3)ドイツ小旅行(黒い森地方)

【経路】 モルジン−(バス)−チューリッヒ空港駅−(鉄道、バーゼル乗換)−バーデン・バーデン(2泊)−(鉄道、カールスルーエ乗換)−シュトットガルト(2泊)−(鉄道、カールスルーエ乗換)−フランクフルト(1泊)、全5泊

ツアー一行を見送った3日後、3月1日に次の宿泊地バーデン・バーデンへ向かった。フランクフルトから成田直行便利用に合わせただけで、特に目的があった訳ではない。バーゼルからドイツに入り、シュバルツバルト(黒い森)地方に5泊の小旅行を試みた。準備の手を抜いただけの気ままな旅だった。当初はすべて現地でホテルを探すつもりでだったが、安心のため始めの2泊のみITで予約していた。

a)バーデン・バーデン、カールスルーエ

モルジン出発が8時40分、前記経路でバーデン・バーデンに着いたのが午後4時、駅から街の中心は5km程離れているが路線バスが頻繁に出ている。
Baden はドイツ語で入浴するの意。バーデン・バーデンはその名の通り温泉町である。他にも○○バーデンと言う名の温泉町は数多くあるが、バーデンの中のバーデンの名で他との差別化を図ったのではないだろうか。古来、王侯貴族、作家、音楽家など著名人が数多く逗留した歴史のある街で、街全体高級リゾートのイメージがあり、落ち着いた雰囲気が漂っている。中心にレオポルド広場があり、廻りには宝飾品、時計、ブティック、土産物屋など高級品を扱う店が並ぶ。温泉は近代的なカラカラ浴場と古風なフリードリッヒス浴場が隣同士並んでいる。その他立派な劇場、近代的美術館など長期滞在に飽きないよう種々の施設が整っている。クアハウスは湯治客の社交場であり、日本語のイメージとは違い、コンサートホール、読書室、レストランなどからなり、カジノCasinoまで併設されている。入場には正装が必要とのこと。

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レオポルド広場 フリードリッヒス浴場入口 劇場

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ブルダ美術館 クアハウス&カジノ

今回カラカラ浴場に体験入浴した。更衣室/ロッカールームで水着に着替えなかに入る。日本の浴場と違い、温泉ブールのようなものだが、屋内、屋外にあり、それぞれ温度、泉質など幾つかに別れている。一般に温度は低めで始めの内は寒い位だが、長時間入るには丁度良い温度で入浴後ぽかぽかして気持ち良かった。温泉治療のコースもあり医者もいるらしいが、私の入った時は一寸太めのお姉さんが円形舞台中央で廻りの生徒のエクササイズを指導をしていた。2階はサウナがあり、特にミスト・サウナが気持ち良いと案内書に書かれていたが、時間もなくパスした。サウナ好きの友人K君なら絶対見逃さなかっただろう。2004年のバート・ガシュタインを思い出したが、街全体が更に高級な印象だ。

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カラカラ浴場入口 屋内浴場

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屋外浴場 水中エクササイズ

2泊後シュトゥットガルトへ向け出発したが、途中カールスルーエに立ち寄り午前中を費やした。まず重い荷物をコインロッカーに預け、市の中心マルクト広場に向かった。マルクト広場に面し市役所があり、カールスルーエ城にも近い。だが城前の広場は工事中でまともに写真を撮るのもままならなかった。

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マルクト広場、奥は市庁舎 同広場

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カールスルーエ 城と工事中の広場

b)シュトゥットガルト−フランクフルト

シュトゥットガルトに着き、まず駅前のインフォメーションで近くのホテルを確保した。冬の時期都市部ではホテル探しに苦労することはまずない。
シュトゥットガルトはドイツ経済の中心の一つであり、ダイムラー・ベンツ本社の所在地である。中央駅舎の上にベンツのマークが廻っているのに気が付いた。経緯は知らないが、ダイムラー・ベンツがこの街の発展に深く関わっている事は容易に想像出来る。

T.市街

中央駅から真っ直ぐ延びるケーニッヒ通りがメインストリート、両側にレストラン、カフェデパート、ブティックなど大型店舗が建ち並ぶ、歩行者専用道路である。地図の主立った建物の写真を示す。

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中央駅
右上にベンツのマーク
ケーニッヒ通り

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宮廷広場

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州立劇場

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市庁舎 州立絵画館

夕刻たまたま通りかかった宮廷広場の片隅で人だかりがしていた。覗いてみると一輪車、ジャグリングにトークを加えた大道芸が行われていた。言葉は判らないが大笑いが巻き起こり受けていた。多分さくらと思われる女性が相手になっていた。他にも歌とバンド演奏のグループがあったり、この類のショーを見掛けた。結構受け入れる下地はあるらしい。

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大道芸 バンド、ラテン系?

U.メルセデス・ベンツ博物館

翌日いずれも市郊外にあるメルセデス・ベンツ、ポルシェ両博物館を続けて訪れた。前者は(郊外電車)S1で Plochingen 行2っ目の Necker Park から歩いて10分、駅を出た所に大きな案内板があり、矢印の方向に少し歩けば特異な目立つ建物が見えてくる。ドイツブンデスリーグ、シュツットガルトの本拠地メルセデス・ベンツ・アレーナ Mercedes-Benz Arena も直ぐそば。

※ シュツットガルトはJ1清水エスパルスのFW岡崎慎司が入団したチーム

初期の内燃機関の模型から歴史を追ってメルセデス・ベンツの豊富なコレクションが展示されている。ベンツがレースに参戦していた頃の珍しい車、天皇陛下の御料車など珍しいものも数多い。いずれも手入れが行き届いており、特にピカピカのクラシックカーは見るからに楽しい物だった。オーディオ ガイドも有料だか貸してもらえる。日本語も勿論ある。序でながら付け加えるとベンツは戦前航空機のエンジンも造っていた時があるし、バス、トラックの大メーカーでもある。すべてを失った戦後の立ち直りは目を見張るものがあった。

展示品の数々

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航空機エンジン 天皇御料車

V.ポルシェ博物館

S6で所要時間10分、ノイヴィルツハウス Neuwirtshaus 駅で降りると直ぐ。建物が余りに近くて大きいので何処にあるか判らないほど。2009年1月に開館した新しい建物だそうだ。
ご存じの通りポルシェはスボーツカーのメーカーとして名高く、憧れの高級スボーツカーを作っている。所謂ワークスと呼ばれる小さな町工場から出発したメーカーであろうが、その独特な魅力ある営業戦略と蓄積した技術力で発展してきた。ベンツ博物館と同様オーディオガイドが有料で借りられる。
入口を入ると直ぐ、コンセプトカーのクレイモデルの展示から始まる。新旧取り混ぜた沢山のスポーツカー、レーシングカーが展示されいた。その中の1台白いオープンカーが解放されていて、運転席に座ることが出来た。何千万円だが知らないがポルシェに乗ったのは初めての体験、のぼせていたのかはっきり覚えていないが、堅めのシートが印象に残っている。その時の写真を見たらオーディオガイドのヘッドホーンをしていたのがレーシングチーム監督のような雰囲気を出している?と勝手に思った。いずれにせよ良い記念になった。それ程車に詳しい訳ではないが、ベンツの方も含め楽しい一日だった。

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建物 入口

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コンセプトカー・クレイモデル 優勝トロフィー

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ポルシェに座る私

W.メルクリン本社−フランクフルト

その名を見て、急に訪問を思い立った。「メルクリン」は鉄道模型の老舗メーカー。子供の時からその名を知っていた。明確ではないがHOゲージ(軌道幅:16mm)が普及し始めた頃のことで、強い憧れを持っていたのを思い出す。
この本社がシュトゥットガルトから東、ウルム方面へ鉄道で30分ほどのゲッピンゲンにある。駅からはバスがあるのだが、生憎土曜日で本数が少なく、結局タクシーで往復した。店内にはそれ程大きくはないが、HO,N(8mm)ゲージのジオラマがあり、もちろん数多くの模型が展示販売されていた。始めそのつもりは無かったのだが、安い(と言ってもそれなりの値段するが)HOゲージの蒸気機関車模型を衝動買いしてしまった。他に部品がないと動かせず、眺めるだけなのに・・・。

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外観 ジオラマ

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チビッコ運転手 衝動買いした蒸気機関車模型

昔を思い出し、一寸ノスタルジックな気分に浸れた楽しい半日だった。シュトゥットガルトのホテルに戻り、預けた荷物を受け取ってカールスルーエ乗換、特急 ICE でフランクフルトに直行した。今回の慌ただしい旅を思い出しつつ就寝、翌日空港より帰国した。

【追記】

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エアバス A380−800

たまたま往復共、機体は総二階のエアバス A380−800 だった。定員 五百数十名、乗務員が二十数名とのこと。乗客側から見て飛行中の差異は感じない代わりに、タラップ設備の関係で飛行場端のゲートが割り当てられる事と、乗り降りに時間が掛かるのを感じた。