2)ポルト・デュ・ソレイユ(太陽の扉)/フランス,スイス

このスキー場の名を知ったのは2008年トロアバレーの時、フランス人ガイドから聞いたのが初めてである。日本では殆ど知られていないが、滑走コース総延長:650km、リフト数:197基とヨーロッパの中でも最大級の大きさを誇る。但し標高は900〜2500mと低い。なおモルジンはレマン湖の南にあり、ジュネーブ空港から約1時間半、定期バスも運行している。

【リフト地図】

広過ぎてすべてのエリアを巡る事は出来なかった。泊まったのはモルジンであるが、アヴォリアの多く、レ・ジェの半分、スイス側/レ・クロゼの近くまで、アヴォリアから尾根を越えシャテル方向へ少し下った Plaine Dranse 辺りが今回の行動範囲である。

注)以下文章中フランス語地名は発音が不明なものは原語で表記します。

a)モルジン

出掛ける前からこのスキーエリアの大きさは承知していたが、モルジンは山奥のごく小さな街と思っていた。しかし想像以上の規模で、近年の日本のスキー場とは比べもののない賑わいだった。日本の場合と違って国外−北の国、北欧、英国など−からのスキー客がその賑わいを支えている様子が伺われ、廻りは英語で溢れていた。モルジンはこのエリアの中心で後述のアヴォリア、レ・ジェへ向かうロープウェイ、各方面へのバスの起点である。泊まったホテルは街の中心の広場に面していた。

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モルジンの街 広場と観光馬車

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広場のメリーゴーランド レ・ジェへのロープウェイ

b)アヴォリア

モルジンからアボリアへは2つのルートがある。一つはバス(20数分)+ロープウェイで行く方法と、ロープウェイ(スーパー・モルジン)で対岸の尾根に登り、尾根伝いに何本かの緩やかなリフトを利用する方法である。後者は下りに利用した方が良いと思う。但し最後モルジンへ下るコースは無く、ロープウェイを使わざるを得ない。
アヴォリアの街は一風変わっている。結構大きな集落であるが、有るのはレストラン、土産物屋、スポーツ用品店などで2階以上は殆どコンドミニアム。しかも大体10階前後と高い建物で、他の機能を持つものはあまり見当たらない。純粋にレジャーのための宿泊その他付帯施設のみ出来ている。街の中をリフトが通り、馬車が走る位で自動車は街外れの大きな駐車場止まり。今までに見たことのない珍しい光景だ。

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アヴォリアの街を見下ろす 街の様子 街のレストラン

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街なかのリフト バス終点−アヴォリア
ロープウェイ
工事現場風景

しかも同種建物が数多く建設工事中であり、ますます街は大きく発展する勢いである。工事現場のクレーンには動物などの形のバルーンが飾られていた。条例で規定されているとのこと。

このアヴォリア (1800m) から広い谷が始まる。このエリアは標高が高く、北斜面で雪質も良い。至る所にオフピステもある。この谷は扇状に3本のリフトが掛かり、右のリフトを登れば上 COL DU FORNET (2250m) に達する。左を登れば CHAVANETTE 峠に達しスイス方面へ通じる。

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COL DU FORNET

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ビステ オフピステ

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アヴォリア奥の広い谷 ダン・デュ・ミディ

c)スイス側、レ・ジェ その他

CHAVANETTE はスイスとの国境。その先スイス側へ下るコースは黒コース(上級)で、上級コースは他にもあるが、急傾斜とコブ斜面で特に有名である。上級コースであることを警告する「スイスの壁」の文字が.仏、英。独 3カ国語で黒い立て札に書かれていた。しかし心配は無用、下りリフトを利用するスキーヤーは多く、下りもリフトの乗降が楽なよう配慮されていた。ツアーでは下りリフトを利用して下り、レ・クロゼ近くのレストランで昼食後、別の MASSETTA を越えフランス側へ戻った。

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スイス側への下りリフト 「スイスの壁」の立て札

後日延泊最終日に単独で再度「スイスの壁」に挑戦した。夜の降雪も上がり天気も上々だった。慎重を期しリフトを登り直し、滑るスキーヤーを観察、危険は無いと判断した。確かにコブは大きく滑りにくいが、急傾斜は始めの内だけで予測よりは苦労なく、滑り降りることが出来た。何か心につかえていたものが消え「スー」とした。この時撮った写真が冒頭の表紙を始め数点ある。今回旅行最大の収穫だった。正に3延泊の効果だった。

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スイスの壁、下から 上部から 途中からの遠景

レ・ジェ エリアはa)項で示したモルジンからのロープウェイ山頂駅から始まる。最高でも標高1826mの LE RANFOILLY で、森林限界の中にあり景色はあまり印象に残っていない。そのせいか写真も撮られていなかった。
このピークに行くにはロープウェイの山頂駅からさらに何本か登り、下りを繰り返す必要がある。全体として比較的なだらかなスロープの多いスキー場だ。その他若干訪れたエリアもあるが省略する。

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LES FOLLIES 付近尾根 Charniaz Express リフト