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日 時:2013年4月26日(金)19:00~21:30

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:鷹取・鈴木ま・小川・五十嵐・阿久津・町田・手塚・堀(記録)


 町田さんの同僚である、手塚博紀さんが初参加。新採1年目の若い方で、疑問に思ったことも質問されていました。来年は科教協東京大会もあります。今後とも、よろしくお願いします。


1.写真報告「釜石市鵜住居町・いのちの道」

ビデオ報告「宝来館を襲う津波」「津波被災地・仙台平野を歩く」

………………………… 堀 雅敏

  1.  3月末、釜石市鵜住居町にがれき撤去のボランティア活動に行ってきました。震災時鵜住居町根浜の宝来館につとめていた伊藤聡さん(現在「三陸ひとつなぎ自然学校」代表)に案内していただき、「いのちの道」を歩いてきたので、何枚かの写真で報告しました。

  2.  震災時道路があちこちで通行不可となり、根浜地区も孤立しました。外に出ていた根浜のガス屋さんも戻るのに困りましたが、子どもの頃遊んだ山道があるのを思い出しました。両石から山を越えて、根浜地区の避難場所になっていた宝来館にたどり着きました。そこでガス器具を修理し、炊き出しができるようにしました。また、その山道そばにはきれいな水が流れ、これが避難者の「いのちの水」になりました。そんなことから、この山道を「いのちの道」と呼んでいるのです。

  3.  案内してくださった伊藤さんは、2011年3月11日、避難した宝来館裏山からスマートフォンで宝来館を襲う津波をビデオ撮影した方です。You Tubeでも多くの人が見ていて、テレビでも利用されました。今回、伊藤さんからそのデータをいただいたので、ビデオ「鵜住居町」にも利用させていただきました。その変更部分を見ていただきました。

  4.  襲来する津波と、逃げる人々の様子が捉えられていて、阿久津さんは「すごい映像だな」と言っていました。私自身も何回見てもドキドキし、胸が締め付けられるような感覚になります。しかし、津波の様子もわかりますし、津波にのみ込まれた人も全員が助かったこともあり、ビデオに使うことにしたのです。また、ボランティア活動には子どもたちも7~8人参加していて、伊藤さんも現地でタブレットを使ってこの映像を見せて説明しました。小さな子どもたちも真剣に見ていたので、だいじょうぶだと思いました。

  5.  もう一つ、釜石というリアス式海岸地帯に対比して作っていたビデオ「仙台平野を歩く」を一応完成したので、それを見ていただきました。

  6.  仙台平野を仙台駅近くの高層ビルから撮影した映像から始まり、仙台平野の津波浸水範囲、白馬にまたがった海神(わたつみ)が大津波を南北に分けて鎮めたという伝説がある浪分神社、児童や地域住民が校舎上階に避難してヘリに救助された荒浜小、県道10号線(通称、塩釜亘理線)沿いの破壊された建物、名取市閖上地区の惨状と、日和山、閖上漁港、多くの住民が避難、または避難をめざして津波に流された閖上中学校、どこまでも平らな土地が続く平野部にあって数mの高さがあることで、駆け上って助かった人もいる仙台東部道路、8mほどの津波が押し寄せて大きな被害を受けた仙台港などの映像を見ていただきました。



2.実践報告「物質の姿~溶解度と再結晶」……………………五十嵐 伸江

  1.  中1の実践です。この授業の前に「溶解」はやっているものの、溶解することと状態変化がごっちゃになっているとのことです。

  2.  生徒には「結晶はキラキラしている」というイメージがあるとのことだったので、鷹取さんが「“結晶構造”という言葉は使わないまでも、イメージを捉えさせたい」と、顕微鏡で見せることを提案。これに対して「顕微鏡かルーペなどで見せればよかった。肉眼では確認させたが、つぶの1個1個を見せることをしなかった」と五十嵐さん。実体顕微鏡は2人に1台はあるそうです。

  3.  また、鷹取さんからは「小学校では食塩水をスライドグラスに少しとり、ちょっとあぶって顕微鏡で見せることをしている。“溶けても無くなってはいない”ということをわからせるために、見せるといい」、町田さんからは「大きな結晶と、小さな結晶があるとおもしろい。同じ形だから」との意見がありました。阿久津さんからは「ここで、小さな粒につてのふるまいについて、やってもいいかな。結晶ができるのは分子間力で“粒”が整列するからだし。大事なのは、水と混ざって小さな粒が散らばって、結晶になるときには固まっていくというイメージ。集まるとかたまりとして見えるけど、ばらばらだと見えない。これが大事」と、強調されました。

  4.  鷹取さん「ゆっくり冷え固まると、形がきれいでよくわかる」

  5. 五十嵐さん「生徒は、それがなぜか、と聞いてくる。うまく説明できない」ここで阿久津さんは、「温度によって溶ける量が変わる、というのが難しい。COは高くなると溶けにくい。」と発言。五十嵐さんは「気体の場合は温度が高いと、気体の分子運動が激しくなる。固体の場合は、液体の分子運動が激しくなるから」。それをどう生徒に理解させるか、というのが課題のようです。

  6.  五十嵐さんが「梅干しの汁が垂れて、それをほおって奥と赤い結晶ができる。おもしろいので、そうした事実を生徒にも見せたくて、食塩をプリンカップに入れ、放置して水を蒸発させたり、ミョウバンでやってみたりした。ミョウバンは元に戻ったけれど、感動がなかった」と話されると、阿久津さんは「“元に戻る”ということが大事なんだけど」。町田さんの「子どもたちは、“ばらばらになる”というイメージがあるのか」という質問に五十嵐さんは「この前に、教科書の粒の図を見せている」。阿久津さんは「ばらばらになるというイメージがあるなら、<元と同じような形になるでしょうか>と聞けばいいのではないか」との意見でした。

  7.  ここで町田さんは「子どもの文を見ると、<ばらばらになって、それが集まってくる>というイメージがないように思える。絵を描かせたりして、イメージを持たせたい」。

  8.  鷹取さんは、「氷砂糖で大きな結晶ができればおもしろい」、鈴木さんは「ザラメは、結晶ではないか」と述べられました。また鷹取さんは「“とける”というのは未分化な言葉で、中原正木さんは“とける”と“とろける”などの言葉を使い分けさせていた」と紹介。

  9.  ここで五十嵐さんから「みなさんは、どのくらい、どういう授業の準備をされているか」という質問がありました。これに対して町田さん、阿久津さんは「まねっこですね。星の環会の『中学校理科』の……。もう一つかなと思うときには、いろんなところで学ぶ」とのこと。

  10. 五十嵐さんがさらに「“どういうふうに伝えるか”というのを決めているのか」と質問すると、阿久津さんは「シナリオは一応書いている。この言葉を使ってはいけない、などもメモをしている」、町田さんは「キーワードは、常に頭に置いている」とのことでした。



3.授業プラン「作用反作用」………………………………………町田 智朗

  1.  昨年の指導計画とは、2時間目の課題と質問の並び方を逆にしたということです。課題の方が迷うようなので、そちらを先にしたのだそうです。

  2.  力学台車を使用した押し合いは工作用紙のストッパーを取りつけたもので、引き合いは“町田式(磁石)”でのプラン。この引き合いについては、昨年の科教協鳥取大会で「必要ない」と指摘があったそうですが、町田さんとしては「課題にしないまでも、見せたい。“どんなときにでも”ということが大事」と、プランにのせています。また、引き合いについては一応昨年同様電磁石を使った形ですが、強力なフェライト磁石を使う方が簡単だし、少し距離をとっても結果が出る(確認しやすい)ので、迷っているとのことでした。

  3.  まず阿久津さんから「課題2では、“どちらも同じ速さで衝突させると”と書いた方がいい」との指摘が、また、鷹取さんからは言葉の使い方として、「到達目標で“向きが逆”とあるが、“同一直線上で向きが反対”ではないのか」との指摘がありました。

  4.  課題と質問を入れ替えたことについての検証は、鷹取さんから「4クラスあるなら、2クラスずつ反対のことをやって確かめてみればどうか」との提案がありました。これに対して阿久津さんからは「昨年の結果は出ているので、昨年と逆の実践をしてみて、その結果と比べればいい」と意見が出されました。さらに、「電磁石とフェライト磁石、どちらがいいかについては、クラスで変えてやってみてはどうかということでした。

  5.  小川さんからバネ定数の異なるバネばかりを行き会う実験について、一方を引ききってしまうのは生徒を混乱させてしまうのではないか、という意見が出されました。町田さんからは、引ききらなくてもよいようなバネばかりを探して実践してみたい、との発言がありました。

     (記録:堀)