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日 時:2017年10月27日(金)19:00~21:45
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場 所:国分寺市本多公民館
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1.教材ビデオ「平成29年7月九州北部豪雨」………………… 鷹取
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前回の9月例会で報告された中学校における授業プラン「日本の自然と豪雨」の、教材用に制作したビデオを視聴しました。新聞記事や地形図などを利用したビデオでした。同時に、小学校5年生における「流れる水の働きと土地の変化」という授業プランも示されました。地形図を読むことの大切さを改めて感じさせられるものでした。
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また、「霞堤(洪水に備えて、あらかじめ切れ目を入れた不連続の堤防)から連続堤になってきた河川工事、山が荒れてもそのまま、ダムが効果的ではないなどの問題点について、マスコミでの批判がない」と付け加えがあり、「水害の歴史を学ぶといい」として、高橋 裕(東京大学名誉教授)さんの岩波新書を読むといいのではないかという話も出されました。高橋さんには、『国土の変貌と水害』(1971/07/20)『川と国土の危機 水害と社会』(2012/09/20)などの著作があります。
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掃部さんからは先日の豪雨で近くの川があと30cmくらいであふれるくらいになり、避難準備・高齢者等避難開始情報が出された話があり、九州北部豪雨については、「大量の流木を行政がどうするのか等、しっかり見続けていかないといけない」との話がありました。
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2.ビデオ報告「広島平和記念公園」「広島市安佐動物公園」
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「2014年8月広島土砂災害被災地」…………… 堀
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科教協広島大会に合わせた「広島平和記念公園」と「広島市安佐動物公園」の個人的なフィールドワーク、生物サークルと合同で行った「広島土砂災害被災地」のフィールドワークの記録ビデオを見ていただきました。
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鷹取さんからは、「1961年頃から工場労働者のために県営住宅が建てられ始めた。しかし、谷筋には1棟も建てられていない。一般の民家が谷筋に建てられ、流された。八木3丁目にある県営住宅の道路は狭いが、川が暗渠となり、その上を道路が走っている。ここが土石流の通り道となった」と補足がありました。
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フィールドワークに参加した鈴木さんからは、「行く前と後とでは、認識の次元が違った。大きな砂防堰堤ができているが、あそこに住んで怖くないだろうか。津波の防潮堤同様逃げるための時間稼ぎの構造物で、また壊れるのではないか」と話がありました。これについて掃部さんからは「わざと壊れやすく造っている」との話がありました。越智 秀二さん(比治山〔ひじやま〕女子中学・高校)も広島大会のナイターで、「治山堰堤は砂防堰堤に比べて小型で、わざと壊れやすく造っている」と話されていました。
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鈴木さんからは平和記念公園に関連して、「広島の原爆投下をアメリカの視点で見た、スミソニアン博物館のビデオを持っているので、いつか見てもらいたい」と付け加えがありました。
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3.実践報告「速度・加速度」 …………………………………… 町田
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科教協東京支部2015年度冬の研究集会の議論などを踏まえて考えられた実践報告でした。
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掃 部:静力学は?
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町 田:この授業の前に、やっている。
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掃 部:教科書では、速度・加速度に落下運動を入れてしまう。速度・加速度は力とは無関係で数学的な問題なので、力と運動は入れない方がいいのではないか。
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手 塚:ほぼ同意見。
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阿久津:町田さんとアプローチは違うが、自分はミックスしてやっている。
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どっちがいいかは、生徒のノートや発言から分析する必要がある。
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「瞬間」「瞬間」といいながら、平均の速度がいっぱい出てきているのが、気になる。
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掃 部:速さと速度は分けたのか?
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町 田:自分は分けて使っているが、生徒には「気にしなくていいよ」と言っている。
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掃 部:有効数字は?
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町 田:やっていない。
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4.『理科教室』を読んで「『理科教室』2017年10月号」………手塚
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「地学は、これから勉強することがたくさんあるな」「P.40の“岩石循環”の図は勉強になったし、新鮮だった」と、特集記事の感想が報告されました。
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鈴木さんからは、「低学年では河原で石を拾ってペンダントづくりをやった」などと、いくつか実践経験が話されました。
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鷹取さんからは、「50年代の教科書では“風化”が扱われていた。生物との関わりで土壌ができるが、『理科教室』でも岩石は扱っても、その上の表層部分にある土壌とは何かが見えない」との指摘がありました。