2006年12月1日(金) 会場:本多図書館 記録:須藤 一典
<出席者>
堀 雅敏,阿久津 嘉孝,須藤 一典,町田 智朗,鷹取 健,酒巻 美和子,鈴木 まき子,小川 郁
1)知床半島の映像から(作:鷹取・堀,2006.7.25)
<映像の内容>
1.ヒグマの行跡を描く。
2.小清水原生花園
3.船上から知床半島を見る
4.ルシャ川河口付近で,ヒグマの親子を発見
<質疑・応答>
鷹取:海上で撮影するのは,波があるので難しい。
阿久津:火山の年齢は?ハワイと似ているところがある。
鷹取:知床の火山群は,100万年前からの活動。ここは,浸食がはげしく,隆起もはげしい。山が海に迫っている。
酒巻:硫黄を採掘して,川へ流すと言っていたが。
町田:硫黄の用途は?
鷹取:火薬。
須藤:最後の方で,ヒグマ同士が遭遇していたが,その後は?
鷹取:あの時は,オスの方がまだ若かったようで,何もおこらなかった。自分のDNAを残すために,子グマを殺すこともある。
阿久津:自分の子どもだったら襲わないのか?
酒巻:文吉湾は,和人の名前だが,明治以降にできたのか。
2)授業実践記録(町田,別刷プリントあり)
<プリントの説明後の質疑・応答>
町田:秋の研究集会で指摘されたのは,
○本当に摩擦のない滑車を使ったら,おもりBが下がるはず(p3)
○つりあいの2つの力が同じ大きさであることを示すのは,実験をした後にするべき(p4)
小川:p3の指摘については,はじめにおもりを下げない糸だけの状態を見せればよい。この授業の前の段階で,力学では何を教えているか。
町田:まさつ,つりあい,合成・分解・・・・。
阿久津:水平方向に左向きに等速直線運動している物体にはたらいている力を生徒に聞くと,重力・垂直抗力以外に,水平方向に左向きの力を書く生徒がいる。
鷹取:右に動くときは,必ず右向きの力がはたらくことを,生徒に教えるべき。
須藤:中学で教わっているはずのことがたくさん出てくる。もっと,中学で教わったことを生かすべきではないか。弾性力のことをていねいに教えていれば,阿久津先生の発言にあったような誤解は出ないはず。
阿久津:速度ベクトルを先にやっておくべきではないか。自分の授業ではそうしている。
小川:この指導案では,アトウッドが最後の方に出てくるが,最初の段階で教えておくべきではないか。
鷹取:糸の重さも摩擦も考えなくていいというと,何か嘘っぽい。進行方向,速度ベクトル,力がごちゃ混ぜになっていないか。
阿久津:私は,「速度を与えるはたらき」=力と教えている。
町田:それでは,教える順序としては,アトウッド,エアートラック,自転車の実験(等速直線運動をしている自転車からハンドボールを鉛直真下に落とす実験)の順か。
小川:自転車の実験を前の方に持ってくるのはかなり無理。生徒同士でお互いに意見交換はしないのか。
町田:お互いの考えに反するような意見はでてこない。
小川:p7の「止まる」を選んだ生徒に,おもりCが離れた瞬間に止まるのかどうかを問いかけるべきではないか。
須藤:中学でも,新しいことを教わっても,自分の古い考えに固執する傾向にある。
町田:固執しているわけではなく,途中で考えが揺らいではいる。しかし,最終的には考えを変えない。
鈴木:いろいろと話しをするのをめんどくさがっている。
鷹取:じゃあ,固執しないで,他人の考えが正しければ,自分の考えをそれにあわせていくようにさせるには,どうしたらよいか。
町田:途中から柔軟に考えを変更しようとしない理由に,友だちを裏切りたくないからという生徒もいる。
小川:考えるための根拠が足らないのではないか。
阿久津:アトウッドの装置は難しいのではないか。
鷹取:生徒に選ばせる選択肢を,もっと慎重に選べばよい。この場合,班討議は適さないのではないか。
町田:高校生の現状では,なかなか挙手しづらい雰囲気がある。
小川:アトウッドで,おもりAとBの重さが違う場合を見せればいいと思う。ゆっくり加速するところを見せる。それから,あもりCは,ハンダ程度がいいと思う。
鷹取:p6の部分は,先生がしゃべりすぎなのではないか。生徒には入っていないようだが。
3)書籍紹介「人間の進化と性淘汰」(小川,別刷プリントあり)
須藤:我々が授業で「進化」を教えるとき,ダーウィンは100%正しいことを前提にしてよいのか。「進化」はほんの数年で教科書から消えたが,なぜか。
小川:「進化」は個体単位でおき,種単位ではおきないという点だけ注意すれば,ダーウィンの進化論は間違っていない。
鷹取:教科書から消えたのは,実験・観察で証明できないから。実証主義が強すぎたせいが根本にはある。
小川:書籍「利己的遺伝子?」が発売中。
鷹取:かっては,ラマルクとダーウィンが並列に並べて教えられていた。これは,ダーウィンの紹介がろくに行われていなかったということである。