11’2’11
昨年の秋以来、筋肉の衰えからとの診断で、肩、腰、膝に不具合が生じ、整形外科に世話になることになった。 整形外科で処方される薬は、「痛み止め」と湿布薬。 痛み止めは胃には良くないらしく、胃薬とセットになっている。 湿布薬にかぶれるほどではないが、かゆみが出たとき用に、「すりこむ消炎薬」。
「痛み止め」がどの程度効くものか分らなかったが、袋に「減量可」となっているし、先生にも「よくなったら減らして・・・」と言われていたので、一月ほどして、一日三回を、朝夕二回にしてみたが特に問題がなかった。 次いで夕方だけにしてみたら昼過ぎになると、我慢できないほどではないが、あちこち痛くなってまた二回に戻した。 図らずも「しっかり効いている」ことが確認できたわけである。
薬は体にとっては「異物」だろうから、飲まないに越したことはない、と思っていた。 効き目があると言うことは体への影響もそれだけ大きいと考えていた。 「筋肉の衰え」は否定できないものの、それが突然、こんな形で現れることへの疑念を払拭しきれない私は、できれば薬は少ない方が良いと思うのだった。
しかし、三ヶ月を経過して、症状も当初よりはずっと良くなっているし、「付き合い方」がうまくなったこともあるのだろうが、薬を飲んでいれば、ほとんど普通に暮らせる状態である。 仮に、「筋肉の衰え」以外にも原因があるとしても、さして重篤な病気とも思えない。 最近は足腰を鍛える体操の効果もなんとなく感じられる。
今まで湿布薬といえば、ある程度厚みのある、「ネル地」で、張るとスースーするものだった。 最近は、肌色の薄手のもので、三枚に分けられたフィルムを真ん中からはがして張るスタイル。 これの効果は驚くほどだが、難点は張りにくいこと。 平面に張るのは良いが、見えないところに手探りでしわを寄らせずに張るのはほとんど神業である。
「すりこむ消炎薬」も効くが、これは日に幾度もすり込まなくてはならないのでちょっと面倒だ。 そこで、痛む膝には張る湿布薬、朝方痛む肩には、寝る前に「すりこむ薬」と使い分けているが、今のところうまくいっているようだ。
薬を飲めば、普通に近い生活ができるのであれば、飲みながら普通に暮らせばいいじゃないかと思うようになって来た。 これから成長する子供と言うわけではない。 体の不調が全て「年のせい」と納得しているわけではないが、この齢になれば、その日その日が快適であれば良しとすべきかなと考えるに至った。
とりあえずは、衰えた筋力を、なるべく現状維持できるように体を動かしながら、疲れたら無理をせず休むことにして、日々の生活を少しでも充実させたい。 待っていても若返ることはありえないのだから。
痛みから解放されるのはありがたいことだが、好きな山歩きにも縁遠くなり、行動半径はかなり狭められている。 とは言え、ある程度は趣味も楽しめているのだから、満足すべきだろう。 「薬が効く」と言うのは、今の私にとっては、幸せなことと言えるのかも知れない。