4)ザグレブ/クロアチア〜ウィーン

a)ザグレブ市内観光

近年クロアチア観光も人気が高まっている。どちらかというと“アドリア海の真珠”と呼ばれるドブロブニクなどアドリア海沿いの方に人気があるようだ。この方面も調べて見たが鉄道の便がなく、また航空機は本数が少なく今回諦めた。こちらはスロベニアも含め、フェリーによるゆったりした船旅が似合うのではなかろうか?スキーを引退した?何年後かに再訪したいと思った。
クロアチアの歴史は地域を同じくする前述のスロベニアと共通する点が多い。違いはクロアチアの国内事情でEU加盟が遅れていることだ。調べてみると既に国民投票は通過し、近々加盟の運びとなっているそうだ。今回旅した国の中では唯一“Euro” でなく、通貨単位は“Kuna”。為替レートは1Kuna=約16円。

市内交通機関は市電とバス。切符の購入、管理は自己責任、監視員頼りの制度で、昨年訪れたグラーツと似ている。3両連結など大型市電が多いので他に方法がないのだろう。
ここでもザグレブカードを購入した。市電、バスは乗り放題、観光施設入場料は半額になる。インフォメーションではなく、主要ホテル取扱。使用開始日時は自身で書き込む。
24H−60クーナ(¥1,000)、72H−90クーナ(¥1,500)の2種。

ザグレブの中心は騎馬像のあるイェラチッチ広場で、中央駅の北、1Km程にある。大きな広場の周辺には商店、レストランなどが集まり、更に北の丘陵地帯に観光施設が点在している。

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イェラチッチ広場と騎馬像 聖母被昇天大聖堂 聖マルコ教会

石の門は名の通り城砦の門だが、聖母マリアの像が納められ、いつ頃からか功徳があるとされ、信仰をを集めている。お年寄りが前の店から花やローソクを買って祭壇に手向ける姿が途絶えない。

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石の門 内部のマリア像

ほかも色々廻ったが中でもナイーブ美術館の絵画に惹かれた。クロアチアで20世紀半ば頃から発達した絵画の技法で、ガラスの裏側から描くのが特徴。そのためか絵の具が酸化されにくく、耐久性が高いそうだ。素朴で装飾的、幻想的作品が多い。日本人原田泰治の「晩秋の山野」も展示されていた。館内は撮影禁止なので購入した葉書のコピーを載せる。

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Ivan Rabuzin 1960 原田泰治 2004

晩飯を食べに入ったレストランで地元の料理を、と注文したら出てきたのが“Sarma”という料理。挽肉の入ったロールキャベツ風の煮込み料理で、味は多少酸味がある。特に旨いという訳でもないが、コッテリ料理に飽きていたのでホットした。付け合わせはじゃが芋にハムなど混ぜた団子。50クーナと安く、帰って調べたらこの辺一体の家庭料理と判明した。 別の日だが夕食に食べたシーフード リゾットは写真の見栄は良くないが文句なく旨かった。

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郷土料理“Sarma” シーフード リゾット

b)センメリング鉄道〜ウィーン

ザグレブを出発する際少々トラブルがあった。ウィーン直通の特急は私の調べた限りでは、ザグレブ 朝7:25発 “クロアチア号”1本だけで、乗り遅れぬよう余裕を持って準備したつもりだが、突然の変更か、調査不足か、出発ホームが違っていて、辛うじて間に合うというハプニングがあった。
急いだ理由はオーストリアに入り、グラーツからウィーンに抜ける途中、センメリング鉄道を通過することに興味を持ち、センメリングで途中下車したいと思ったからである。そのため手前のミュルツ ツー シュラークで下り、T時間待ちで普通列車に乗り換え、次のセンメリングで下りた。ここでトラブルに直面したが、詳しくは次章に記す。

この日の宿泊は初めアイゼンシュタットと決めていたが、ノイシュタットからのローカル線の接続が悪く到着が遅くなるので、そのまま終点ウィーンマイドリングに直行することにし、駅近くにホテルをとった。チェックイン後、夕食のためマイドリンクへ出掛けた。まずウィーンカードを買うべく自動券売機の前でまごまごしていたら声を掛けられ、24h券を渡された。ただ有効期限が分からないので不安な気持ちで2回使ったあと買い直した。刻印から期限を解読する手がかりは見い出せなかった。
(24h−6.7Euro、48h−11.7Euro、72h−14.5Euro)

ウィーンは何度か訪れているが、今交通関係に影響深い大改造が進んでいる。旧南駅を改造し、ウィーン中央駅にする工事が進行中である。地下鉄駅の一部が完成し“Hauptbahnhof(中央駅)の看板が既に懸かっているのを見たが、鉄道の方は未だ時間が掛かりそうだ。そのため大半の列車がマイドリングを終着駅としているが、駅だけで付属施設が乏しく今は不便。

翌朝起きたら大雪で20cm位は積もっていた。本当はアイゼンシュタットに出掛けるつもりだったのだが急に意欲を削がれ、主に地下鉄(U-Bahn)を使って市内をぶらついた。雪のシュテファン寺院の写真が残っている。
翌24日は帰国の日、マイドリングから空港行きのリムジンバスが出ると聞いて探したが、停留所が分からず直ぐ諦め、結局地下鉄でミッテ駅経由City Airport Trainで空港へ向かった。

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雪のシュテファン寺院