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日 時:2014年5月30日(金)19:00~21:30

場 所:国分寺市本多公民館

参加者:阿久津・石川・小嶋・鈴木ま・鷹取・堀(記録)


 今回は宿泊の防災訓練と重なったり、このところの急激な気温変化で今回提案を予定していた吉村さんをはじめ体調を崩す方がいたりで参加者が少なく、少々寂しい感じでした。そんな中、板橋中学校理科サークルや生物サークルで活躍されている小嶋妙子さんが初めて参加されました。


0.当日紹介された通信・ビデオ

  1. (1)「物理基礎授業通信1号~4号」 …………………………………阿久津 嘉孝

  2.  「毎回出している」という“授業通信”です。1時間の授業の課題と生徒の<分かったこと>が、A4の紙1枚にまとめられています。異動したばかりの工業高校ですが、生徒は大変素直だそうで、書かれている内容を見てもそのことがよくわかります。阿久津さんも通信に「<分かったこと>にいろいろ新たな疑問を書いている人がいますが、とてもよいです。」と書かれていますが、ここにも授業に真っ直ぐ取り組んでいることが現れています。

  3. (2)ビデオ「Nippon The Nation of the Ocean」(正木 徹編集)…………堀   雅敏

  4.  マダガスカルの原猿アイアイの保護団体=日本アイアイ・ファンドの代表・島泰三さんは、写真家・阿部雄介さんと組んでANAの機内誌「翼の王国」に水族館紹介記事を連載していました。その関係から、ポーランドで日本の水族館の話をすることになりました。その導入に使う日本紹介ビデオを、映像作家の正木徹さんが担当されました。作品の冒頭に私の津波被災地・名取市閖上の映像が取り入れられたので、その部分を見ていただきました。


1.教材研究「玉川上水と分水」……………………………………鷹取  健

  1.  2月例会での鈴木まき子さんの実践記録「玉川上水と国分寺村分水」を受けての提案です。流水によって複雑な地形を生み出してきた武蔵野台地、食糧増産のために上水や分水を整備して新田開発をしてきた歴史。そんなことが捉えられるよう、いつものことながら膨大な資料を整理し、教材ビデオも作成しながら、小学校4年の社会科で玉川上水を学んだ高学年の子どもたちを対象にした学習内容の提案でした。

  2.  「武蔵野面と立川面の境である段丘の急斜面に、注目させたい」「ふだんは枯れ川で、川とは分からない川がある」「日常では坂だと意識しない坂がある」「排水口のない窪地があちこちにあり、降水量が多くなると池が出現する」ということで、これらが分かる地図記号も理解させたいということでした。「できれば等高線が分かるとよりいい」と、“小平・国分寺”の1万分の1地形図(1952年)も示し、「色塗りすれば、地形が見えてくるのではないか」と話されていました。地図で等高線をたよりにすると、玉川上水は周囲より高い尾根筋に通っていることも見えてきます。

  3.  ビデオ教材も、歴史資料や地図だけでなく、実際に現地を撮影した映像を組み合わせて理解を図ろうというものでした。

  4.  阿久津さんからは、「元禄国絵図に玉川上水が描かれていないのはなぜか」との質問がありました。なぜかは分かりませんでしたが、「では上水がなかったころに、このあたりの宿は、どうやって水を得ていたのか」との再質問がありました。鷹取さんによれば「竹筒やひょうたんなどを利用していたのだろう」とのことでした。

  5.  鈴木まき子さんからは、「ビデオの後半部分は4年生の子どもたちにも十分使える。ただ、地図はわかりにくい」とのことでした。また、2月例会の時に話題になった、谷筋を俯瞰して確認する場所については、「農協の屋上からも見てみたが、よく分からなかった」とのことです。また、2月例会の時には「玉川上水から国分寺村分水への取り入れ口」とされた場所を示してくださいましたが、これが鷹取さんの調べたところでは「違うのではないか」となり、改めて資料を見、写真を撮りながら地域を歩いたそうです。その中で新たに見つかったこともあり、今年度も11月に予定されている4年生の授業で生かしたいとのことでした。


2.授業プラン「密度」………………………………………………石川 俊一

  1.  石川さんが用意された、授業プリントの検討をしました。啓林館の教科書にある「密度を求めることで、物質を区別しよう」という実験を同じ色で塗った各種金属を使って行い、「観察・実験レポート」にまとめるというものでした。

  2.  まず鷹取さんから、「物質1つあたり1回の測定で結果を導くのではなく、大きさや形が変わっても同じ物質なら均質であり、質量/体積=密度が変わらない、だから密度で物質を特定できる、とすべきではないか」との意見がありました。

  3.  これを受けて阿久津さんは、「そうした状況で、“2.予想”は難しい。物質固有の密度があるということについては“ねらい”ではなく、“課題”にした方がいいのではないか」「小学校で“体積”という言葉は出てくるが、物理量として捉えている子はほとんどいない。もっとゆっくり学習させたい」と話されました。

  4.  また鈴木さんからは、「リンゴの体積を水に置き換えて、メスシリンダーで量るなどの学習を経ないと、小学校で教科書通りやってきた子どもたちは、体積も容積もごちゃごちゃになっている。」「“考察”というのは難しくて書けない。“実験の結果分かったこと”の方がいいのではないか(石川さんによれば、「どんなことを書けばいいかは説明してある」とのことでした)。」との指摘がありました。