連載『子どもと学校と私たちと』の第1回を「私たち」のことから書き始めることにします。
夏休みが明けた九月、西多摩のあちこちでも休職や退職に追い込まれる先生が続出しています。体調がすぐれない、気力が湧かない、子どもとうまくいかない、つかれ果て足が学校に向かない・・・・・・・・。文科省の一番新しい2007年の調査によれば、休職者は年々増加し8069人。そのうち精神疾患による休職者は4995人。なんと62%です。まさに異常な事態といわなければなりません。
三楽病院の精神科医の中島先生が『先生が壊れていく』(*1)という本を書いています。そこで中島先生は、1998年ごろから精神神経科の外来を受診する学校の先生が急増し、三楽病院がおこなった調査によれば、現場教師の二〜三割が病院を受診してもおかしくない軽度の抑うつ状態にあると書いています。中島先生は、その原因を「かつてと比較にならないほど複雑な問題が山積して多忙をきわめている学校現場の職場環境にある」と述べ、個々の教員の力量や資質、ましてや努力度に原因があるのではなく、職場である学校のあり方にこそ原因があると指摘しています。
1990年代の終わりごろといえば、競争と選り分けを教育に強引に持ち込んだ新自由主義「教育改革」が叫ばれ出した時期です。これと「時」を同じくして急激に広がり始めた「先生が壊れていく」状況。今日、それはますます深刻さを増しながら教職員に襲いかかっています。 (つづく)
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