5)その他諸々

a)ダイアモンド ダスト?

ザールバッハ何日目だったか かなり寒い日、X−Press 山頂駅を出るとダイアモンド ダスト(下記 注)が周囲でキラキラ輝くのが見られた。ダイアモンド ダストは初めての経験ではないが、暫くあと、少し離れた斜面の上に写真の様なスポットが明るく輝くのが見え、数分続いた。ダイアモンド ダストに関係しているのは確かだと思うが、そこに粒子が集まって、光っていると考えるのは、揺らぎが認められないことからあり得ない。私の仮説であるが、粒子の反射ではなく透過で「波長の長い光ほど粒子を透過し易い」という物理現象によるではないかと考えた。光っている部分が心なしか周囲より赤味ががって見えた。確かに太陽はその方向だったが、ずっと高い位置にあり、光源がが何んだったか、どうしてあのようにローソクの炎の様な形になるのかが分からない。この現象をどう解釈するかご意見があれば伺いたい。
いずれにせよダイアモンド ダストといって良いのかも分からないが、この様な経験は初めて。写真に撮れたのは更に幸運だった。

注)ダイアモンド ダスト : 低温で空気中の水蒸気が直接凍って細かい氷の粒子が出来、空中に漂う現象。低温、適当な湿度、無風が揃わないと出来ない。

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ダイアモンド ダスト ?

b)センメリング鉄道

センメリング鉄道はウィーンからアルブス越えの鉄道として、イタリア人技師“ゲーガ”によって1854年建設され、鉄道としては初めて世界遺産に登録された。現在も毎時高速特急列車が通過する主要路線で、乗っていてそれ程の斜度は感じないが、当時としては6年がかりの大工事だったらしい。

センメリング駅に下りてまず列車時刻表を見たら、もうこの駅に止まる列車はないでばないか。たまたま通ったお婆さんに事情を話したら、街道に下るとバスがあると教えてくれた。もうその時は慌てていて、目的だったケーガの碑もセンメリング鉄道博物館の事もすっかり忘れ去っていた。全く人通りのない中を街道まで下り、一度カフェに寄りバス停の場所を確認した。運良く十数分待ちでバスがあり、先程のミュルツ ツー シュラーク迄戻り、次のウィーン行特急に乗った。

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センメリング駅を通過する列車 街道のレストラン

センメリングは元々止まる列車の少ない小さな駅だが、丁度真冬でますます少なくなっていたようだ。勿論少し前にインターネットで、止まる列車があるのを確認したのだが、更に変わったようだ。結果的には計画より早くウィーンに着いたのだが、一時はどうしようか慌てたのを思い出す。

ついでにもう一つエビソード。バス停で出会った若い女性から「キナ?」と聞かれた。一瞬戸惑ったが“China”の事だとすぐ分かった。元々ドイツ語にchiという発音はなく、イタリア語の“chi”の発音に倣ったのだと思う。(下記 注.)慌てて否定したが、それ程海外では東洋人を見ると中国人と思うのが普通で、これまでも何度か経験している。海外に進出している中国人(華僑)との圧倒的な数の差がそうさせているのだろう。見た目で日本人と中国人を区別しろといっても無理なことは分かっている。

 注.早速、私の先生から「バイエルン、オーストリアで“chi”を“キ”と発音する。」との指摘を受けました。−補足

c)旅の実践あれこれ

T.都市ホテルの予約
スキー場のホテルの予約については以前にも触れたと記憶しているが、都市の場合冬は閑散期なので断られた経験は一度もない。インフォメーションで探すのも一つの手だが、泊まる場所が決められていて、到着が遅いと予想されるか、小さな駅でインフォメーションの存在が分からない時はインターネットの旅行サイトで予約している。名は出さないが、今や予約出来るホテルは益々増えており、場所で苦労する事は少ない。欠点は一応地図上の位置は示されているものの市電、バスまでの利用方法までは分からないので、初回ホテルまではタクシーを利用することになる。荷物もあるのでこれは仕方ないだろう。 もう一つ朝食は付いているので良いが、普通この様なビジネスホテルはレストランが貧弱な場合が多く、外に出る面倒が多くなる。考え方によっては食事を多様化、豊かにするチャンスである。次項ツーリスト カードによって外出が気楽になれば、この欠点はカバーされ得る。 今までホテルサイトの予約でトラブルは無く信用している。特殊な条件がある場合は直接連絡すべきだが・・・。

U.街に着いて初めにすること
次の順序て準備し、交通機関の利用に早く慣れることが旅の効率を上げる鍵。2),3)は主要駅に必ずあるインフォメーション取扱。

    1) 必要なら 通貨の交換
    2) 街の地図、交通機関の路線図入手
    3) ツーリスト カードの購入

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ツーリスト カード 上から
リュブリアーナ、ザグレブ、
ウィーン(交通機関のみ)

V.ユーレイルパス
かなり前だが一度使った記憶がある。普通元をとるのは難しいとされているが、今回は特に見知らぬ国々へ行く点を考慮し購入した。個々に切符を買う必要がなく、発車時刻が迫っている時など助かる。今回も何度か重宝した。
オーストリア、スロベニア、クロアチア3カ国有効なセレクトバスで、2ヶ月間中の好きな5日間を選んで使えるフレキシータイプ。日付は自身で書き入れればその日1日、何処でも、何回でも、寝台、TGVなど極く特殊な路線を除いて有効。初めて使用する前にパスポートと共に切符を提出し、手続きする必要がある。(バリデーションという)料金は為替レートなどで変動するが、以上条件で昨年10月 \26,000 程だった。1等乗車可は気分が良い

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一等ビジネスクラス ユーレイルパス

ミュルツ ツー シュラーク〜ウィーン間、知らずに乗った1等車は同じ1等でもビジネスクラスという特別車両で12Euro の追加料金を取られた。電源、LANの設備があったらしいのだが、知っていればパソコンを試してみれば良かった。

なお今回も小型ノートパソコンを持参した。結果として泊まったホテル、5つ共インターネット接続が可能だった。(殆ど無線LAN)ホテルの接続料もサービスの所が多かった。そのような時代に成りつつあるように思う。家との連絡、夜暇にまかせて友人宛に写真付きで旅の報告メールを送ったりした。日本のニュースにも不自由しなかった。
今回もスマートフォンも持って行ったが、移動日とその前後のみの使用で済み、未だ請求書は来ないが、大分安く済んだのではないかと思う。

【あとがき】

今回も全くトラプルがなかった訳ではないが、何とか対処しつつ無事に終わることが出来た。スロベニア、クロアチア2カ国では慣れない英語を使う場面もあって緊張もしたが、旅慣れか比較的冷静に対応できたのではないかと思う。
 冒頭に書いたが個人的に問題のある中、何とか続けられたのは来年にも繋がる成果とホットしている。直前まで風邪が治らず、万全とは言い難い状態で滑ったことも起因していると思うが、例年になく体力の衰えを感じた。後期高齢者の仲間入りを目前に控えているが、新たな気分で来年に向け準備したい。今回のスキーの比率は少々少な過ぎと反省している。

−以上−      

2013年03月23日  田中 あきひろ