2012年1月例会報告      過去の例会へ ホームへ../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/guo_quno_li_hui.html../zhong_yang_yan_xian_li_kesakuruHP/homu.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1
 

2011年11月へ

ビデオの紹介・・・堀さん

 レポートの前に海上保安庁が作成したDVD(海上保安官が見た巨大津波と東日本大震災復興支援)を視聴しました。巡視船からの津波の映像や、仙台空港に津波が押し寄せてきたときの様子などの貴重な映像が入っていました。2月8日現在、アマゾンでは品切れで次回の入荷は未定となっていました。


同花受粉・・・鈴木さん

 ウィキペディアの「受粉」の項目が資料として配布され、同花受粉や自家受粉・他家受粉についての説明がありました。残念ながら鈴木さんの庭に11月に咲いたスミレは受粉せずに枯れてしまったそうです。

 その後、「小学校の実践では、受粉で終わらせるのか、受精まで扱うのか議論があるが、中学校では細胞を教えるので、受精まで教えたい。」「受精を教えるとなると花粉管が伸びて行くところまで確認する必要がある。」などの意見が出されました。


「原子核と放射線」の授業プラン(案)・・・町田

 学習指導要領が改定され、来年度から「物理基礎」の授業の中で原子核を扱うようになります。「物理基礎」は2年生以降に学ぶ学校が多いと思うので、実践するのは再来年度以降になると思います。資料説明のあと、質問と意見交換を行ないました。

 資料の中では、到達目標で「〜変えることができない」と書いたのですが、自然科学なので「〜変わらない」とした方が良い、「勝手に崩壊する」と表現するより「自然に崩壊する」とした方が良いなどの意見をいただきました。通信には直したものを載せてあります

 また、「原子力発電や原子爆弾などは、自然科学を応用した技術の範疇にはいる。自然そのものの原子核反応として、核融合も扱って欲しい。」「この学習をするまでに、何を学んでおいて欲しいのか、物理変化と化学変化については当然であろう、エネルギーについても学んでおく必要があるだろう。他には?」と宿題をいただきました。核融合については現在は、触れる程度でも入れたいと考えています。何を学んでおくべきなのかは、東京支部の冬の研究集会など、もう少し小中の実践やプランを見てから考えたいと思います。

 その他「5時間目は技術に関する問題になる。10分程度で良いので、映像を見せる事も大切だろう。どんな映像が良いかも今後考える必要がある。」「霧箱はぜひ見せたい。簡単に作れる方法があれば班に一つくらい見せたい。」「はかる君を借りて見せてはどうか。」などの意見をいただきました。


東北地方太平洋沖地震・・・鷹取さん

 大きな土嚢を二段に重ねているだけの暫定堤防が写っていました。以前にも堀さんが見せてくださった写真(石巻だったか?)にも同様のものが写っていた記憶があります。

 当然のように、暫定堤防には何の意味があるのか、という疑問が出されました。コンクリートで作られた堤防でも今回の津波を防ぐことは出来なかったのですから、この程度のもので津波を防ぐ事は到底無理な話です。せいぜい高潮を防げる程度なのではないか、という話になりました。

 今回壊れた堤防の写真を見ると、盛り土の表面にコンクリートを張り付けたものだということがよくわかります。この構造は、川の堤防は作りと同じなのだそうです。しかも、張ってあるコンクリートは材料費を浮かせるために中心部を薄くしてあるものなのだそうです。表面が凸凹になっているのは水の流れのエネルギーを削ぐための工夫なのかと考えていましたが、経費節減のためでもあったとは気付きませんでした。

 さらに、堤防とは名ばかりで場所によっては盛り土をしてあるだけのところも映し出されました。そんなものでは津波は到底防げるはずはありません。防災対策が後手にまわっているとしか思えません。


 かつては、200m程度の幅で防潮林があったそうですが、内陸側から宅地化が進み、震災前までに10数m程度の幅しかなくなってしまっていたそうです。防潮林保護運動に圧力がかけられていたという話もあるようです。鈴木さんは学生のとき、防潮林を抜けて大学の合宿所に通ったことがあるそうです。今回の津波で、防潮林を削って作られた宅地はほとんどが流されてしまっていたそうです。