1月例会報告
 

2017年11月例会

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日 時:1月26日(金)18時30分より

場 所:国分寺市本多公民館


「河岸段丘と玉川上水」 ・・・・田代さん

  1. 立川から青梅線に乗って拝島を出てすぐ、左に五日市線、右に八高線が離れていきます。八高線が走る奥には段丘崖が見え、青梅線と八高線の線路の間、つまり段丘崖の手前に緑地が姿を現します。その緑地が水喰土(みずくらいど)公園です。

  2. 水喰土公園は玉川上水を拝島面から立川面に上げようとして(もちろん、水が重力に逆らって段丘面を登ることはありません)失敗したところです。当初は段丘崖に沿った水路を作ろうとしたのですが、現在の水喰土公園のあたりで水が浸み込んでしまった(地面が水を喰らった)のです。現在の玉川上水は段丘面にぶつかったところで立川面を深く掘って水を流しています。田代さんは失敗した堀がどこにあるのか(あったのか)を講演会で聞いた話や『上水記』『玉川上水起元』などの古文書などをもとに、いくつかの説について説明してくださいました。

  3. 印象的だったのは玉川上水の狙いが「江戸へ水を引くこと」だけではなく「武蔵野台地を潤す」ことも目的だったのではないか、という考えです。確かに立川崖線に沿って工事を進めても江戸まで水を運ぶことはできるにもかかわらず、わざわざ武蔵野台地の奥深くまで水を引いていますし、それを野火止用水や国分寺分水などに利用しています。埼玉出身の小宮澤さんは、小学校で「玉川上水は野火止用水のために作られた」と学んでいて、埼玉ではそれが常識なのだそうです。同じ玉川上水を学ぶにしても、学ぶ場所によって違いがあることに驚きました。

  4. 鷹取さんからは、武蔵野台地はもともと水が多くないので、野火止用水のために持ってきたいというのはわかるような気がする。との発言がありました。


小4「水と環境」 ・・・・鈴木さん

  1. 鈴木さんが小学校で協議会委員として授業に関わった授業とフィールドワークの記録です。当初は現存している恋ヶ窪用水跡を見たところまででフィールドワークを終える予定だったそうですが、埋め立てられてしまった用水路跡の近くに住んでいる児童がいるのでそこも見せてほしいとの要望で、コースを伸ばしたそうです。

  2. フィールドワークの1週間前に、姿見の池の映像を見せて事前学習を行います。サークルでもその映像を(ところどころ早送りで)視聴しました。ただ、カルガモがザリガニを捕まえるシーンは探し出すことができませんでした。

  3. その後は現在の地図と明治時代の地図を見て、フィールドワークの足跡を辿りながらの解説がありました。2つの地図をコンピューター上で重ねてみたものを3月例会でお配りします。

  4. すでに暗渠になっていたり、枯れてしまったりしている用水を探す作業は、まるでブラタモリです。本家ブラタモリで玉川上水を取り上げられるのはいつでしょうか。なかなか面白いと思います。

  5. 小池さんは勤務校で年度内に玉川上水のフィールドワークを行うそうで、サークル後の呑み会でも熱心に鷹取さんや鈴木さんからアドバイスをもらっていました。ぜひ、その様子も報告してほしいところです。


『理科教室』12月号を読んで ・・・・堀さん

  1. 12月号の特集は「地震・火山国における日本の地学教育」でした。特集には7本の論文が載っていましたが、残念ながら実践記録という形の記事はありませんでした。「主張」に書かれているように「~防災意識とともに、地震や火山についての基礎知識を持つことが大事である。」と考えて実践している人は全国にいると思うので、実践記録を載せてほしかったと主張されました。特に、“理科教師日記”を執筆された菅原さん(岩手)には是非、地震や津波の実践記録を期待したい、とのことでした。

  2. 内容以外のことでは「p35の左下が空いているのは残念。」との発言がありました。図2を大きくするなどの工夫をすれば、空白も小さくなるし図も見やすくなる、との指摘でした。

  3. また、p68からの『理科教師日記』(菅原さん)では、学校の様子だけでなく鵜住居地区の様子の写真も載せると、学校がどのような場所に建っているのかがわかってよりよいのではないか、という意見が出されました。編集部が足りないと感じたら、著者に写真を要求するなど、原稿にもっと口出しをしたほうがよいとの意見でした。

  4. さらにp68~69の写真が話題になりました。このページでは写真番号やキャプションが写真の中に入っています。写真2のように、矢印などを入れて見るべきポイントを示すことはありますが、キャプションはぜひ写真外に書いてほしいものです。

  5. 例えば写真3にある隣の小学校校舎というキャプションは、書いてある場所も相まって、とり方によっては、左が中学校で右が小学校とも読めてしまいます。せっかく写真が掲載されることで説得力が増しているのにもったいない、という意見が出されました。