直線上に配置

第11回  「移行措置」 あれこれ

 20114月の完全実施を前に、学校は「移行措置だ」、「前倒しだ」と、新学習指導要領への移行をめぐって大混乱です。

たとえば4年生の算数。「がい数を使った計算」、「垂直・平行・いろいろな四角形」、「計算のきまり」、「小数のかけ算・わり算」、「直方体・立方体」、「そろばん」と、教科書で50ページをこえる内容が「移行措置」で一気に追加されるといった具合です。ともかくこの膨大な追加を何とか教え込まなくてはと、知らず知らず授業のスピードがあがってしまいます。

1年生はというと、学校に慣れる間もなく5時間授業。わずか6歳の子が給食を食べたあとも45分の授業。小学校の5校時終了時刻は2時半ごろ。帰りの会をやったり、ちょっと子どもの話を聞いていれば時計は3時を回ります。

「英語活動」は新学習指導要領の目玉。文科省の研究指定校を引き受けた小学校では、授業をやればやるほど子どもの意欲がなくなっていくと研究協議会で悲鳴があがるほど。それでも研究授業に追い立てられ、子どもが楽しみにしている「○小まつり」の前日に研究授業と研究協議が組まれるといった具合です。

ただでさえ目が回るような忙しさに、これでもかこれでもかと「追加」「前倒し」に「授業時数確保」の大号令が加わるのですから、子どもからも先生からも「もう、いいかげんにしてくれ!」との声が充ちるのはあたり前です。




もどる
直線上に配置