■ 国民を二つに分ける教育が始まる
新しい学習指導要領について審議してきた中央教育審議会は、子どもを「基礎・基本」が必要な子と、「活用力」を鍛える子に分けた教育を提案しました。新学習指導要領はこうした教育を進めるために、あらためて「習熟の程度に応じた指導」を強調するとともに、前回の改定で設けた「○○は扱わないものとする」といった「歯止め規定」は一部を除いて削除しました。
■ 基礎・基本は身体に叩き込め
基礎・基本の習得では、家庭と連携して音読・暗記・反復練習などを体験的、身体的に理解させなければならない。
中央教育審議会の最終答申は基礎・基本の学習についてこのように述べています。
基礎・基本レベルを身につけなければならない子は、ともかく練習、練習、練習・・・・学校でも家庭でも徹底的に覚えさせろ、身体に叩き込め!しかも、国(文部科学省)が「重点指導事項」を指定して、繰り返し・反復練習でそれを教え込み、その「成果」は「全国学力テスト」でしっかり点検・チェックするというわけです。
「できん者はできんままで結構」では平均点が下がって批判が続出する。「できん者」には徹底的に反復練習で教え込み、身体に叩き込んで平均点をこれ以上下げさせないようにする。
ここには、基礎・基本だからこそ、いっそう豊かに学び取らせるという教育の「基礎・基本」はどこかに投げ捨てられたままです。
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