環境の違う家の庭に移植しても、いずれは枯らすか、発芽しなくなってしまうのである。 それでも、山野草の愛好家は多いから「お金になる」と思えばごっそり盗掘するプロもいるようだ。
先ごろもオオタカの雛二羽が密猟されていなくなったとニュースで報じ、保護団体の人たちががっかりしていた。
以前、地方紙にカタクリの写真と、咲いている場所の情報を載せようとしたら、場所を公表されては困ると「守る会」から申し入れがあったと、記者が話していた。
どんな所からでも情報を入手さえすれば、「盗掘・密猟」に走るヤカラがいるのだ。 知っていたはずなのに、今まで、かなり不用意に書いたり話したりしていた自分自身を、大いに反省したことである。 こうして自然はどんどん失われていくのだ。それにしても、なんと殺伐たる世の中になってしまったことだろう。 まことに嘆かわしい話である。
今回の黄色い花は、「マメ科・ジャケツイバラ属」あるいは「ジャケツイバラ科・ジャケツイバラ属」の、「ジャケツイバラ(蛇結茨)」だと知った。
よく、注意しながら、これからも利用させていただきたいと思っている「尋ね花」である。